地球滅亡系の映画はすぐに手を出してしまう。どんなパターンでも、人々がパニックになって逃げまどったり、暴動を起こしているニュースを主人公が見ていたり、津波や隕石に音楽を大音量で聴いているせいで全く気付かない人がいたりと、「ベタ」な展開がしっかり盛り込まれている地球滅亡系映画がいとおしい。サメ映画が好きなように、私はそういう「ベタ」に安心する。

「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」などのパニックアクション大作で知られるローランド・エメリッヒ監督が、月と地球の衝突という危機に立ち向かう人類の姿を描いたディザスタームービー。原因不明の力によって月が本来の軌道から弾き出され、あと数週間で地球に激突するという驚くべき事実がNASA(アメリカ航空宇宙局)にもたらされる。NASAは現地調査を試みようとするが、同時に組織内部で、とある情報が隠ぺいされていたことが発覚する。地球と月を救うため、NASAの副部長ジョー・ファウラー、過去のある事件からNASAをクビになった元宇宙飛行士のブライアン・ハーパー、天文学博士を自称するKC・ハウスマンの3人が立ち上がり、未曽有の危機に立ち向かう。ジョーをハル・ベリー、ブライアンをパトリック・ウィルソン、KCを「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・ブラッドリーが演じた。そのほかの共演にマイケル・ペーニャ、チャーリー・プラマー、ドナルド・サザーランド。2022年7月29日からAmazon Prime Videoで配信。

映画.comより

今回は、オタクの太っちょが陰謀論唱えてたらマジだったパターンなのだが、なにせその展開が正直キツイ。最近の自分の傾向として、「おじさんの妄想と”こうなったらいいな”という願望映画」が苦手になりつつある。モテない陰キャラがひょんなことから女の子から言い寄られるとか、そういうご都合主義な映画がしんどくて、今回もずっとその茶番に付き合わされる。世界の命運がかかっているというのに元妻を信じるとかいう謎理論で地球滅亡の危機に晒すし、基本的に出てくる人物全員がまともな思考回路をしていない。

世界滅亡するというのにずいぶん少ない人数で意思決定をして、民間人を平気で未知の場所へ連れていくし、政府が隠している重要な秘密も丁寧に教えてくれるし、ずいぶんと主人公に追い風だ。

結局最後まで何が起きて何が正解だったのかもわからないまま、とりあえずみんな助かった。地球滅亡の「ベタ」は確かにあったけれど、それ以上にプロットに耐えられなかった一作だった。