ボビー・フィッシャーを探して [DVD]

将棋で藤井総太が天才だと騒がれたと同じように、アメリカでもかつて天才と騒がれたチェスプレイヤーがいた。その名もボビーフィッシャー。かれの天才的なプレイングはアメリカ中に響き渡り、ついには世界一の称号を手に入れる。
しかし彼が気に入らなかった事は、チェスを政治的利用されたことだった。当時冷戦下にあったロシアとアメリカで、チェス対決をすることになり、その国の威信をかけてアメリカ代表として選ばれたのがボビーフィッシャーだった。ただ強い相手とおもしろいチェスがしたかっただけだった。
そのフィッシャーは姿をくらます。最後に見つかるのはなんと日本だったのだが、この映画はそのフィッシャーが失踪した後のアメリカに登場した若きフィッシャー、ジョシュ・ウェイツキンの物語。

ボビーフィッシャーはなぜ姿を消したのか。その心情を主人公のジョシュからくみ取ることができた。チェスの才能にべたぼれする父親。少しずつ心がチェスから離れていく息子。決して悪い父親じゃなくて、子供想いなんだけれどどこかでアツくなりすぎてしまう。
架空のストーリーではあるが、実在したボビーフィッシャーに想いを馳せることのできる新しい感覚の映画だった。

見どころは二つ。
まず、若き日のローレンフィッシュバーンが見れる。結構カッコいい。
そして主人公のマックスポメランクがまず可愛すぎるのと、微妙な表情をする子だなあという感心のふたつ。この子は他にめぼしい作品に出ていないので残念ではあるが、この作品でしっかりと見届けてほしい。

では最後に劇中に登場した言葉で説明が必要と思われるものをいくつかチョイス
ハスラ―(Hustler)・・・実業家、やり手、詐欺師、勝負師
エベッツ球場・・・アメリカ合衆国ニューヨーク市ブルックリン区にかつてあったスタジアム。MLBブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)のホーム球場である。
パーチージ・・・インドの国民的ゲームともいわれるすごろく。
モノポリー・・・20世紀初頭にアメリカ合衆国で生まれたボードゲームの一つ。
スタテン島・・・、ニューヨーク湾内にあり、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に属する島のこと。
ピナクル・・・アメリカ合衆国ノースカロライナ州ストークス郡の南西部に位置する未編入地域。