音楽オタクと呼ばれるのは不本意だしうれしくもないしそうでない雰囲気を装ってみるけれど、こんなブログを10年近くやっている時点でもう逃れようのない事実な気もする。唯一の救いはCDの収集をやめ、音楽コンテンツへの支出が限りなく抑えられ”健全”な額に済んでいるという点かもしれない。

そんな”音楽オタク”という呪縛から逃れようと日々もがき続ける中、抗いようのないうちから湧き上がるその欲に負け、日夜新しい音楽に触れ続けている。当ブログを知ってくださっている方はご存じだろうが、私は毎月数十枚のアルバムを聴いてはメモし、新曲を数百曲聴いてはよかった順に並べ、それを年末にまとめる苦行を脳汁をまき散らしながら続けている。アメブロ時代を含めると今年で10年目になる。ある意味貴重なアーカイブとして機能するのではないかとたくらむほどに。そのおかげというべきか弊害というべきか、日々新曲を聞かないと堪えられない体になってしまった。いい曲とか悪い曲とか関係なく、聞いたことのない新しい曲であればなんでもいいとすら思えてしまうほどの重症を患う私は時にそのクオリティの低さに罵詈雑言を脳内で浴びせながら新曲を聞く。そこんじょそこらのマゾヒストには負けているつもりはない。

ところで音楽オタクのジャンルは多岐にわたる。クラシカルな60年代、70年代のロックンロールなどに傾倒している人、ボカロにやたらと詳しい人、アイドル、ボーイズ/ガールズグループのファンをしている人。ヒップホップに不快造詣がある人、最新の音楽を聴いている人。

私の場合は毎月新譜を聞いてまとめる作業を行っていることもあって。現行の国内の音楽には割と把握していることが多いが、一方で国内外の昔の音楽はめっぽう弱い。ベタなところで言うとビートルズだってローリングストーンズだって沢田研二も美空ひばりも代表曲しか知らない。あるいはアメリカやイギリスの音楽にはそれなりに聴いてきてもフランスやドイツ、韓国や中国などそれ以外の国の音楽は非常に限定的しか知らない。

それでも音楽が好きなので、いろんなところで音楽の話が出たときについていけないなんてことはできるだけ避けたい。たとえにわかの知識であっても、話を合わせられる程度にはしておきたい、と思うのは私だけだろうか。

KPOP大好きな人がいたら東方神起や少女時代のことからBTSやBLACKPINK、そしてNew Jeansなど、もちろんボーイズグループのSEVENTEENやATEEZもさらっとは知っておきたい。そのほかJO1やINI、BE:FIRSTを筆頭とする国内のダンスグループも話題に上がりやすいだろう。

最新の音楽だけではなく、例えば2000年代の国内のロックシーンを語る人に出会うときがあるかもしれない。それだけでなく。90年代のオルタナや80年代のメタル、そういうものの語らいの場に遭遇することもあるだろう。

かといってそういった音楽オタクたちの場だけではなく、もっとフランクでライトな場でもきちんとついていけるようになりたい。カラオケに行けば鉄板ソングは歌えておきたいし、同年代といくならその世代ならではの楽曲は外せない。

そう考えるとアンテナは無数の方向に伸ばされていて、常に情報をキャッチし続ける必要があって、とてもじゃないけど個人で網羅できるようなものではない。だからそれを目指すこと自体ナンセンスではあるのだが、やっぱりそこへの憧れはある。だから、”オタク”は忙しいよね、という話。