ジャニーズと音楽

ジャニーズの音楽は語るに値しない、と誰かが言う。女性は結構顔ファンとかもいてなんだかんだ子供の頃から今もジャニーズに慣れ親しんでいるが、男性で音楽好きを名乗る人はジャニーズを聴かない。というかバカにしてる。私がツイッターでフォローしている人たちは雑食系なのでジャニーズも結構聞いてる(語ってる)イメージだけれど、リアルに出会う音楽好きはそうでもない。みんな最近のジャニーズの名前すら知らない。男子はもはやKing&Princeをゲームかなんかと思っている。

大声ではいえないけれど、たしかに「えぇ……」って思う曲もある。ファン向けというか、全然外側を相手してないような曲とか。それは仕方がないけど、それ以外に目を向けてみると案外楽しめる曲がある。むしろいかに大衆にウケるかを意識して作られている曲も多いので普通にキャッチーでポップな曲が好きな人はハマると思う。
ちなみに私はジャニオタでもないただの音楽好きが高じてジャニーズの曲も積極的に聴くようになっただけの素人なので、マイナーな曲を挙げれるわけではない。あくまで「ジャニーズなんてまともに耳を傾けようと思ってなかった」人たちに向けた入門編と思ってくれたら幸いだ。



SMAP

私は平成初期に生まれた人間なので、やっぱりジャニーズといえばSMAPでありキムタクなのである。嵐なんかと互換性があるとか思われても困る。嵐好きだけど。。やっぱりSMAPなんですよね。かつてのKinKi Kidsの堂本兄弟でのセッションや今の関ジャニ∞による関ジャムでのセッションは、元はと言えばSMAPのSMAP×SMAPでのセッションが始まりである。あの番組で多くの海外アーティストを知った。スティービーワンダーもマイケルジャクソンもレディガガも出演したモンスター番組は間違いなく彼らのスター性によって支えられていた。有名アーティストがこぞって彼らに楽曲提供した。山崎まさよし、スガシカオ、椎名林檎、槇原敬之、いしわたり淳治、森山直太朗、川谷絵音、MIYAVI、他にも多数の旬なロックバンドも関わってきた。そのためにSMAPはいつでもシーンの最先端の楽曲を歌っていた。今は関ジャニ∞がその系譜を受け継ぎつつある(星野源や岡崎体育など)。まぁ説明不要のスーパースターなので好きな曲を選べばいい。私はやっぱり名イントロだと勝手に思ってる「青いイナズマ」を推す。次点で「Dawn」「オレンジ」「さかさまの空」「シャレオツ」「華麗なる逆襲」、と挙げればキリがないし、世代じゃないのは10代くらいだと思うので、なるべく新しめのを聴くのがいいかも。昔の曲は良くも悪くも90年代の香りがある(夜空ノムコウのような不滅の名曲は除く)ので、2010年代にできた曲、川谷絵音とか椎名林檎とかLOVE PSYCHEDELICO作曲の曲なんかを選んでみるといいかもしれない。





TOKIO

関ジャニ∞が本格的に楽器を使い始めるまで、演奏するジャニーズと言えばTOKIOだった。というか今でもそのはずだ。長瀬のギターを持った立ち姿は国宝レベル。あれ以上カッコいいギタリストはそういない。今パッと思いつくのはポルノグラフィティの新藤晴一くらいだ。
楽曲もやっぱり有名なのが多い。そしてSummer Sonic2014に出演した時も超がつくほどの大盛況で、実際に観に行った友達もすっかりTOKIOファンになって帰ってきた。TOKIOと言えば筒美京平作曲の「AMBITIOUS JAPAN!」やデビュー曲の「LOVE YOU ONLY」、「宙船」が有名だが、ファン一位の曲は実はどれでもない。何と一位は「リリック」なのである。この曲は長瀬主演の連続ドラマ「泣くな、はらちゃん」の主題歌なのだが、誰も知らない笑。麻生久美子目当てで観ていた私に飛び込んできたこの楽曲はあまりにメロディアスで示唆的な歌詞にドラマの世界観とマッチして好きになったのをよく覚えている。それ以来ずっとTOKIOと言えば「リリック」だ!と思っていたし、「しめしめ、誰もこのマイナーな曲は知らないんだろうな。。通ぶれるぞ!!ファンもびっくりの選曲だ!」とか思っていたのに、ベストアルバム発売の際に行われたファン投票で一位を取ってしまった。なんだよ、ファンはみんな気付いていたのか、この曲のすばらしさに。と、うれしさ半分悔しさ半分の複雑な感情を手に入れてしまった。なのでTOKIOはまず「リリック」から入ろう。そして「花唄」でも「glider」でも「Mr.Traveling Man」でも好きなのを選べばいい。バンドサウンドが好きな人にはうってつけ。

