男性の一字一句が全て間違っているの、なんかの試練かと思った。あるいは間違い探し。この映画終わったら問題始まるかと思った。そんな映画。

フリーアナウンサーでドラマやCMなど多方面で話題をふりまく田中みな実が映画初主演を果たし、おかざき真里の同名コミックを実写映画化。10年前に執筆したエッセイが異例のヒットを記録し、一躍有名作家となった36歳の本田まみ。女性の人生における幸せの価値を赤裸々につづって読者の支持を得てきたが、続くヒット作を出すことができずにいる。世間から求められるままに配信番組のコメンテーターを務めるなど作家として迷走する一方で、周囲からは事あるごとに独身であることを心配されている。年下の恋人とは結婚に向けて交際を続けているが、価値観の違いから不安と怒りが募っていく。周囲の雑音に傷つき、揺れながらも、自分にとっての幸せの形を見つけ出そうとする彼女だったが……。監督は「おいしい家族」「君が世界のはじまり」のふくだももこ。

映画.comより

ハルママの旦那がまずやばい。明らかにヤバい夫を描いている。自分の子供と一緒に遊ぶことで子育てに参加していると錯覚している夫に対し、「子供と遊ぶのは子守に入らないのにね」とくさしたり、「泣いてるからよろしく」と子育てを放棄したり、抱っこしないと寝ないんだけどとのハルママの相談に「抱っこ癖ついてるんじゃない?」と無責任なことを言い放つ。ほかにも「(散々子育てもせずに)俺は家族がいて本当によかったな」とか言い出すので、かなりヘイトの高い役柄。

一方田中みな実演じる本田まみの彼氏はカレーをスパイスから作って3時間かけて作るヤバいやつ。人前で「まみいくつだっけ」と軽々しく口にしたり、結婚しても名前は本田のままで活動していいよの発言に周りがまみに対し「恵まれましたね!」とへらへらいってのけたり。ブライダルチェックに行こうと誘ったら「俺も必要?男なのに。頑張ってね。まみならきっと大丈夫だから。」とわけのわからないことを言い出す始末。

出版社の男性も「結婚っていいですね。絶対的な味方がいるっていうか。」と的外れなコメントを残し、ゆきのの元カレはゆきのに「だって。ゆきちゃん一人で生きていけると思ったから。」と責任転嫁して自己保身にはしる。

まみの父親は「まみの歳のこともあるし、式も子供もなるべく早い方がええなあ」「いつになったら(まみが)片付くんじゃろうて」「男はそういうところ(会社で色々言われる)があるけえの」と”迷”言を連発する。セクハラモラハラ講座かなんかかなってくらいに詰め込みたい放題で、少しみているこっちもあざとすぎると言おうか、満腹感がすごいのだが、そりゃまみも最後には発狂するよなと。

そういったジェンダーバイアスを一番助長してそうなテレビ番組の司会者、藤井隆しかむしろまともなこと言ってないので不思議である。そして藤井隆らしい役柄だった。

基本、まみの彼氏は「なんか老けて見える。いつものマミの方がかわいいのに。」、(結婚したら仕事を辞めるのかと彼氏の母親に尋ねられて)パフェ食いながら、「まぁいずれ辞めるよね!」とか言いだす完全にアナクロ人間。苗字を変えることも子供ができることも当たり前の彼はもはや捨てられて当然の化石で、これがフィクションだと笑えないから世の中って恐ろしいなとつくづく思う。

楽曲は、にしなの「debbie」。最近話題のアーティストの一人で、どんどんファンを拡大しているので、どこかでテレビや大きなタイアップがつくのではないだろうかと思っている。