アイドルと言えば、サイリウムを振り回して合いの手を完璧にこなして…というイメージが強い。だからアイドルはやっぱり敬遠されがちだし、うかつにアイドル聴いてるなんて言うこともできない。間違っている世の中だとは思うが。しかし、アイドル界隈に詳しい人ならここ10年ほどで「楽曲派」という勢力が力を伸ばしてきているのも知っているだろう。おかげでずいぶんと居心地もよくなった。楽曲派というのは、アイドル=可愛さ、という概念からはみ出して、楽曲がいいから聴くんだ、とする者たちのこと。私がその最たる例だ。具体的に言えば、ライブにはほとんどいかないし推しもいないし貢ぐわけでもチェキを撮るわけでもなく、曲だけを繰り返し聴いている。得てしてアイドルオタクからは嫌われがちだ。最近はその勢力も落ち着いてきたのが実情である。
私自身も5年くらい前からアイドルに興味を持ち出して、情報収集にいそしんでいたときもあった。TIF(東京アイドルフェスティバル)にも一度参加してたくさんアイドルを見たし、個人的に最近は満足気味であまり熱心に聴いていないけど、それでも少しずつは聞いていってる。去年話題になったフィロソフィーのダンスなんかは年間ベストにも挙げたくらい。


まずとりあえず彼女たちはマストで聞いておくべき。

そんなライブに参加しなくても家で楽曲を聞くだけならハードルも低いし気軽に試せるのでおススメなのが楽曲派。なので、2018年の今のうちに聞いておきたいアイドルを4組紹介する。
ちなみにこれはあくまで普段アイドルを聞かない人たちに向けた者に対してのものであり、ツウ向けではないのであしからず。

sora tob sakana

普段から音楽は好きでバンドもやってたよ、っていう人ならきっと一聴すればなんだこれって思うはず。アイドルに普段触れない人は知らないだろうけど、アイドルファンは結構音楽にうるさい人が多い。もともとプログレが好きだったりメタルおじさんだったり、耳が肥えている人がおおいので、こういった尖った音楽は受け入れられやすい。複雑なリズムと高度なテクニックの上に乗っかる女の子たちはこれがまた若い。そしてハーフまでいる。のでやっぱりおじさんウケがいい。私はライブを見たこともないので彼女たちの歌唱力やパフォーマンスを評価することはできないが、少なくともイヤフォンから聴くだけでも十分楽しめるアイドルだと思う。

演奏動画で感じてください。

tipToe.


一昨年活動が始まったばかりのこれからが期待されるアイドル。「等身大センチメンタルアイドルグループ」を名乗っており、その名の通り声量感たっぷりなクリーンなギターロックが気持ちよい。さすがにまだまだ売れるには時間がかかりそうだが、曲自体はキャッチ―で透明感もあるので、昔聴いてたギターロックを思い出させてくれる。ウィスパーボーカルって手段もありだとはおもうけど、楽曲が超かるいのでそのへんはうまくバランスを取った方がいいのかもとか言っちゃったりして。

PassCode

同じ関西で年齢も近いため、知り合いの知り合いがメンバーと知り合い、という近いのか遠いのかよくわからない関係性がちらほら見かけるのが10年代に登場したKANA-BOONやキュウソネコカミ、そしてFear, and Loathing in Las Vegas(通称?ベガス)である。ベガスに関してはお陰でまだアングラ真っ只中の時から関西のその筋の友達から教えてもらっていたけど、まぁ売れるわけねぇだろと思ってた。うるせぇよ、という感想しかなかった。が、私の予見は大外れ。彼らは押しも押されもせぬ人気バンドとなり、ピコリーモ(電子音楽ピコピコさせながらスクリーモというジャンルをする音楽のこと)の筆頭候補に名乗り出た。むしろみんなピコリーモバンドを彼ら以外知らないんじゃないだろうか。てくらいに浅い層にハマった。ただただすげえとしか言いようがないし、まじで気持ち悪いやつひとりいるよなってのが2018の感想。

ああいう叫ぶような音楽はあんまり通っていない。マキシマムザホルモンとかリンキン・パークは結構聴いてきたが、かといってもうワーキャー叫んでるのは避けてきた。そんな私でも受け入れられるのがこのPassCode。女だから聴きやすいというのもあるし、なにしろキャッチー。だからこういう系苦手だなって人にはおススメ。特に今年に入っての「Ray」は抜群にキャッチーでピコピコも控えめのギターロックでシャウトも少ない。PassCodeファンからはもしかしたら不満かもしれないが新規参入にはもってこい。そして「Ray」が聴けたら過去作品をどんどん遡ってみよう。こういうのはライブでかなり熱くなるタイプなんだけど、あえて家で聴く。一人で首を縦に振ってみる。それくらいでいい。

amiinA

たぶんアイドルを本格的に掘り出してみたとき以来ずっと推してるアイドル。シンプルに曲がいい。本当にダイナミックな構成と細やかな情景描写と心情が見事に映し出されていて、二人のストレートな歌声を最大に活かされた楽曲。シンプルなギターロックが好き、壮大な曲が好きって人は絶対ハマる。子供やんけ!って言わないでほしい。これでも成長した方だ。私が初めて彼女たちに出会った時なんか

これだから。てかこれも聴こう。これがベストソングだから。アイドルの中でもトップテンに入る。

結局…

以上4組が私のおススメだ。もちろんこれだけではないが、今年の新譜で気になったのは彼女たち。アイドル界は結構ファンもピンキリでありえないほど了見の狭い人もいれば、好きな聴き方でいいよーっていう寛大な人もいる。どっちにしろ届けているコンテンツは音楽なわけで、じゃあ聴くという行為自体に難癖付けられる筋合いは全くないなって思うし、彼女たちにお金落とさなくても胸張って聴いていればいいし(もちろん違法サイトとかではなく)、かわいさなんて二の次でもいいじゃん。とかいいつつLinQの新木さくらとBishのアユニだけは完全に顔目的でフォローして画像眺めているので十分私もキモイ。キモくて構わないのでみんなでアイドルフェス行きたい。