臼田あさ美が好きだったのは8年くらい前。決して今が嫌いとか、おばさんになったから嫌いとかそんなこと言うつもりはないけど、なんとなく疎遠になっていた女優。思っていたより演技があんまり好きじゃなかったのもあるかもしれない。

漫画家・魚喃キリコの代表作を「ローリング」の冨永昌敬監督、臼田あさ美主演で実写映画化。ミュージシャンを目指す恋人せいいちの夢を叶えるため、ツチダは内緒でキャバクラで働いていた。ツチダがキャバクラの客と愛人関係になり、生活費を稼ぐためにキャバクラ勤めをしていることを知ったせいいちは、仕事もせずにダラダラと過ごす日常から心を入れ替えてまじめに働き始める。そんな折、ツチダが今でも忘れることができないかつての恋人ハギオと偶然に再会。ツチダは過去にしがみつくようにハギオにのめり込んでいくが……。臼田が主人公ツチダ役を演じるほか、オダギリジョー、太賀、清水くるみ、光石研らが出演。やくしまるえつこが音楽監修、劇中歌制作で参加。

大変頭の悪い自分には最後まで何が「南瓜とマヨネーズ」だったのかわからなかった。もちろんすべてを説明するのが正しいとは思わないが、こういう馬鹿のためにももう少しヒントを散りばめてほしかった気もする。いや、逆にこういう映画もあっていいのか。

先月に「愛がなんだ」を見てきた後なので、その空気感はそのままこの映画に持ち込むことができた。どちらの映画も、女がバカだ。何も見えてない。でもそれが愛おしくなる。
こういうシンプルな発想の女性は、ミステリアスな男性に惹かれやすいのか。ツチダはハギオにのめり込んでいき、「でも見透かされそうなのが怖いよ」とか言ってのける。彼氏いるのに。
その彼氏は前バンドに戻ることもせず、でも働くことには決意し始める。

最後の最後までこのツチダがバカな女にしか見えなくて、決して彼女を可愛そうに思ったり共感したり一緒に涙したりはしなかったけど、映画だからこそ許させる愛のあるバカ女だった。だから感想として「なんだバッカだなー、でもかわいいな」が残る。

あとせいいち役の太賀がよかった。無能感が漂いまくっていて、なかなか出せない味が出ていた。結構今まで見た作品にも出演していたみたいで、ちょっと確認しようと思う。

音楽はやくしまるえつこ。元相対性理論のボーカルだったのは有名。今はこうやって映画音楽とCM音楽とかそういったものに積極的に参加している。2000年代のアングラ音楽シーンを支えた重要人物の一人である。そして熱狂的なファンが多い。

私は相対性理論を通ったこともやくしまるえつこにハマったこともないけど、この映画の音楽はすごく魅力的だったし、やっぱりすごい人なんだなと再確認。

映画自体はそこまでかなと思いつつ、こういう映画が好きな人は一定数いそうだなとも。