ここでは2017年に最も活躍したラッパーに贈る。

優秀賞

KREVA

PUNPEE

SKY-HI

KID FRESINO

SALU

KICK THE CAN CREW

Lick G




大賞

ROY

 

もし彼が今年新作をリリースしていなかったらと考えるとぞっとする。それくらいあの一作で今年の作品の厚みは変わっていた。オーガニックな香りがウリの環ROYがいい意味で無機質でクールなモードに入った作品。ラップというよりは言葉をそっと五線譜の上に置いていくような繊細さと、彼本来のザックリとした歌い心地は見事なハーモニーを演出している。時代の流れは「脱力」にあるが、彼はその筆頭候補として来年もガンガンと攻めて欲しい。そしてMステに出て欲しい。

総評
先ほども言ったが、ここ数年のキーワードは「脱力」。Suchmosや星野源といった肩肘張らない音楽がポスト四つ打ちとして名乗りを上げてきた。それはシティポップとはまた違う、もっと源流を辿ったシンプルなラフさ。それは海外においても同じだろう。EDMの先頭を走ってきたCalvin HarrisがMigosやFrank OceanとフィーチャリングしたSlideを発表したように、チルな音楽が今求められているのは自明だ。私が独断で選んだメンツを見てもそれがうかがえる。この流れはしばらく続くだろう。縦ノリの反動で横ノリが来ると言われて早5年が経とうとしている。2015年のAwesome City Club、2016年のSuchmos。昭和世代の期待するロックンロールには程遠いかもしれないが、この新しい波はしばらく傍観するのも面白いだろう。これらが増え続けるフェスに対してどんなインパクトを与えるのか注目したい。

2017年間音楽賞一覧に戻る