時間が何度も繰り返されるというノリの映画は名作なものが多い。

まあそれくらいにトリッキーな設定だし、これを使いこなすにはそれなりの力量のある監督じゃないと、おもしろく且つ整合性を保って作品を作ることはできない。

結婚式直前にタイムループに陥ってしまった男の運命を描いたNetflix製コメディ。名門校の臨時教師として働くロブは、愛する恋人メーガンとの結婚式を目前に控えていた。しかしメーガンの父親はいい加減なところのあるロブを気に入らず、2人の結婚に反対していた。結婚前夜、ロブは親友ベニーと酒を飲みに行くが、翌朝目が覚めると、なぜかホテル内のエレベーターに全裸姿で閉じ込められていた。すでに式が始まっていることを知り慌てて会場へ向かったものの、全裸のままだったため警察に連行されてしまう。途方に暮れるロブだったが、気がつくと再び全裸でエレベーターに閉じ込められており……。主演は「最終絶叫計画」のマーロン・ウェイアンズ。

タイムループは主人公以外がその時空のゆがみに気付かないのがミソである。基本的な約束事は、あるトリガーがきっかけで同じ時間まで時を戻され、主人公以外がまったく同じ行動をする。しかし、主人公自身が前回と違う行動をとれば、それに応じて彼らの行動も変容していく。
つまり、主人公以外はなんの気付きも理解もない。みんなきょとんとしているのだ。こうしたタイムループは、主人公の心情の変化や精神的な成長を描くものが多く、この映画も例外ではない。ロブは、前半は正社員でもなく結婚する覚悟もないが、タイムループするたびに色々と気付き、学び、準備を整えていく。

そういった意味ではすごく真っ当な人間成長物語で、ループしているのですごく重要なポイントが比較しながら見つけやすく、わかりすい。その分展開に無理が生じたり、もうすこし時間をかけてほしかったなと思う点も複数あるが、それでもやはり面白かったことには変わりない。