サブカル住民は憤死すると聞いていたけどコロナもあって映画館に足を運ぶタイミングがなく、DVD化してから視聴。

冒頭のイヤホン片方聴き問題から「これお前が言ってそうなセリフだな」と指摘されぎくりとしたのち、「確かにイヤホン片方ずつは絶対満足できない聴き方だなあ」と思っていたことはひた隠しにしておいた。

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」など数々のヒットドラマを手がけてきた坂元裕二のオリジナル脚本を菅田将暉と有村架純の主演で映画化。坂元脚本のドラマ「カルテット」の演出も手がけた、「罪の声」「映画 ビリギャル」の土井裕泰監督のメガホンにより、偶然な出会いからはじまった恋の5年間の行方が描かれる。東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画がほとんど同じだったことから、恋に落ちた麦と絹は、大学卒業後フリーターをしながら同棲をスタートさせる。日常でどんなことが起こっても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。

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2010年代のサブカルチャーを網羅したような作品ではあるが、これがそんなに話題になるのは日本にカルチャーを語る映画がそれだけ少ないという事。それが問題でもある。押井守が出てきてワイワイしてるのは、それだけ語る機会が少ないという事。この映画の評価につながるわけではないが、もっとこれくらいが当たり前な映画シーンになればいいなあと思う。

きのこ帝国、カンブリア宮殿、ゴールデンカムイ、ストレンジャーシングス、cero、そしてSMAP。

この映画を通して思ったのは、別に決して”サブカルチャー”のみを扱った作品ではないという事。たしかにそこがフィーチャーされがちだが、主人公の麦と絹だって全てサブカルチャーだけを愛しているわけではないはずだ。でも彼らの発言すべてをサブカルだとまとめるのは乱暴だ。作品の性質上そうなるのは仕方がないとしてもだ。

ストーリー自体はもう語られているし、おもしろい考察は譲って、私も麦と絹の同年代として思い当たる節が多いので色々と思うところはある。

とりあえずAwesome City Club。この映画のキーワードでもある彼らを、私もよく愛して聴いていた。麦と絹が持っていたフライヤーとほぼ同じものを自分も今でも保管しているし、ライブにも行った。(AWESOME CITY CLUBのライブにいってきたので)

きのこ帝国のクロノスタシスは歌ったし、天竺鼠はbaseよしもとでよく見た。それを味わえるだけでもこの映画の価値があるなあと坂元裕二に感謝。

それとはまったく別問題として、ふたりのすれ違いもまた一つの同棲あるあるだ。価値観が異なり、「好きを仕事にする」のか「生きるために仕事をする」のか。そこが徹底的に話し合われなかったから最終的に来るところまできてしまった。どうしてそうなってしまったのか、といういらだちも含め、2021年を代表する作品になりそうだ。