マネージャーやプロデューサー、ベーシストとして「神聖かまってちゃん」などのバンドや音楽ユニットにかかかわってきた劔樹人の自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」を、松坂桃李主演で実写映画化。大学院受験に失敗し、彼女もお金もなくどん底の生活を送る青年・劔。松浦亜弥のミュージックビデオを見て「ハロー!プロジェクト」のアイドルに夢中になった彼は、イベントで知り合ったコズミンら個性的な仲間たちとともに、くだらなくも愛おしい青春の日々を謳歌する。しかし時は流れ、仲間たちはアイドルよりも大切なものを見つけて離れ離れになっていく。そんなある日、コズミンがガンに冒されていることを知った劔は、かつての仲間たちと再会を果たすが……。「愛がなんだ」の今泉力哉監督がメガホンをとり、「南瓜とマヨネーズ」の冨永昌敬が脚本を手がけた。劔がアイドルにハマるきっかけとなる松浦亜弥役を、「ハロー!プロジェクト」のアイドルグループ「BEYOOOOONDS」の山崎夢羽が演じる。

映画.comより

今泉監督の作品は「愛がなんだ」以来の2作目で、まだ監督としての作品の趣向やこだわりについてくみ取るほど数を見ることはできていないんが、「愛がなんだ」のすばらしさはずば抜けている。今回の仲野太賀にしろ、「愛がなんだ」の成田凌にしろ、一癖あるダメな男を描くのが上手だ。端的にいえばクズなんだけど、そこを愛されキャラに仕立て上げることができるのは、セリフやしぐさの一つ一つにちりばめられた彼らの人間らしさであり、そこが映画としての魅力につながっている。

ハロオタ、という世界を私はよく知らないが、アイドルにハマっていたこともある自分としては言いたいことはよくわかるしそういった連帯感や居場所の発見は良く語られる部分でもある。

ただ、すごくふんわりした印象を持ったのは、個々へのフォーカスが薄かったのか、仲野太賀以外がそれほどせっぱつまったような人生を切り詰めたわけでもそれ以外の起伏があるわけでもなかったからだが、そのおかげで”オタク””生きがい””今が青春”といった全体的なテーマを収めることはできていたように思う。

2005年の時代を描くのにこだわったんだろうなあという部屋のセッティングや小物、言葉遣いなど色々と感じ取れるのもおもしろいし、当時自分が見ていた2005年と重ね合わせてみるとまた面白みも変わってくる。

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