ここでは邦ロックオールタイムベストアーティストの40位から21位までを発表します。

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40位 レキシ

レキシのライブはふざけていて楽しいことで評判だ。稲穂を振りかざし、時にセンチメンタルな楽曲でほろっとさせる。その落差がまさにエンターテインメントであり、多くの邦ロック好きがポップスとしてのレキシを受け止めている。

39位 きのこ帝国

エモーショナルなギターと美しい歌声のミックスで完全に心をつかみ切っていたバンド。もう活動はしていないが、彼らがシューゲイズとポップスの中間地点を生み出し、轟音で美しいギターロックのスタイルを形成。今まさに彼らの追い風に乗って多くの轟音バンドが登場してきている。

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38位 マカロニえんぴつ

とことんポップでありながら若者の心情をピタリと言い当てる優れた感性を持ち合わせている。しっかりと商業的なブレイクも果たし、彼らの影響はこれから拡大していくはずだ。

37位 チャットモンチー

あえて俗な言い方をすれば、「ガールズバンド界のレジェンド」である。彼女たちの歌詞、サウンドメイキング、編成、ドラミング、ベーススタイル、全てがロックスターを目指す女性のスタンダードとなり憧れとなった。もちろん男性からの支持も厚く、邦ロックの教科書があれば間違いなく太文字で書かれる歴史的にも重要なバンド。

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36位 Suchmos

オシャレはスウェット、を知らしめたバンド、Suchmos。高い音楽性とハイセンスなファッションはもちろんのこと、ありとあらゆる部分において、シティボーイになりたがっていたバンドマンはこぞって彼らの真似をし始めている。オシャレではあるが、決して軽くならない深みは彼らならではのもの。時代を変えたバンドである。

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35位 藤井風

颯爽と現れ、一瞬にして時の人となったニューカマー。にもかかわらず、もおうシーンを背負うレベルの振る舞いとオーラ。才能が暴力的に猛威を振るっていて、確実にこれから先5年のシーンの雰囲気を変えていく存在だ。

34位 Perfume

アイドルなんて、というレッテルを覆したエレクトロポップグループ。ロックフェスに出演しだすと、年々ステージは大きくなり、いまや邦ロック界に欠かせない存在に。邦ロック好きの若者に「エレクトロで生音じゃない音楽」を興味の対象へと押し上げた。

33位 キュウソネコカミ

歌詞がネットカルチャーそのものを使用したバンドの中で最も売れたバンド。非リア充や陰キャ、コミュ障、クソワロタ、といったネット用語を、ネットカルチャーをロック界に持ち込み、非リア充を自称しながら弱者の目線でリア充をくさし続けたまさに鼠。そのごのヤバTにもつながる視点ではあるが、もうすこしヤバTは鬱屈したものではなく、それ自体をすんなり受け止め誰もをきちんと認めるスタンスである違いについてはまた別の機会に語ろうと思う。

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32位 WANIMA

メロコア、パンクを再興させた立役者。時代遅れ感もあった音楽ジャンルだが、シティポップ全盛の最中、真逆の熱くてシンプルなメッセージ性がむしろ好意的に受け止められた。フェスにも欠かせない存在であると同時に、メロコアパンクシーンでも珍しいメディア露出型という事もあり、Z世代以降の大手メディアに嫌悪感のない特性をそのままメロコアに持ってきた新しい形のバンド。

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31位 King Gnu

芸術と商業は相反するものであるというある種あきらめにも近い暗黙の了解をぶち破った異端児。全く自己表現にひるむことなく、一切妥協のない作品と迎合しない高い芸術性、わかりにくいメロディ構成など、売れない要素を盛り込んでおきながら業界の頂点を鷲掴みしている。もはや新しいロックの形を形成したと言っても過言ではなく、彼らの10年後、このランキングで1位を狙える存在になっているのかが楽しみである。

30位 Dragon Ash

90年代、ミクスチャーをもちこんだ偉大なバンド。今なおライブシーンでは異次元の人気を誇る。リリースペースも遅くなり、チャート自体もさほどとりたてる成績ではないが、邦ロック界では彼らを外すことはできないくらいに、超重要バンドであり、歴史の開拓者である。

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29位 My Hair Is Bad

メディア露出も多くなく、決して多作であったりフェスにでづっぱりということでもないが、彼らの人気はすさまじい。10年代的”エモ”の神髄を理解し、彼ら自身が”エモ”のシチュエーションを作り出していっている。冗長的なMCも、彼らの専売特許ではあるが、その影響力もかなり大きいと考えられる。

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28位 THE ORAL CIGARETTS

ビジュアル系のリファレンスももちながら、耽美なロックを奏でる4人組バンド。非常にルックスでの好感度も高く、若者のあこがれるファッションカリスマ的な存在でもある。ボーカル山中に憧れて、アヒル口やファッションを真似する若者は多い。

27位 SEKAI NO OWARI

唯一無二の世界観、がこれほどまでに相応しいバンドも珍しい。どこを探しても彼らの変わりはいないのだが、フロントマン深瀬のような世界観を持ちたがる人は多い。近年は世界標準なサウンドを身につけ、非常に高度な音楽にもチャレンジしている。

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26位 ヤバイTシャツ屋さん

彼らが正解を作っている。彼らの面白さがおもしろいわけで、彼らの歌詞が若者の価値観へとつながっている。それほどにくだらないのに正解に近いバンド。ハードコアやメタルの要素もコメディ消化しているところは打首獄門同好会と近い。

25位 椎名林檎

フォロワーを生み出した数日本でナンバーワンの呼び声が(自分の中で)高い椎名林檎はここでランクイン。もう少しシンガーソングライター界隈などにも波及しているので、邦ロックのみで考えた場合この順位が妥当だと予想。日本の音楽史に残る名盤を多数生みだしているので、オールタイムベストランキング常連者でもある。

24位 SiM

ラウド、ハードコア、といったジャンルの一番星、SiM。MAHの嘘偽りない熱いメッセージに心打たれる若者も続出。レゲエなども取り入れ躍らせることもできるのが強みであり、2010年代を語るのに無視できない存在である。

23位 KANA-BOON

2010年代4つ打ちロックの第一人者。2013年のミニアルバムから一気に火が付き、ロックバンドドリームを掴んだ。今までにないロキノン系のメディア露出が増えだしたのも彼らから。そういった意味でもすべてが革新的で、全てにおいて一番乗りだった。絶対的王者。

22位 MAN WITH A MISSION

被り物バンドとして登場した彼らは、そのキャラクター性からテレビにも頻繁に出演し、フェスやイベントなどで一般層からの知名度も獲得。甲子園でライブを行うなどもはや日本での活動にやり残したことは少なくなった。海外のフェスにも出演し、布袋寅泰ともコラボするなど、現在は更なる高みを目指して海外で挑戦を続けている。

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21位 クリープハイプ

文学的な歌詞、の一番の正解を導き出したのが尾崎世界観である。純文学は読んだことなくても、尾崎世界観の歌詞を読んでいるだけでそれに相応するくらいの密な物語をよんでいるかのような満足感を与えてしまうのは、ある意味罪な存在である。下ネタもあけすけに歌詞に盛り込むあたりも、非常に若者の”エモ”の感性をくすぐっている。

以上が40位から21位までの発表です。20位以降は次回にします。

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