人生初ライブはアヴリル

人生初めのライブってなんですか?親に連れてってもらったL’Arc〜en〜Ciel?祖父母と行った谷村新司?西城秀樹?フェスって人もいるかもしれません。

私はそんなにライブデビューはそんなに早くもなく、16歳の時でした。見たアーティストはアヴリルラヴィーン。the best damn thing tourでカナダに凱旋していたアヴリルが私の住む街までコンサートしに来ていたのでチケットを取って行きました。

人生初のライブは鮮明に記憶にあって、まぁ街の小さなスタジアムで、大阪城ホールの2/3くらいのサイズだった気がする。2階のスタンド席で見ていて、若い女の子とかすごく多かった。

パワーポップ再来!?

時期的にも今流れはあるのでは。アヴリルを筆頭に作り上げたポップパンク、オルタナティブロックの流れって2021年に脈々と受け継がれてきて、そこがリバイバルなんて時に言われたりもしてる。pale wavesは圧倒的に模範的アヴリルだったし、オリヴィアロドリゴはgood 4 u でアヴリルやparamore的なオルタナティブをやってたし、blink-182のトラヴィスがプロデュースしたマシンガンケリーの去年のトラックもある。あるいはYUNGBLUDなんかも挙げられるし、BRING ME THE HORIZONの方向性やその再ブームに関する流れも大きな枠組みのひとつとして捉えることもできなくはないだろう。

もちろんそこだけを切り取ってリバイバルなんて浅い短絡的な思考には落ち着くつもりはないけれど、たしかになかったサウンドが今流れてるなあと感じるのは確かだ。すべての源流、とまではいかなくても、やっぱりそこにAvril Lavigneの存在は大きい。その分反動も大きく結構なアンチも登場してしまった印象はあるが、それでも今彼女を再評価してみるのもいいだろう。現在の彼女のスタイルと当時は少し違うが、ここでは中初期の活動に絞ってカタログを追っていこう。

1stアルバム「let go」


2002年に発売されたデビューアルバム「Let Go」はまさしくスマッシュヒットと呼べるブームを巻き起こした。いまだにこの作品を彼女の傑作だと主張するファンも多い。シンプルで疾走感のある楽曲が多数収録されていて、後の代表曲とされる「Sk8er Boi」や「Complicated」などを輩出している。

私自身もこのアルバムは1,2を争うくらいに大好きで、定期的にアルバム単位として聴きたくなる作品だ。特に、「My World」がフェイバリットだ。

この牧歌的な雰囲気とギター、そこに彼女のなめらかな歌声が乗っかって心が穏やかになるし気分は海外になる。ポイントとして「Milky Way」と2番Bメロで歌われるんだけど、それがたまらなく”エモ”い。それと「Napanee」のフレーズとその溜め方はよく練習した。

まあ言ってしまえば「Anything But Ordinary」も「I’m with You」も「Mobile」も大好きなのでなかなか一つに絞るのは難しいのだが。

2ndアルバム「Under My Skin」

前作の大ヒットに続いて2004年にリリースされたセカンドアルバム。こちらはシンプルさがウリだったファーストより幾分かロック感を強めてバンドサウンドが前面に出ている作品が多い印象だ。やはり「He Wasn’t」なんかは有名ではないだろうか。多く語られがちなファーストとティーンのポップアイコンへと飛躍し(その一方で音楽ファンからは色々言われがちな)たサードアルバムの中間地点として、あまり取り上げられることの多くない作品だが、もちろんこれも大ヒット。「Fall to Pieces」のような曲調は彼女の真骨頂でもある。ピアノ曲もあり(Slipped Away)、前作に引き続き聴きやすさが満載のアルバムである。

個人的にはベタだが「My happy Ending」は彼女を語る際に外せないくらいに特別な一曲である。

3rdアルバム「The Best Damn Thing」

いよいよ彼女の地位を不動のものとするのが今作。今までも十分ポップだったが、それをはるかに上回るポップさと軽快で疾走感のあるロックを収録。売れ線過ぎる、ポップすぎる、軽すぎると色々言われがちでもあるこの作品だが、私は好きだ。このポップとロックのバランスは彼女ならではと思うし、軽薄さは良い意味でティーンへの入門にもつながった。彼女に憧れてギターをもった少女は世界中に数えきれないだろう。「Girlfriend」、「Everything But You」といったキラーチューンが次々とぶっこまれていく中で、この作品が評価に値するのは「Runaway」や「When You’re gone」といったベタかつシンガロングできるミディアムテンポ/バラードを挟んでいることだ。どちらもファーストやセカンドアルバムであったようなピアノバラード、アコースティックギターでの演奏で、そのつながりを感じることができる。

そんな作品で私が聴きたい曲は「I Don’t Have To Fly」である。パンクロックなドラミングに力強いギター。今、Olivia Rodrigoを聴くとちらちらとこの曲の原型が伺える。わかる。こういうポップパンク大好きだよね、わかるよ。と言いたい。

もう一曲あげるなら「Contagious」。彼女のメロディセンスの美しさにほれぼれする。サビへの緩急も素晴らしく、展開も速く、一曲も2分強とコンパクトながら見事な仕上がりである。2分でここまでキッチリ一曲できるかね、と今でも唸る。Cメロまでちゃんとあるんだから。最近BTSの「Butter」が3分でバチバチのクオリティのポップソングを提供していたが、それに通ずるセンスを感じる。

4thアルバム「Goodbye Lullaby」

私はこのアルバムまでリアルタイムで追っかけていたが、2011年リリースのこの作品は一転してアヴリルの第三形態に移行する途中の作風。シングルカットされた曲もいままでのパワーポップではなく、エレクトロサウンドの導入やアクセントのつけかたなどからも変化が伺える(だからこそ中後期の彼女のよくわからない方向性にもなってしまうのだが)。

比較的小粒な作品が多い印象の中でやはりシングルカットの威力はすさまじい。聴きやすさ2000%といったところで、「What The Hell」はその筆頭。

しかしこの作品のすばらしさはアコースティックへの回帰で、さっき「小粒」といったがそれは前作までの価値観を受けつぐなら、という意味で、アコースティックな作品へとシフトしたことを念頭に置いて聴くと、実に素晴らしい作品である事が分かる。「Everybody Hurts」のようなミドルテンポで切ない楽曲も、ピアノバラードである「Remember When」も聴きごたえがある。

私が個人的にお薦めしたいのは、今挙げた「Everybody Hurts」と「Smile」だ。「Smile」はライブで聞きたいしシンガロングしたいし、みんなで歌いたい。こういうしっかり緩急がついてサビで開放感がある楽曲に基本的に弱いので。

まとめ

以上、2002年から2011年までの彼女のカタログを追いかけてみた。是非みなさんもこの機会に一度聴き返して観てほしい。懐かしさと新鮮さと、今への接点を見出すことができると思う。