私はお酒はほとんど飲まないし。アル中は勘弁願いたいタイプだ。いや、アル中はみんな勘弁願いたいだろうか。

デンマークを代表する人気実力派俳優のマッツ・ミケルセンが、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた「偽りなき者」のトマス・ビンターベア監督と再タッグを組んだ主演作。冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとするマーティンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……。「偽りなき者」でもミケルセンと共演したトマス・ボー・ラーセンやラース・ランゼらがマーティンとともに実験を行う同僚教師を演じた。脚本に「偽りなき者」「ある戦争」のトビアス・リンホルム。新型コロナウイルスの影響で通常開催が見送られた2020年・第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出されたほか、第78回ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画賞にノミネート、第93回アカデミー賞でも監督賞と国際長編映画賞の候補に挙がり、国際長編映画賞を受賞した。

映画.comより

“イケオジ”の代名詞的存在でもるマッツ・ミケルセンがアルコールにおぼれて制御が利かなくなる役を演じる。教師4人が集まって「酒飲みながら普段から生活したらうまくいくんじゃね!!??」という発想のもと、授業中にサッカーのコーチング中に酒を入れ始める。はじめはうまくいっていたのに、すこしずつグダグダに。最初は0.05%がいいらしいという根拠のもとに行われていたのに、いつのまにかアンストッパブルに。そしてそれぞれに家庭の崩壊、学校での飲酒バレとトラブルが多発。

酒を飲みながら生活って、自分には少し想像が難しいというか、それが生活に好影響をもたらすイメージがつかない。酒はほどほどにとは言うが、酒を飲むと好きじゃない自分の本性が暴かれてしまうのだ。本来なら「私はクリーンです。差別も偏見もありません」というべきなのだろうが、そうもいかない。醜く愚かな人間は、知性や理性を取っ払うと下劣で残酷なまなざしを露呈してしまう。それ自体は仕方ないと思う部分もある。そのために知識を得て、何が正しいかを学び、それに準じて行動するのだ。つまりお酒は人間から知性をとっぱらった状態にさせる非常にリスキーな飲み物だ。この映画でも、せき止めていたものがあふれ出すシーンがあるが、良くも悪くも、自分に正直になってしまうのか。

では音楽です。

Ørva & Nielsen – Turn Me on

Scarlet Pleasure – What A Life