学内で不当に女性が低く扱われ、男性の加害も矮小化され、性的消費の対象として扱われることに主人公のヴィヴィアンは、匿名「モキシー」として活動を始める。
女子高生たちが学校での性差別や不公平な現状に立ち向かう青春ドラマ。目立たないように振る舞ってきた内気な少女の行動が、周囲に大きな変化を巻き起こす。ジェニファー・マチューの小説を、『シスターズ』などの女優エイミー・ポーラーが映画化。『もう終わりにしよう。』などのハドリー・ロビンソンが主演を務め、ドラマシリーズ「レギオン」などのローレン・サイ、『ダニエル』などのパトリック・シュワルツェネッガーのほか、ニコ・ヒラガ、アリシア・パスクアル=ペーニャらが出演する。
Yahoo映画より
決してリーダー格ではないと語る彼女なので正体を明かすことはないが、徐々に賛同者が増えていく。
こういう作品が真面目に作られ、エンターテインメントとしてもしっかりおもしろいけど茶化したりしないのがいかにも海外であり、日本のレベルでは到底たどり着けない極地である。
人権意識も希薄ならミソジニーも大賛成(しかも無意識)な日本人男性には、ヒステリックな女性にも、わがままな女性にも、こざかしい女性にも映るかもしれない。自分の立場が危うくなると途端にその地位を脅かす人間を排除衣装とする行為は差別主義者の典型的な行動であり、今回のヴィラン役にもなるミッシェルはまさにその典型である。
この作品を観ることがあまりに日本にこべりついたミソジニーを取り除くひとつのきっかけになればいいし、それ以前にひとつのフィクションとしてよくできたおもしろい作品であることも大切なので伝えておきたい。楽曲の使い方も上手なうえ、途中に登場するリンダリンダズは実在する女学生のバンドであり、世界的にも話題になったことでも有名で、その起用の的確さと速さには深く唸るほかない。
中盤で男性教師が「これは女性の問題だ、意見を言う気はない。あなたたちを尊重して口は出さない」ということに「女性の問題であれば男は何もしないでいいと思ってる。」とすかさず反論するシーンは痛快そのものだし、これこそ多くの男性が抜け落ちている視点である。ミソジニーとは女性嫌悪だけではなくその構造そのものにしがみついて抜けられない権力者の傲慢である。
と、映画の話ではなくなってくるのでこの辺りにしておくが、各人この作品を観て少なくとも何かを考えてエンパワーメントをもらってほしいと思う。
音楽は以下。
YUNO – No Going Back
Tierra Whack – Pretty Ugly
TopLady – Green Light Red Light
Lucy Dacus – La Vie en Rose
The Julie Ruin – Just My Kind
Lala Lala – Destroyer
Css – Alala
Don’t mess with The Linda Lindas.
Watch the full concert: https://t.co/Usv7HJ1lLR pic.twitter.com/pKZ5TKDdiA
— L.A. Public Library (@LAPublicLibrary) May 20, 2021