ここでは今年最も輝いたソロミュージシャンに贈る。

優秀賞

青山テルマ

小袋成彬

折坂悠太

唾奇

Mom

三浦大知

米津玄師

RIRI




大賞

あいみょん

正直に、できるだけ正直に語るならば、今年のあいみょんはもう私のすきなあいみょんではなかった。もちろん、良質なポップスで聞いただけで好きになれる素敵な楽曲であることには変わらないのだけど、去年の「愛を伝えたいだとか」とかのあいみょんが何となく好きだったのが、あまりに洗練されてトップブランドがアイコンとして使いたがるような感じになったのが少し私の思い描くあいみょん像と違ったのだ。もちろんそんな身勝手な失望をあいみょんが気にする理由もなく、これからもどんどんスケールアップしていくに違いない。ただちょっとだけダサくいてほしいなあとも思う。カントリーサイドにたたずんでほしい。渋谷の女の子たちの憧れには腑に落ちない。私はそんなあいみょんがすきだから。でもやはり今年のソロアーティストは彼女しかいないだろう。年末の紅白歌合戦まで、彼女の躍進を見届けようと思う。

総評
もう米津玄師とあいみょんが今のJPOP界を牛耳っている。どうあがいても彼らに太刀打ちはできない。そしてそれを当たり前のようにきいてる中高生のセンスに驚く。あんなアーティスティックでオーセンティック志向のアーティストがきちんと評価される時代はとても健全だなあとも思う。私の中高生時代の音楽なんて(と言うと失礼だが)、GreeeenとかFanky Monkey BabysとかORANGE RANGEとか。当時は好きで聴いていたのもあったけど、やっぱり思い返すとダサい。あまりにダサい。ファンモンなんて歌詞がもてはやされていたんだ、どうかしている。レゲエをやってもR&Bをやっても一般層に向けて改変した偽物しか歌わない時代だった。でも今は違う。趣味が多様化して音楽の聴き方が変わった。みんな同じ音楽を聴く時代からそれぞれが好きなジャンルを聴く時代に。ニッチな音楽でもちゃんと成立する。むしろ本物であればあるほど認められる時代。そして演者も、一人で何でもできる時代だからこそ、身軽で自由に音楽活動をする。ギターを持ったらもう一人歌う人を見つけて道頓堀で歌う….なんて時代は終わった。家で録音してプロツールスでも使って自由に作曲ができる。才能があっても環境に恵まれなかった人たちが環境を作れる時代になった。上に挙げた優秀者の中で、売れるために好きな音楽をぶん投げてリスナーをなめた楽曲を作っている人は一人もいない。みな、それぞれの音楽とシーンと世界を照らし合わせてオリジナルにあふれた音楽を作っている。とてもうらやましい時代だと思う。心底思う。

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