そういえばあんまり韓国映画って観たことない。音楽は結構積極的だけど、映画は基本アメリカかイギリスで、あってもフランスとかオーストラリアとかイタリアとか。あんまり韓国のドラマとかも好きになれないので、日本で流行った時も割と敬遠しがちで。でも、結論から言えばこの映画は好みだった。

「グエムル-漢江の怪物-」もそうだけど、韓国のパニック映画っておもしろい。とにかく作りこみが異常。
今回感染してゾンビになった人たちの迫真の演技は爆笑すらする。一番初めに噛まれてゾンビになった乗務員のお姉さんの異常な動きはまさに人間業とは思えない。あり得ない関節の動きをしながら襲い掛かってくる。

そしてとにかく量の多さと、愚直さ。ゾンビによけいな設定を加えず、ゾンビの理由も一切カット。とにかく目の前の人間を食い散らかすことだけを目標とし、容赦なく襲い掛かってくる。全力疾走。今回やたらとガラス扉や窓での押し合いの攻防が多く、そのたびにガラスを突き破ってゾンビがなだれ込んでくる。あれもすごい。バイオハザードをも上回る狂気。これぞ韓国!!!!

ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウィルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いた韓国製サバイバルパニックアクション。ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。韓国のアニメーション界で注目を集めてきた新鋭ヨン・サンホ監督が初めて手がけた実写長編映画で、今作の前日譚となる物語が長編アニメ「ソウル・ステーション パンデミック」で明らかにされている。

気になることは、中盤までの主人公を含めたゾンビに襲われる側の人たちの冷静っぷりに驚く。襲われた後もしっかりと落ち着いて席に着きながら次の駅での下車を待つ。下車後も静かに並んで歩いてゆっくりと進む。たしかに、走って騒いでゾンビに襲われないようにしているのだろうが、あの大量のゾンビの後にみんな縦一列にエスカレーターに乗っているシーンはさすがに笑った。韓国人スゲエな。

主人公の冷静かつ大胆な行動と、らしからぬヒールっぷりは目を引く。そしてありがちなパニックになったせいで冷酷になってしまったバス会社の男性も登場し、ちゃんと始末される。

これはアンハッピーエンドかなと思っていたけど、最後はきちんと救われる内容で安心した。ただまあ妊婦は多分流産だと思う。

余計な脱線とか感動シーンとかそんなに多くなく、ちゃんとパンデミックメインで描かれているので、そういうのが好きな人はストレスなく楽しくみられると思うし、ぜひ観てほしい。