すごい役者をそろえてくっだらねえことをやるのがアメリカ、らしいと言えばらしいが、そんな簡単なことでもないようだ。

モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンという3人のオスカー俳優が、平穏な余生を取り戻すために銀行強盗を企てる老人3人組を演じた犯罪コメディ。ウィリー、ジョー、アルの3人は平和な老後生活を送っていたが、40年以上勤めていた会社の合併によって大きく変わってしまう。突然の年金打ち切りで会社から見放され、銀行からも冷たくあしらわれてしまった彼らは、今までの生活を取り戻し、家族と幸せに暮らすため、まさかの銀行強盗という命がけの大勝負を決意する。体の不調が気になる実直な男ウィリー役をフリーマン、冷静沈着な知能派ジョー役をケイン、心配症で気難しいアル役をアーキンがそれぞれ演じる。「ビバリーヒルズ・コップ」「ミッドナイト・ラン」などで知られるマーティン・ブレスト監督のデビュー作「お達者コメディ シルバー・ギャング」(1979)を、「WISH I WAS HERE 僕らのいる場所」のザック・ブラフがリメイクした。

映画.comより

きちんと巧妙な手口をうまい表現でわかりやすく表現してくれてる点も、3人のききとりやすいセリフと丁寧な描写が、この映画のテンポの良さとおもしろさを生み出している。

みんな悪人なのににくめないし、口は悪いけど嫌味っぽくない。芯から家族のことを思っているからこその行動(だからといって強盗がいいわけではないが)なので、一貫性があるし、無駄な行動がない。

でもこの映画に通底しているのはアメリカの高齢者問題で、そのシビアさを一貫して描いている。ひとりひとりは寂しく孤独だが、3人で支えあって生きている。しかしそれを美談にしてよいものだろうか。コメディではありながら、そのまなざしもつきつけられているような気がした。

音楽も新旧、ジャンルも様々でキャッチーなものばかり。ぜひこれらは聴いてほしい。単純に神曲ばかり。

Mark Ronson – Feel Right (feat. Mystikal)

A Tribe Called Quest – Can I Kick It?

Stevie Wonder – Higher Ground

Jamie Cullum – Hey, Look Me Over

Sam Cooke – Mean Old World

Dinah Washington – What a Diff’rence a Day Made