導入

音楽に限らず、古参と呼ばれる人たちはどの世界にも存在する。

あるアーティストを昔から知っていたり、特定のグループを長く応援している人たちのことを古参と言い、それは時に嫌味として使用され、

ただ、よく考えれば古参の態度がでかいのも納得できるのだ。その是非は個人の価値観に委ねられるが、少なくとも「古くからそのアーティストを認識し、応援してきた」ことは誇らしいことではある。というかまあ誇ってよい。他の人より先に見つけるにはそれなりの時間と労力が必要だし(ラッキーな場合ももちろんある)、偶然であろうと必然であろうと、その先見の明に一定の自信を持つことは何ら不思議ではない。それは人として当然な感情である。

ただ、それが単純に自慢としてではなく、後から好きになった人たちを蔑んだり排他的に扱ったり、制限やルールを多く設けて差別化したりなど、相手を不自由にさせたり不快にさせたりするのはやっぱり違うなとも感じる。

古参は古参なりに自慢して構わないし、それくらい私たち新規は心穏やかに聴いてあげればいいと思う。そして今度私たちが古参になるとき、彼らには聞き手になってもらうだけだ。もちつもたれつ。そうやって人の承認欲求は満たされていく。

ということで私も古参を名乗れるアーティストなどを自慢げに紹介しようと思う。とはいえその古参にも度合いがあるので、上には上がいるとは思われるが、そこも上記同様、広い心で聞いてほしい。「いやいやお前よりおれの方が詳しいし古くから知っているぞ!お前なんかがしゃべるな!」はやはり窮屈だと思うのだ。なんて言い訳がましいことを先に弁明として述べておく。

あいみょん

“エンタメメンヘラ”の女王、あいみょん」と題した記事も2017年に書いているように、私の記事で彼女が初登場したのは2015年の6月に訊いた楽曲をランキングした記事において「○○ちゃん」が38位になった時である。

その前後くらいに「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」がちょこちょこ話題になってたりして、それも含めて認知はしていたが、正直好きではなかった。別にラインでリリックをスライドさせていく方式もこれといって話題にするべきことでもないし、歌詞は過激だけどだからといってほめたたえるほどの内容でもなかった。おそらく一番多い古参はこのあたりから好きになった人たちではなかろうか。
生きていたんだよな」が2016年11月30日発売だけど、この辺から音楽好きの間ではしっかり認知されるくらいに十分売れかけていたし、この時期が一気に知れ渡った第一次ブレイクの始まりぐらいな気がする。

私があいみょんにドはまりした瞬間ははっきり覚えていて、上の記事でも書いているが「どうせ死ぬなら」という曲の冒頭で

どうせ死ぬなら二度寝で死にたいわ

と歌うそのリリックに撃ち抜かれたからだ。確かに。二度寝で死にたい。あいみょんの歌詞あんまり真面目に聴かないタイプだけど、良いパンチラインだと思う。

そんなあいみょんが、音楽好きの中の人気をあっさり飛び越えて、自分の父親にすら認知され好きと言わせしめるほどのビッグアーティストになったことは”古参”としても誇らしいしびっくりでもある。

まあライブ観たことないんですけど。え、観たいけど観れんのよ。察して。



BiSH

正直これを古参と名乗るのはリスキーすぎる。だって知っている人ならもうメンバーオーディションの時点で知っていただろうし、前任?のBiSがレジェンド的なポジションを築いた後での申請グループという意味では期待値も高かった。まあでも一般的に観ればBiSなんて去年くらいからようやくちょっと認知されたかな程度のものだと思うので(それでもすごいことだが)、今回の企画上”古参”と呼ばせてもらう。
BiSは解散間近になって好きになったのであまりあの熱狂ぶりの体験ができていないのだが、その分BiSHには期待していた。冒頭からいきなり糞まみれになって、だよねえやるよねえなんて思いながらやや興奮気味にMVを観ていたのを思い出す。

確かこの頃がアイドルドはまり絶頂期くらいで、その中でも頭一つ抜けてかっこよくて好きだった。アイドル史をたどると、間違いなく今が「WACK期」と題されるであろうこの時代の開拓者であり、本家本元である。BiSにはなかったスタジアムロック的なアプローチ、そして歌唱力という武器を手に入れたBiSHは強かった。まずアイドル界を瞬時に席巻し、そしてアイドルに抵抗のあるロックファンたちを楽曲と歌唱力(そして控えめにした下ネタ路線)で、「アイドルを超えた」とか「もはやアイドルではない」みたいな称号も無事手に入れ、ロックフェスを荒らしていく。それが完了すると、よりクリーンに美しく魅せたバージョンの彼女たちがテレビに進出する。

テレビに出られた(特にバラエティなど)のは、彼女たちの紹介がしやすかったのもあるだろう。もし仮にデビュー曲辺りの路線を続けていたらこれほどまでの躍進がなかったのは明白だ。

動員数、個性的な名前、一人一人のキャラ立ち、アイナのコラボ歴、など話題に困らない分出演が増えた。

これほど真似できそうでできないモデルケースもないだろう。てくらいの成功。メンバーだけでもだめだったし、かといって渡辺淳之介だけでも、あるいは松隈ケンタ一人でも成し得なかった偉業である。

ライブはというと、TIF2015(東京アイドルフェスティバル)に行った時見るはずだったんだけど、記憶が正しければ諸事情で翌日の出演取りやめになって見れなかったはずだ。
理由はなんであれ、好きだったけどずっと見る機会が無くて、去年サマソニでようやく生BiSHを拝むことができた。
凄くよかったのでぜひ。



ジャルジャル

最後は音楽関係ないけど、お笑いコンビのジャルジャルについてちょっと語りたい。
とはいえジャルジャル自身を古くから知っているわけでもない。確かに私は大阪出身のお笑い好きで、20代後半。まさにジャルジャルが若手の頃から劇場にも行っていたし、当時(10数年前)の深夜のお笑い番組はほぼ全部見ていた自分にとってジャルジャルは売れていない時期から知っている存在ではあるが、とくに追っかけをしていたわけでもないし、肩入れして応援しているわけでもない。現に今も正直好きな時期と苦手な時期がはっきりするコンビの一つだ。
そんなジャルジャルのyoutubeに「南くん」というキャラがいる。後藤が扮する南は活舌が悪く福徳を毎回困らせながら展開していくコントだが、私にとっては懐かしさでれている。
というのも、あの南君のキャラは自分が高校生の時にクラスで流行ったネタで、訳あって私がモノマネ担当になり南くんを演じたり、動画を一緒に観たりしていた。そんな学生時代の思い出がよみがえるのだ。


高校生みんな見た炎上base

まとめ

ということでまったく古参でも何でもなかった今回。ただ書きたいことを三つ書き並べただけである

みなさんも昔から知っている人たちについて語るときは、マウンティングっぽくならないように気を付けよう。