ここでは2019年に活躍したロックバンド(アーティスト)に贈られる。

優秀賞

赤い公園

King Gnu

DYGL

CHAI

THE NOVEMBERS

No Buses

FIVE NEW OLD

マカロニえんぴつ

大賞

Suchmos

去年のサッカーテーマソング、紅白歌合戦を経ての彼らの今作はクールすぎて胸打たれた。新年早々のどでかい一面新聞広告で高らかに宣言した「自分らしさ」の保持は、このアルバムで確かに証明された。明らかに今までのチルっておしゃれでわかりやすい曲から、とっつきにくさ満点のエクスペリメンタルな楽曲陣は多くのファンを困惑させたに違いない。それでも横浜スタジアムで台風の中敢行し見事に成功をおさめ、決して広く聴かれたわけではないが、彼らが優れた音楽ディガーであり優れた表現者であることをきちんと提示した一年だったように思う。

総評
面白いのは、DYGLやNO BusesといったUK・USロックをそのまま引用してミックスしたような直列型バンドと、マカロニえんぴつのような日本独特な味わい深さを残しているバンドが存在して、また同時に人気を博しているということだ。どちらもが楽しく素晴らしくのめりこめる音楽であることは言うまでもないが、その二つの邂逅地点がまだ見えてこないのもおもしろい。
一方で、FIVE NEW OLDや新作あたりの[ALEXANDROS]のような「誰が一番ダーティヒットの音楽をやってるでしょう」キャンペーンみたいな、海外のトレンドの音楽を鳴らそうとするバンドが増えているのも事実。ロックのあたらしい形がようやく見えてきた気がする一年だった。みんながこのまま「ああこうやっていけばいいんだ」と気付いた瞬間、またロックは戻ってくると思う。



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