ここでは最も素晴らしいカバーアルバムに贈られる。セルフカバーは含まれない。

優秀賞

山崎育三郎 – MIRROR BALL’19

槇原敬之 – The Best of Listen To The Music

美空ひばりトリビュート Respect HIBARI -30 years from 1989-

 

 

大賞

 

島津亜矢 – SINGER 6


いつも彼女の声は心どころか存在すら震わせる。もはやなんて形容していいのかわからないくらいに、力強さと繊細さと温かさを兼ね備えていつどんな時でもいろんな歌で包み込んでくれる。「リンダリンダ」のような一見相性の悪いパンクも、散々こすられてきてもうカバーの幅などないような「時代」も、彼女にしかできない表現で表している。
唯一心残りなのは、2年前に彼女が紅白歌合戦で歌った「THE ROSE」が収録されていない事(2015年の三作目に収録済み)。
やはり彼女のカバーシリーズが出た時点で、他はかないっこないのかもしれない。それくらいに期待通り、いや期待以上の作品だったと言える。

総評

カバーアルバムを多く聴く機会はない。そもそもそれを目当てに新譜を探していない。ほんと偶然に見つけたものを断片的に聴いているだけだ。
考えてみると、カバーはあまり好きではない。ドメジャーな選曲はつまらないし、ドマイナーな選曲はいまいちピンとこない。そのセンスが問われるうえにその人の能力があまりに露骨に差となって表れるので、なかなか難しいものがあるからだ。でも山崎育三郎のカバーアルバムは本当に素晴らしいアレンジのものばかりで、そして彼自身の表現力の幅の広さに脱帽もする。バカバカしさものこしつつちゃんと演じ分けるのでさすがと言わざるを得ない。
おそらくこのノミネート以外で聴いたアルバムは数作しかないと思うが、どれもおススメできるものばかりなので、ぜひぜひチェックしてみてほしい。




2019年間音楽賞一覧へ戻る