ちなみにドラマの「泣くな、はらちゃん」もとてもいい作品なので。そして最終回前の「これが。。。世界。。。」と絶句するときのあのカットを入れてくるメッセージ性にもぐっとくるのでぜひ。どうやって見るかは、知らない。





KinKi Kids

多分音楽性が豊かそう、と思われがちなのがこのユニットではないだろうか。それはおそらく大半が剛のソロ活動に起因していると思うが。ENDLICHERI☆ENDLICHERIとかいっちゃって(現在はENDRECHERI)世間を困らせた。そして「変に拗らせちゃってる人」とレッテル張りをされた。でもそのレッテルをいっかい無視して音楽に集中してみると、こんなにも色彩豊かでポップでかつ深みのある音楽ってそう簡単にできるものではないよね、と言いたくなる。kinki kidsと銘打っているので彼らの曲を挙げたいのだが、「全部抱きしめて」とか「硝子の少年」とか「愛されるより愛したい」とか「フラワー」みたいな、もうただ単に世代で子供の頃聴いてただけというチョイスになってしまうので、あまり面白みがない。とはいえじゃあENDRECHERIについて語れるのかと言われてもやはり畏れ多いのでここはひとつ、「HYBRID FUNK」を聴け。とだけ。あ、あと「Grateful Rebirth」は本当に素晴らしいアルバムなので(当ブログでも2016年ベストアルバムの4位に選んでいる)聴いてほしい。





関ジャニ∞

バンド好きなら、関西人ならなおさらこれは例外、と好きな人も多いだろう。楽曲依頼も外部からが積極的で、「ズッコケ男道」なんかはTHEイナズマ戦隊が作ってるから聴き始めた!って人も多いかもしれない。関ジャニ∞のライブに行きたいんだ~と友達に漏らしたりしたら100%「私(僕)も行きたい!」ってなる。こればっかりはまだ興味なさそうにしている人は見たことがない。他のアーティストならザラにあるのに。個人的には「LIFE〜目の前の向こうへ〜」がやっぱりエモくて好き。「無責任ヒーロー」とか「イッツマイソウル」とかは20代なら世代だから聴いていた人もいると思う。「ER」「あおっぱな」「へそ曲がり」は神三連続シングルと勝手に名付けているので順番に聴いてほしい。関ジャニ∞はシングルじゃないアルバム曲もちゃんと聴いてるジャニーズの中では唯一のアーティストだから色々思い浮かぶのだが、シングルはやっぱりシングルたらしめるアクセントがあって、そちらを推したくなる。だし巻き卵とかうまいと紹介したいけどやっぱりマーボー豆腐みたいな味の濃いものが好き的な。
とくにここ数年は「関ジャム」という彼らの冠番組が始まって、あらゆるミュージシャンやクリエイターとコラボすることで確実に演奏スキルを向上させ、またつながりを広げてきている。「言ったじゃないか」は宮藤官九郎と銀杏BOYZの峯田和伸が作っているし、「今」は星野源だし、「えげつない」は岡崎体育だし、「侍唄」はレキシだし。SMAP同様、好きなアーティストから攻める方法が有効的に使えるのがアツイ。




