貴方はロシア映画を見たことがありますか。私は一度だけあります。作品名は忘れました。作品も覚えていないのになぜ一度だけと限定できるのか。それは、映画を見たときにどうしても字幕付きにしたかったのに吹き替えにしかできなくて、どうしてだろうと悩んだ挙句、そもそもロシア語のため、ロシア語自体が用意されていなかったという事実にたどり着いたことがあったからだ。なるほど、映画じゃないなら本来の声を残す必要もないのか、と言う納得感。
が、今回も起きた。同じ過ちを犯した。しかも何となく見始めたのでタイトルも分からず、まあタイトルコールあるだろうとタカをくくって見続けていた。案の定タイトルがでかでかと表示されたんだが、

Салют-7

カットゥル..ッコッ!!!

ロシア語勉強しないとなと思い…ませんでした。

ロシア宇宙計画の歴史に残るスペースミッションを、国営宇宙開発企業ROSCOSMOS全面協力のもと映画化。1985年、ロシアの宇宙ステーション、サリュート7号が突如として制御不能になった。このままでは地球に落下する恐れがあるため、宇宙飛行士をステーションに送り込んで直接修理することが決定。サリュート計画に当初から関わってきた技師ビクトルと退役パイロットのウラジミールが担当に選ばれ現地へと向かう。彼らは無事サリュート7号に到着するが、ステーション内部は氷漬けになっており、全機能が停止していた。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。

基本的に宇宙内の映画なのだが、全編通して独特な構成だった。登場人物間の会話も絶妙に独特な間がある。観たことないテンポ感。そしてなんか妙に抜けたBGM。王道のメロディと曲調(緊張した場面では緊張感のある音楽といったように)なんだけど、なんかちょっとだけ間抜けな感じが。え?陽気すぎん?みたいな。
そして基本でてくる組織がしょぼい。あまり人数もおらず、有能そうな人物が主人公以外いない。不思議なやり取りが続く。医者の言うことは無視するわ、後手後手だわ、奇跡のドまぐれ頼りだわで、なかなかのやっつけ仕事。これが事実なんだと笑えてくる。でもちょっとだけ見てしまうのはなぜだろう。これはこれで映画として正解なのかもしれない。

劇中に登場する音楽を紹介する。ロシアのポップミュージックをとくと堪能してほしい。

Sergey Skachkov & Kurt Hauenstein – Grass At Home

Alla Pugacheva – Herlequin

以上。宇宙ものが好きなら見て損はないと思う。ちょっと変わった映画なので。最後のスポコンみたいなオチに期待して。