ここでは今年最も活躍した作曲者に贈る。

優秀賞

奈須野新平(Shuta Sueyoshi)

Rascal

UTA(三浦大知)

常田大希(King Gnu, millennium parade, N.HOOLYWOOD COMPILE IN NEW YORK COLLECTION)

熊木幸丸(Lucky Kilimanjaro, Sexy Zone, DISH//)

川谷絵音(美的計画、ゲスの極み乙女。、indigo la end, BENI, DADARAY, ジェニーハイ、)

Chaki zulu(Awich, TAEYO, kZm, 香取慎吾 )

小袋成彬(DAOKO, kZm)

yaffle(adieu, 藤井風、iri, 高岩遼)

Ayase(YOASOBI,Lisa Uru,Hey!Say!JUMP)




大賞

米津玄師

「感電」といい、「PLACEBO + 野田洋次郎」といい、既存曲のセルフカバーなどとにかく15曲が一瞬で通り過ぎていくレベルの充実感。前作までは「そこそこ好き」程度でしかなかった彼の作品を、ここまでのめり込むとは思っておらず、もう完全に打ちのめされて持っていかれた。幅広いジャンルを横断しながらポップスの軸はしっかりとぶれずに高水準を保ち続けている。まさか「Lemon」が霞むほどに他が充実しているとは思わず、「Lemonのアルバムだよね」なんて言いたかったのに、「Décolleté」や「馬と鹿」のような楽曲にもただただ唸る。作曲センス、といえば簡単だが、こんなに精密で、狙いすまして我々のツボを押さえてくるポップミュージックは当然一年に一枚あるかないか。そして同時に、嵐が彼に作ってもらったカイトをイマイチ歌いこなせていないのは、米津玄師という作曲家の独自性を如実に表した最たる例だろう。


総評
自身の楽曲のみならず、様々なアーティストに楽曲を提供するのも作曲家の大きな成果物の一つ。自分で歌うのではなく、その人のために書いた曲はまた違った一面を見せることも多い。そのアーティスト自身のスタイルがよく表れるのが楽曲提供だ。
もちろん自身の楽曲が素晴らしいことは当然として、あらゆるシーンにチャレンジしている人も興味深い。King Gnuの常田大希はチェロ奏者としての挑戦もし、YOASOBIの「夜に駆ける」で一躍トップスターとなったAyaseは小説を原作にして作曲を行うスタイルで人気を博している。
個人的にはyaffleに注目。関わっている人すべてが信用に足る素晴らしい作曲家ばかりで、彼ももうずば抜けたセンスを持っている。来年はもっと大きなプロデュース作品が生まれるに違いない。

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