なるべくひとつずつ丁寧に聴いているつもりではあるが、やっぱり数を消費したい欲には勝てず、今月もアルバムを荒く聴きまくることに。その中でもいいなと思ったアルバムはちょっとずつだがレビューも添えている。気になった人はyoutubeなどでリードトラックくらいは聴いてみてほしい。

アーティスト名 – アルバム名
で表記。曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き=総合点、の80点満点で暫定的に評価。もちろんこの点は好みによるもので、客観的な楽曲の評価ではない。

邦楽

VaVa – Virtual (4 5 5 5 4 4 3 4=34)
惑星アブノーマル – 私は怒りでできている (5 4 6 5 6 5 4 5=40)
ソフトタッチ – リビルド (6 6 7 5 6 4 5 5=44)
SKY- HI – FREE TOKYO (7 5 6 6 5 5 5 6=45)
DEPAPEKO – PICK POP!~J-Hits Acoustic Covers~ (7 7 6 6 6 7 7 7=54)
Perfume – Future Pop (8 7 7 6 6 7 7 7=55)

『』- ・・・・・・・・・ (8 7 8 7 7 6 6 7=56)
なんだこれは、読み方も分からないし検索の仕方も分からない。ただアイドルらしいってことはわかる。
一曲目「ねぇ」のイントロを聴いた時に、あたらしいノイズ系のバンドかと思ったら、めっちゃ萌え声でびっくりした。アイドルの曲作る人が、どんどん好みと個性を出してきて困る。好きな音楽で困る。またアイドル探し始めてしまいそう。

ゲスの極み乙女。 – 好きなら問わない (8 8 8 7 6 7 7 7=58)

AAA – COLOR A LIFE ( 8 8 9 8 7 7 7 8=62)
COLOR A LIFE(AL)(スマプラ対応)
「紅白でしか見ないアーティスト」と長年音楽好きからも揶揄されてきた彼らだけど、メンバーの日高のソロ、SKY-HIがめきめきとヒップホップ界を席巻しつつあって、各ミュージシャンからも絶賛されコラボされ、さすがに音楽マニアたちもSKY-HIを認めざるを得なくなってしまった。この状況においてAAAはどう動くのか、とても注目していた。SKY-HIありきで進めていくのか。今まで通りのターゲットに狙いすませるのか。答えはこのアルバムにあった。音楽としてぐっと質を高め、サウンドにこだわりをつよめた。SKY-HI頼みにすることなく、ちゃんとAAAとして機能している。伊藤が卒業し、女性メンバーは宇野1人になった。いままでは女性ツインボーカルを巧みに使っていいわゆる”同性ウケアーティスト”としての方向性(加藤ミリヤや安室奈美恵などの共感型アーティストのことを指している)も残していたが、今作はそこをガッツリ削った形になった。宇野のソロデビューもあり、各々のスキルアップに余念のないグループであることは理解していたつもりだったけど、ここまでの完成度を示されてしまったら笑ってしまう。前作でも「MAGIC」のような佳作はあったけど、今作はそれにも増して粒ぞろい。かつバランスがとれている。特に目を引くのは、作曲者の多さ。今海外で主流となっているコライティングを「DEJAVU」では取り入れ、その結果が今作のクオリティに結びついているようにも思う。過度にかっこつけず、でもキメるところはキメる。AAAってかっこいいグループになったなって、昔は好きじゃなかったけど、そう思う。上から目線だけどさ。




STUS – Eutopia (9 8 6 6 6 7 6 8 8=64)


森山直太朗 – 822 (7 8 7 9 8 9 10 8=66)
822(通常盤)
森山直太朗には森山直太朗らしい歌いまわしっていうのがあって、それを今回もしっかりと感じた。というか特に今回は感じた。いままでの作品からより一層同じプロセスでブラッシュアップさせたような。これが正しい解釈かはわからないけど、「人間の森」から「絶対、大丈夫」まで幅の広い表現力を持っている彼のアルバムは本当に聴き飽きないし、このつまみ食い時代なのにちゃんとアルバムとして聴きたくなる、完成度の高いアルバムだった。

洋楽

(曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き=総合点)
Suede – The Blue Hour (4 3 2 3 4 3 6 3=28)
Hop Along – Bark Your Head Off, Dog (5 4 5 6 4 3 4 5=36)
Let’s Eat Grandma – I’m All Ears (5 5 6 5 4 4 4 5=38)
名前がさすがにインパクトあり過ぎた。


Hatchie – Sugar&Spice (5 6 5 5 4 5 4 5=39)
Honey Hahs – Dear Someone, Happy Something (5 6 6 5 4 5 5 4=40)
平均年齢13歳とかいう異次元の若さ。で、この空気感はいい。フレッシュな感じも残してるけど軽薄じゃない。素直に好きな音楽を鳴らしている感覚。そんなにハマりはしなかったけど。


