のっけから暗い。暗いのは主人公が外に出られないから。エイミー・アダムス、本当に女優かと思うくらいに辛気臭い。メッセージでもその辛気臭さは存分に発揮されていたが、それの比にならないくらいに辛気臭い。そして画面が暗い。トーンも低い。でも隣人のジェーンと話している時は安心感があって穏やかで、この映画のリラックスシーンでもある(と同時に鍵となるシーンでもある)。

「つぐない」「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」のジョー・ライト監督が、エイミー・アダムス、ゲイリー・オールドマン、ジュリアン・ムーアら豪華実力派キャストを迎えて描いたサスペンススリラー。A・J・フィンの同名小説を原作に、広場恐怖症を抱えた主人公が、隣家で起こった恐ろしい出来事を目撃したことをきっかけに、不可解な出来事に翻弄されていく姿を描く。広場恐怖症のため外に出られない心理学者のアナ。向かいの家に越してきたジェーンと知り合った彼女は、ジェーンと夫アリステアの生活を覗き見るようになる。ある日、ジェーンが恐ろしい暴力に遭遇している場面を目撃したアナは警察に通報するが、アリステアは何も起きていないと主張。警察も、病を抱えるアナの言うことを信じてくれない。さらに、ジェーンを名乗る別の女性も現れ、アナは自分自身が信じられなくなっていく。Netflixで2021年5月14日から配信。

映画.comより

基本的に全員から懐疑的な目を向けられている主人公。この手の作品は本当にどう転ぶか分からない。殺人鬼に追われてるとかなら明らかに善と悪がはっきりとわかれているが、この作品はどっちが本当のことを言っているのか正直わからない。脚本次第でどうにでも転ぶからだ。

ただスピーディーな展開と、きれいなプロットなおかげで話は追いやすく、見やすい作品でもある。

単なる事件ものではなく、主人公の過去と隣人の家族関係が重なり合って深入りしていくところは家族モノやトラウマものとしても捉えることができるし、いろいろと深みを感じられる作品だった。