前作「エノーラ・ホームズの事件簿」の続編。名前の通り。自ら探偵事務所を設立し、本格的に探偵として動き始めた彼女に舞い込んだ人探しの依頼。そこから始まるいくつもの事件と謎がからみあう…というサスペンスお決まりの展開とイギリス王国の文化と時代性を活かしたコメディ。安心してみていられるクオリティと演出で、楽しくないはずがない。

名探偵シャーロック・ホームズを兄に持つ主人公エノーラの活躍を描くミステリーアドベンチャー「エノーラ・ホームズの事件簿」の続編。有名な兄と同じ探偵の仲間入りを果たしたエノーラは、晴れて探偵事務所を開設する。しかし物事はそう簡単にはいかず、肝心の依頼がまったくない。やっとのことで「行方不明の少女を捜してほしい」という依頼を受けたエノーラは、新米探偵として初めての事件解決に意気込むが、事態は思わぬ方向へと進んでいき、いつしか危険で強大な陰謀に巻き込まれてしまう。それでも彼女は、頼れる兄シャーロックや新たな友の助けも借りながら、知恵と勇気で事件に挑んでいく。原作は、アメリカの作家ナンシー・スプリンガーによるヤングアダルト小説シリーズ。大ヒット作「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で一躍ブレイクしたミリー・ボビー・ブラウンがエノーラを演じ、「マン・オブ・スティール」「ジャスティス・リーグ」のスーパーマン役で知られるヘンリー・カビルが前作に続いてシャーロック・ホームズを演じた。Netflixで2022年11月4日から配信。

映画.comより

前作もそうだったが、テーマの一つに女性の地位向上がある。今回依頼人が捜索してほしいとするサラチャップマンもその一人であることが後半になってわかる。劣悪な工場労働環境とチフスの流行。一方でエノーラ自身の問題と兄シャーロックの抱える闇。それぞれが受け持つ事件が次第にクロスしていく。印象的だったのはエノーラが窮地に陥ったときになんとか救い出そうとするシャーロックの姿。

ミリーがロンドンを駆け巡りぶら下がり爆発し戦う。特に女性三人が警視と戦うシーンは必見。探偵ものとしてはもっとも古典的でシンプルな舞台設定とテーマだが、陳腐さはなく、いきいきしたミリーボビーブラウンがすべてを満たしてくれる、そんな作品だ。