まず第一に実在する企業やサービスがそのまま使われていたことがよかったと思う。Amazon、富士そばなど、あまり日本では見かけない実在企業名が使われていた。また、ツイッターもインスタグラムもそのまま使われていた。これはささいなことだけれど、とても大事なことだと個人的には思っている。
相変わらずポップミュージックが流れない空疎な世界に住む人たちなので、つまんなさそうな人生だなといつもながらにくさしたくなるのだが、それはこの映画に限った話ではない。
「罪の声」などで知られる作家の塩田武士が大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を、大泉の主演で映画化。出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。「紙の月」「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督がメガホンをとり、松岡茉優、佐藤浩市ら実力派キャストが共演する。出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが……。
映画.comより
映画自体はそれほど大した感想もないし、大泉洋が大好きなので彼ばかり見ていた印象につきる。松岡茉優は、先日まで見ていたドラマ「初恋の悪魔」で大好きになったけれど、この映画ではあまりピンとこず。裏で渦巻く陰謀と野望で会社は分裂してしまうが、騙されたというよりは、大泉洋の暴れっぷりを存分に楽しむ映画だったと思う。
ファンタジーとして楽しむことは大前提であるものの、一方で後に残るものがないのは、なにか伝わるものがなかったからともいえるかも。なにかしらのメッセージや教訓、あるいはおもしろさだけにとらわれない深みがあることも、私は映画の面白さの一つとは思うが、この映画はそこに重きは置かれていない。それでこそがこの映画のだいご味なのだ、と言われればそれまでなのだが。。