成功したアーティストにはそれぞれアンセムがある。アンセムってのはまあみんなが待ち望んでいて合唱出来て感動できる鉄板の代表曲みたいな、そんな感じ。アンセムと言ったのに深い意味はない。だから細かい差異は気にするな。要するに名曲の後ろの曲を聴こうってんだ。

なんでかって、いまこうやってデータの時代になっていつでもスマホやipodやウォークマンから好きな曲だけ聴くことができる。レコードやカセットの時代にはできなかった離れ業だ。だからついつい定番の名曲を聴いて次の曲を飛ばしてしまう人も多いのではないだろうか。ということで生まれたこの企画。何回か続くといいね。

 

Green Day – She

メロコアの代表格、Green Day。聴いたことある人は多いと思う。はいそこー、メロコアじゃねーとか言わなーい。いまそんなことどうでもいいのー。ボーカルのビリーは色々と問題発言もあるんだけれどパパやってるから。許そう。そんな彼らの代表曲は色々あるがBasket Caseではないだろうか。サードアルバム「Dookie」に収録されているこの楽曲は今でも多くの人に歌い継がれる名曲だ。アメリカっぽい音楽で非常に聴きやすい。時にそれが揶揄の対象になったりもするのだが。そんなBasket Caseの後ろの曲、それが「She」だ。この曲も実はシングルカットされているのでちょっとGreen Dayかじった人なら知ってるのでは。というかこのアルバム自体が聴きなじみある曲まみれなのでは。日本でも絶大な人気を誇るバンドだからね。比較的短い曲なんだけれどもメロディがしっかりしていて聞き流すにはもったいない。

 

My Chemical Romance – I Don’t Love You

 

“マイケミ”でお馴染みのMy Chemical Romance。サードアルバム「The Black Parade」に収録されている代表曲、Welcome To The Black Paradeの後ろを任されたミディアムバラード。独特な歌声と自分で再現不可能な自己破滅型高音ボイスが特徴(むしろどうやって録音したのか謎なくらいに)。惜しくも数年前に解散。ただ、00年代キッズたちの心を鷲掴みにした紛うことなき神バンドである。ちょっとこの鬱々しいところも中二病をくすぐる。

 

Daft Punk – Aerodynamic

 

 

フランスのエレクトロデュオといえばDaft Punk。松本零士がMVの画を担当したことで有名なOne More Timeは日本でも大ヒットしCMや番組内で数多く起用され、耳に残っている人も多いだろう。しかし松本零士×Daft Punkはこの作品だけではない。実はこのOne More Timeが収録されているアルバム「Discovery」の2曲目、つまりOne More Timeの次の曲「Aerodynamic」も松本零士が引き続き画を担当している。というか、そのままこのコラボは「Digital Love」「Superheroes」まで続いて結局2003年に「インターステラ5555」というアニメーションまで制作している。wikiで確認したから間違いない。

海外の音楽フリークたちにとって日本のアニメの入り口はドラゴンボールでも鉄腕アトムでもナルトでもなく、松本零士の銀河鉄道999なのである。知らんけど。

 

 

The Strokes – Automatic Stop

 

The Strokesの代表曲って聞かれると困るのは思いが一潮なのもある。生まれて初めてフェスに行ったときに観たのはこのバンド。目当てで見に行ったけど、海外のバンドの圧倒的なパフォーマンスに正真正銘度肝抜かされた。これからいろんなバンドのライブを見るだろうけど、初めてのフェスでのあのライブは一生忘れない。

そんな中あえて代表曲を選ぶとしたらReptiliaだろうか。youtubeでも一番上に表示されるし。このAutomatic Stopも素晴らしい曲なのだがやはり前曲が神だと少し霞む。大成功を収めたセカンドアルバム「Room on Fire」に収録された本楽曲は幸か不幸か同じくシングルカットされた「12:51」にはさまれた格好になっている。逆に聴いてもらえるパターンか、もしくは早送りのパターンか。いずれにせよ、早く来日しなければならない。ロックフェスと謳うのならば彼らやストライプスを呼ばねば。そんな時代じゃないのは承知である(むしろそんな時代を歓迎しているのは自分自身だ)。

 

 

こうやってアンセムの後ろ聴いてきたが、この記事を書きながらやはりアンセムも同時に聴いていた。そのどれもがどうひいき目に聴いても完璧で美して、そしてライブ映像の圧巻ぶりに打ちひしがれている。音楽っていいなあ、うつくしいなあ、ロックってすげえなあって当たり前のことに半泣きになっている。例えばNirvanaのSmells~はもう全世代のアンセムになりつつあって、なんでこんなにただの音楽にここまでの数の人が熱狂しているのかわからないくらい。本当に星の数ほどの人が音楽にすべてを捧げ青春を全うし心酔してきたのだろう。日々Twitterでくだらない音楽論争をしてしまうんだけれども、この曲だけで世界平和出来てしまうんじゃないかって思う。戯言だが。