宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」が話題になっている。その理由が、歌詞に

令和何年になったらこの国で夫婦別姓OKされるんだろう

という言葉が盛り込まれているからだ。

いちアーティストがたったそれだけのことを歌っただけで賛美を送るなんてどれだけ日本は消極的なんだと愚痴をこぼす人もいるだろうが、とりあえずこの国のアーティストの及び腰と無関心さは大前提としてさすが宇多田ヒカルだよね、と思うことは悪いことではないと思う。

30年も前から夫婦別姓の議論は始まっていて、なのに政治家はいまだに「議論が深まっていない」とか言っている状況は、あきらかに議論する気がないし進展させる気もないのがわかる。立憲民主党が4月30日に法案を国会に提出したこのタイミングでリリースされた本楽曲は、選択的夫婦別姓を望む多くの人から賞賛と希望の声で溢れた。

その中で、やはり反対派は「いやいや」と否定に回る。そう思う人がそう言ってそう思ってた人がそうだよねと共感する場に「お前日本いないだろ」とか「左翼に媚びてる」とか色々言ってくる。

そもそも選択的夫婦別姓にお前は関係ないだろというツッコミが可能な上に、アーティストの歌詞にさらに批判を重ねてくる様は二重で「お前に関係ないだろ」がかかってくる。

それでも言わなきゃと思うのは、焦っているから。この社会が少しずつ変わりそうな気配を感じ取っているから。とにかく変わらないことを望み、とにかく国を憂う人を小馬鹿にすることで心の平穏を保つ。それでは議論にならない。

なにより、反対派は大抵ターゲットを誹謗中傷しながら否定する。それはやはり焦りが見え隠れしている証拠だろう。

なら全く構わない。ただひたすらに声を上げ続けるだけで社会は動いていく。イデオロギーとは無関係なムシャクシャを議論に持ち込む人達とは取り合わなくても、社会は動かせる。