タモリはオタク?

タモリと言えば、出自はかなりのアングラであり、マニアックなモノマネやシュールなボケ、奇抜な話をする、目立った人だったらしい。
ところがどういうわけか、「笑っていいとも!」の司会に抜擢されると、あれよあれよと日本の昼の顔に。当たり障りのない会話は「髪切った?」というフレーズが各所でパロディ化されるほどに彼の持ち味の一つになった。

しかし本来のタモリはオタクなんだと思う。オタク、が正しい定義なのかは分からないが、凡人を遥かに超越した知識量と考察力を誇るのは確かだ。それをオタクと呼んで差し支えないのであれば喜んでタモリをオタク呼ばわりしてやるつもりだ。

それはNHKの「ブラタモリ」という番組でもよくわかる。観光名所に興味が無く、坂道や階段が好きで石や水路に詳しい。
「タモリ倶楽部」では、海外のマニアックな音楽にも造詣があり、その話に花を咲かせ、あるときは鉄道について熱く語る。それぞれオタクなタレントを呼び、楽しく談義する姿がよく散見される。


タモリには笑っててほしい

一方で今唯一のゴールデン番組「Music Station」では、毎週旬なアーティストが登場し、新曲を披露している様を介護老人かのようにただじっと眺めている。
普通に考えて70すぎたおじいさんが10代向けの音楽を喜んで聴ける方が珍しい。タモリの音楽的な嗜好も含め、やはり楽しんでいるとは思い難い。余計なお世話であるが。
もちろん彼は50年近くテレビで仕事をしてきた男だ。訳の分からないタレントと全く身のない話ばかりしてきたんだから、音楽を座って聴いてるくらいなんて事ないとは思う。

でも、タモリを喜ばせたい。喜んでる、楽しんでるタモリが見たいのだ。これもまた余計なお世話だが。


ウキウキウォッチングしたい

まれにタモリと親交のあるミュージシャンが登場すると、彼は楽しそうにおしゃべりを始める。福山雅治みたいなパターンもそうだし、星野源なんかもきちんと音楽的なルーツが近い(あるいは知っている)と親近感をもって接している気がする。あとは度々仕事で一緒になるジャニーズの人たちとか、タモリ倶楽部でよく会う人とか。

別に音楽的な事はどうでも良い。「Mステにもっと本格的な音楽を!」とか「ジャニーズ消えろ!」みたいな短絡的な発想でもない(むしろ困る)。本質はそこではなく、タモリに楽しんでもらいたい。「あータモさんウキウキだなぁ」って感じたい。タモリのウキウキウオッチングが我々の何よりの喜びなのだ。

坂道や石をみるとニヤッと口角を上げ、サングラスの奥の瞳をギラつかせながら饒舌な語りを披露する姿が見たいのだ。タモリはいつだって変態でいてほしい。自分のお爺さんのような感覚で、ただただ好きなものだけに変態性を発揮して楽しむ姿をテレビ越しに見ていたい。とてもシンプルな話である。

こんな記事を書いていると、どこかの誰かが「タモリがブラタモリでマンスプレイニング(男性が女性に説明するという構図の事)をしている」と言い出したが、視聴者である我々タモリファンはタモリが語らずしてどうするんだと疑問に思う。

彼にはウッキウキであってほしいのだ。それが余生を楽しむタモリの正解であり私たちの願いである。
だから、お願いです。タモリがワクワクするような人選でMステを作ってください。そうすれば自然と良い感じの布陣になると思うのです。だれが仲良いかは知りませんが、たまにはMステでウキウキのタモさんがみたいのだ。