関ジャニ∞の中で一番好きなのは錦戸亮。間違いようのないイケメン。髪型も服装もかっこいいし、いつみてもさわやか。顔濃いのに爽やか。でも色気もある。関ジャニ∞に足りない色気を持っている。ほんとよくNEWSでなくこっちをえらんだよ。素晴らしい選択だ。

「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が錦戸亮を主演に迎え、山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化したヒューマンミステリー。寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。月末の同級生・文役に木村文乃、6人の元殺人犯役に北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平と実力派キャストが集結。「クヒオ大佐」の香川まさひとが脚本を手がける。

そしてあんなに顔濃いのに地味な役が似合うのは、彼の持っている雰囲気と演技力のおかげか。ひいき目にみてしまうので過大評価かもしれないが、彼の素朴さがいい。被害者面がすごくいい。そしてこの映画はまさにしがない公務員がとんでもない事件への巻き込まれ方をする理不尽極まりない作品なのだが、この主人公を演じる錦戸亮が絶妙に似合っている。声の掠れ具合もその悲哀を増している。巻き込む側の松田龍平はまさにサイコパス。もともと何考えているかわからないような役柄がよく似合う人だが、今回はモロにそれで、主人公の幼馴染役の木村文乃を完全に困惑させるほどのサイコパスぶり。詳しい内容は観てもらえばわかるのだが、謳い文句の「信じるか疑うか」は我々視聴者にとっては全くもって議論の余地なく”疑う”になる。どうみても信用ならない。なので結構そういう心理的な駆け引きはこちらとはない。どちらかというと、作品上での主人公の葛藤を楽しむ作品だ。
ただ結構この作品はさらっと見るのか深く考察するのかでまた違った評価になると思う。私はさらっとみたが、それでもこの本筋は松田龍平と錦戸亮と木村文乃の疑惑の中での模索ってところだが、タイトルの「羊の木」にもなったシーンは市川実日子が海岸で羊が気に刺さったオブジェのようなもの(詳しいのは忘れた)を拾ったものに由来している。度々市川実日子のシーンは登場し、象徴的な使われ方をしている。そこをどう読み解くか、それは観る側に試された課題でもある。

この映画、なぞに音楽と絡みがある。主人公の錦戸亮と幼馴染の木村文乃、同じく旧友の松尾諭が3ピースバンドを組んでいる。といっても倉庫みたいなとこでかき鳴らすだけの特に活動もしていない模様。しかも音楽がまさかのノイズ系。シューゲイズのようなギターを轟音でかき鳴らすだけの歌モノですらないという攻めっぷり。普段はギターの錦戸もこの役ではベースを弾いている。まあ役柄的にもギターを弾くようなタイプではないので当然ではあるが。まさかそんなマイブラみたいなことされるとは思ってなかったのでびっくりした。いやほんと。

途中で松田龍平も木村文乃に教えてもらいながらギターを始めるんだけど、4ピースでシューゲイズとかされたらどないしよってヒヤヒヤしながら観てたら、よかった結成する前に仲間割れしてくれた。

音楽自体は流れない、邦楽特有の雰囲気の映画だけど、すごく丁寧に作りこまれていたし、作品の世界観もしっかり保ちながら、ちゃんと進行役とネタバラし役の同僚も従えてトントンと進んでいくので、すごく見やすい映画だった。ちょっと寓話的な、そんな不思議なお話。”もしも”系の非現実的な話ではあるけど、そのフィクション性を感じさせないくらいに錦戸亮のリアリティのある佇まいにグッド!!!!