ここでは今年最も輝いたソロミュージシャンに贈る。

優秀賞

アイナ・ジ・エンド

iri

AAAMYYY

折坂悠太

STUTS

平井堅

藤井風

butaji

星野源




大賞

カネコアヤノ

今年上半期にリリースされた「よすが」で魅せた彼女の温かさと力強さは他をよせつけない圧倒的な支配力があり、いつまでもいつまでも私の心に刺さり続けた。後に出た弾き語りヴァージョンの「よすが ひとりでに」でもより彼女の芯に迫った”声”に着目して聴くことができるが、私はこのバンドアンサンブルの美しさも含めてカネコアヤノの圧勝だと言って差し支えない。

総評

過去のソロアーティストの受賞者をみてみると、宇多田ヒカルや三浦大知、米津玄師。あいみょんらと必然的な、悪く言えばベタで妥当でサプライズ性のない選出になっているが、それだけソロアーティストは毎年「この人を選ばないとさすがに嘘くさいな」と言わざるを得ないアーティストが出ているという事。今年も最後の最後まで星野源や折坂悠太らと悩んだが、今年は思い切って私が一番心に響いたアーティストを素直に選ぼうと決意した。もちろん今まで嘘をついて大賞を選んだことはないが、この企画は「自分の好みと世間の流れの両方を取り込んだ、より納得性の高い賞を作りたい」という意図のため、好み以上に客観的な活躍や知名度の伝播具合も重視していたのは事実。だからこそあいみょんや米津玄師といった面々にどうしてもなってしまいがちだ。もちろん今年のカネコアヤノの活躍はめざましく、テレビの出演もあったし、フジロックでの快演も記憶に新しい。一気にファンを獲得し、音楽ファンなら知らない人はいないだろうというところまで来たようにも思う。でもそれ以上に、今年の私にとって彼女抜きに語ることはあり得ないなと、そう思えるくらいに「よすが」は素晴らしかったのだと、強く主張しておきたい。

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