何かその辺の若手

男性で、ジャニーズに興味が無くて、なおかつ若手なんかもはや何が何だかわからないという人は多い。ヒルナンデスにでてるあのくちびる分厚い子は誰や。セクシーセクシー叫んでる子は誰や。てか全員誰や、となってしまうのは致し方がないのでもうこの際、個体認識はあきらめよう。あの子はどのグループなんて覚えたところで何の得にもならない。私みたいにKis-My-Ft2を無理やり覚えさせられて暗唱テストさせられるような環境にいない限り、名前も顔もどうでもいい。とりあえず曲さえ聞ければいい。
という事でグループには分けず私が聴いた限りでよかったシングル曲をいくつか紹介する。

Sexy Zone – すっぴんKISS

2018年12月発売の楽曲。現時点での最新曲。最近はすごく安定していて、外へも聴かせる音楽をちゃんと歌っていて、あ、次世代のスターダムあがってきてるなと期待している。

Hey! Say! JUMP – キミアトラクション

2015年の曲。最初は本当にふざけた名前だと思ってたし、曲も”いかにも”という感じでやっぱり苦手だったけど年々マイルドになってきて聴けるように。この曲はジャニーズ御用達のCHOKKAKUが参加しているけどこの人の書く曲は好きなものが多い(当作品に関してはコライティングではあるが)。

Hey! Say! JUMP – マエヲムケ

Hey! Say! JUMP二本目。2018年発売。PVもかわいらしくて好き。前向きだけど圧倒的陳腐さを伴わないすごくバランスの取れた曲。年下に励まされるほど落ちぶれてねえぜとか思ってたけど普通に元気になる。

Hey! Say! JUMP – OVER THE TOP

体操の世界選手権のテーマソングという事もあって、強くたくましい曲。なんだかいままでなよなよしていた面が印象に残っていた分、おーこんな感じで来るんかと驚いた。サビがなんとなく乃木坂っぽいのも親近感の一つ。ジャニーズっぽくないサビの締め方。結構聴きやすいと思う。ちなみに岡本圭人推しである。よく珍しがられる。Mステでフランツフェルディナンドに興奮していたのも可愛かった。

Kis-My-Ft2 – AAO

ナオトインティライミは当ブログでも「一億総ナオトインティライミ社会~高橋優から考える~」なんていじったりし、普段聞きもしないのに、こういうのでいいなと思ったらナオトが作詞作曲してやがる。くそう、と唇をかむのだがここは素直になろう。でもこれをナオト自身が歌っていたらちょっと腹立つだろうから、まあキスマイでよかった。個人的に舞祭組の4人が全然垢抜けてこないのが悪い意味で意外なんだけど、それがなぜか愛らしい感じに見えてきてそれはいい意味で停滞してるなとほほえましくなる。みんなはカッコよくなってきたって言うんだけれど。全然納得いってない。あれは成長していると呼べるのか!?笑

中山優馬 – YOLO moment

ジャジーな感じで歌い上げる中山優馬も可愛い。ブルーノマーズになりたいのか、と当時は思ったり。ただ彼自身の知名度が低すぎて何とも言えない。久々にJRAのCMで観たと思ったら柳楽優弥だったし、ちょっとダークネスに進化したかと思えば村上虹郎だし、なかなかお見掛けすることが少ない。舞台などで活躍中。

おわりに

ということでとりあえず羅列してみた。ここで取り上げなかったジャニーズグループ(ソロ)は、駄曲だとかそういうことじゃなくて、単に私の好みでないのとよく知らないだけだ。クセの強い歌詞と女子向けのねちっこいナルシストソングが多い、というイメージはなくはないし事実そういった曲もあるが、一方でそれ以外に目を向けてみると結構良質なJPOPが詰まっていることに気付く。今回、有名でファンからも人気の高い曲を中心に選んでいるので、TSUTAYAに行って気軽にベストでも借りてくればいいと思う。ストリーミングやダウンロード販売はないので。あ、でもmusicF…いや、借りてきましょう。友達に借り….るのも犯罪か。細かいね、面倒くさいね、もっとネット解禁してほしいよね。