今年から始まったレコメンドアーティスト。私がこのアーティストいいなって思ったものを洋楽と邦楽から1組ずつ紹介する。

邦楽

ゆいにしお


1997年生まれの女性シンガー。邦楽の良さがぎゅっと詰まったような、日本でしか味わえない感覚を与えてくれる今一番推したいアーティスト。尊敬するアーティストにはっぴいえんどや空気公団をあげているのも納得できる。ポップで聴きやすいけど簡単に消費できないような、そんなしつこさもある。現時点での最新曲「帰路」は軽快なリズムと嫌味なく入ってくるクリーンな歌声でちょっと90年代の残り香も感じられる。
女性とアッコ―スティックギターの相性はいつもながらいいなあとうっとりしているのだが、ゆいにしおはその相性が飛び抜けて良い。「タッチミー」のようなアメリカのインディーミュージックのような雰囲気にもできるし、はっぴいえんどのような和のテイストも醸すことができる、非常にフレキシブルな存在だ。海外でも2019年のグラミーの新人賞はカントリーミュージックを基盤としたケイシーマスグレイヴスだったし、日本でもあいみょんの怒涛の躍進など、女性アコースティックシンガーの活躍が多いのでこの流れは実力のあるシンガーの再評価につながるのではと期待している。カネコアヤノのようなロックを前面に出すスタイルも、ゆいにしおのようなノスタルジックな音楽を作るスタイルもどんどん世に広まってほしいと願う。
5月に1stミニアルバム「角部屋シティ」もリリースされるのでそれを待ちたい。

洋楽

Say Sue Me

耳の早い人ならとっくに知っているだろう。私も去年「Where We Were Together」で知った。韓国の4人組バンドだが、もはやただの欧米のインディーミュージックそのものだ。韓国特有のメロや抑揚はなく、完全にハイクオリティなロックになっている。セイスーミーと読み、韓国の音楽好きの中ではとっくに有名な存在で、韓国版グラミー賞とも呼ばれる韓国大衆音楽賞で、最優秀モダンロックアルバム、最優秀モダンロッックの2つを受賞。今韓国で最もアツいバンドだ。4月には来日単独公演も控え、さらに音楽イベントSYNCHRONICITY’19でも来日演奏の予定だ。国籍を問わないモダンなロックナンバーは日本人も必ず好きになれる。「Old Town」のような夏に合いそうな爽快な疾走感あふれるロックナンバーもあれば、「Coming To The End」のようなしっとりと憂愁を感じられるギターが心地よいスローバラードもある。ちょっと耽美で、でもゴージャスすぎずミニマムな構成でまとまりのある音楽は今の韓国のシーンを知りたい人にとっての必聴アーティストであることを強く主張しておく。