ここでは2020年に活躍したロックバンド(アーティスト)に贈られる。

優秀賞

King Gnu

ラブリーサマーちゃん

age factory

CHAI

クリープハイプ

tricot

羊文学

大賞

GEZAN

1月頭に投下された「東京」のMVと共にGEZANの一年が始まった。「狂」は結果的にあまりに世相とマッチしてしまい、幸か不幸かこのアルバム自体が2020年を体現するような形になった(と捉えることもできる)。最優秀リリック賞に続いて2冠目のGEZANだが、その魅力は筆舌に尽くしがたい。一定のリズムから繰り出される暴力的なサウンドと鋭利な言葉。真正面からロックを演じ切り、金切り声で警鐘を鳴らす。この作品はもっともっと正しく評価されるべきだと心底思う。

総評
去年この賞の総評で「誰が一番ダーティヒットをやっているでしょう」と喩えた。それは今年も地続きである一方で、新しい地殻変動がアンダーグラウンドでもオーバーグラウンドでも起きていたようにも思う。まずは海外のオーバーグラウンドで乱発する懐かしいオルタナティブなロックの回帰。それはmachinegunlellyや日本でもスマッシュヒットしたbeabadoobee、bring me the horizonなどのバンドが挙げられる。日本でも、2010年代に横行したロックの形から姿を変え、よりインディーな、実験的な音楽が大衆の心をつかみ始めている。日本は日本の、独特な変化が生まれているのだ。
どんどんシリアスな時代になっていき、生活まで一変した一年の中でロックの意味、意義というものが改めて問われたような、そんな一年だったようにも思う。


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