Third Eye Blind – Thanks for Everithing (6 6 7 5 4 5 5 5=43)
MAGIC! – Expectations (6 6 7 5 5 6 4 5=44)
Her’s – Invitation to Her’s (6 5 7 7 5 5 6 5=46)
Ross From Friends – Family Portrait (6 7 6 5 5 5 6 6=46)
THE CARTERS – EVERYTHING IS LOVE (6 6 6 7 6 5 5 5=46)

ビヨンセとその旦那ジェイ・Zの夫婦コラボ。


Pale waves – My Mind Makes Noises (6 6 5 6 7 6 7 6=47)
Maribou State – Kingdoms In Colour (7 6 6 5 6 6 6 5=47)
Eminem – Kamikaze (6 6 8 6 6 5 7 6=50)
Javier Santiago – Phoenix (7 7 6 7 5 7 5 6=50)
Spiritualized – And Nothing Hurt (6 7 6 6 4 7 7 7=50)
Holy Other – Held (6 7 7 6 7 5 6 6=)50
Why Don’t We – 8 Letters (6 8 8 7 6 5 6 6=52)
Mac Ayres – Something to Feel (8 6 6 6 7 7 6 7=53)
Something to Feel
ジャケがいい
Death Cab For Cutie – Thank You for Today (7 8 6 6 7 7 7 6=54)
HONNE – Love Me / Love Me Not (6 7 8 6 6 8 6 7=54)
Octavian – SPACEMAN (8 7 6 7 8 6 7 7=56)
Blood Orange – Negro Swan (7 8 7 7 8 6 7 7=57)
Paul McCartney – Egypt Station (8 8 7 8 7 7 6 7=58)
Egypt Station

ビートルズがどうしてもヒット曲以外とっつきにくくて、サージェントペパーズとかもはやジャケットにしか価値が見いだせてなくて音楽難しいよと打ちひしがれていたのは大学生の頃。一方で前作の「NEW」にしろ、ポールの近年のソロ作品はポップで聴きやすい。サビが分かりやすくある意味で非常に日本人に親切。

KAIDI TATHAM – It’s A World Before You (8 8 7 7 7 7 8 7=59)
Jenn Champion – Single Rider (9 7 6 8 7 9 7 7=60)
Friday Night Plans – LOCATION-Los Angeles- (9 8 8 8 8 8 8 8=65)

Drake – Scorpion (8 8 9 8 9 9 8 8=67)

SCORPION
当たり前のように毎日聞いていて、うっかり月間アルバムランキングに載せるのを忘れていた。アメリカでは「In My Feelings」に合わせたダンスが大ブームとなっているのに日本では全くの無風というのもあいかわらずというか、ラップはまだまだ時間がかかるものだと実感。それにしても切れ目のない楽曲ばかりで、歌詞もちょっとずつだけど追っていくとボヤっとこのアルバムを通してドレイクが見えてくる気もしている。ディスク1の方こそ丁寧にラップを重ねていくけど、ディスク2はより歌モノとして機能している。ので、より聴きやすいのは2枚目かと。実際、「In My Feelings」も「Nice For What」も「Don’t Matter to Me」も二枚目だし。年間ベスト候補。最大瞬間風速より長期的に愛せる一枚。



Devon Welsh – Dream Songs (8 9 7 8 9 8 9 9=67)
Dream Songs
初めはいつもどおり流して聴いて、なんとなく終わってなんとなくライブラリから消去する候補として頭に入れていた。でも最近、年間アルバムランキングをするためだけに聴いている感に嫌気がさして、もっと大切に聴こうと思い直して消す前にもう一度聴いてみた。まあ劇的にすごい!って思えることもなくてやっぱり消去候補に。でもまた「いやもう一回聴いてみよう」と思って聴く。「もう一回」「もう一回」。次第に聴く頻度が増えスパンが短くなる。すると、聴こえ方もかわってくる。昔の人が言ってた、「楽しみに買ったレコードがつまんなくて、でももったいないから何回も聴いていくうちに好きになっていく」現象。近年あまりなかったのに、ここにきてそんな風に感じた。寝る前に聴くと最高、仕事前に聴くと退屈でテンション下がる。聴くタイミングも大事だなと。


George Clanton – Slide (8 9 9 9 8 8 8 9=68)
Slide
多分、2%くらいの人は私と同じように、ジョージクリントンの作品だと思っていたに違いない。ジョージクリントンがファンクだってこと、ジジイだってこと、サマソニにくるってことしか知らなかったので、いざ聴いてみたら本当にびっくりした。え、ジジイ、イキりすぎやろ、と。残念。このジョージクラントンは眼光鋭いお兄ちゃんだった。にしても最高過ぎる。



以上、9月のアルバム一覧です。Drakeは聴きすぎてちょっと飽きたので評価下がってしまった。森山直太朗ってやっぱり素敵だなあというのが今月の感想。ぜひ聴いてみてほしい。