サメ、と検索すると出てきたこの映画。たまにそういうどうでもいい(というと大変失礼だが)気分でぼーっと見たい映画もある。いつもハイコンテクストな作品ばかりだと疲れるので、わりとオチが分かっててその過程を映像と演出と演技で楽しむのが、サメ映画の醍醐味。

水深47メートルの海に沈んだ檻の中で、人喰いザメの恐怖と対峙する姉妹の姿を描いたシチュエーションパニックスリラー。メキシコで休暇を過ごしていたリサとケイトの姉妹は、現地で知り合った男から、海に沈めた檻の中からサメを鑑賞する「シャークケイジダイビング」に誘われる。水深5メートルの檻の中からサメを間近に見て興奮する2人だったが、ワイヤーが切れて檻が一気に水深47メートルまで沈んでしまう。無線も届かず、ボンベに残された空気もわずかという極限状態の中、サメの餌食になる危険におびえながら、2人は生還を目指すが……。「塔の上のラプンツェル」で声優を務めたマンディ・ムーアと、テレビシリーズ「ヴァンパイア・ダイアリーズ」などで知られるクレア・ホルトが主人公姉妹を演じた。監督は「ストレージ24」のヨハネス・ロバーツ。

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さきにはっきり言っておくと、そんなにサメ関係ない。サメはあくまでフックというか、状況を追い詰めるための道具でしかなくて、いかに海底に閉じ込めて、窒息と潜水病に恐れさせるかを極めた作品。申し訳程度に姉に傷心を背負わせているがあまり関係もなく、とにかく海底に沈めたい一心の監督。なるべく船の上のおじさんたちは無能であるべき、という模範的な行動を示しもはや感動。

ただ、サメ映画の中では圧倒的に映像がクリアで、くらい海底の中でもしっかりと鮮明に撮れている。見やすさは抜群である。俳優の演技もすばらしく、興ざめしたりメタ的な目線に走ってしまうこともない。しっかりと作品に没入できる。

色んな見せ方もあって、単なるB級パニックムービーではなかったし、それを期待していた自分に反省する。

すっげえおもしろかった!という感想にはならないが、変な冷め映画見るくらいならまずこれをみてもいいんじゃない?と言えるくらいには満足できる作品だった。

以下は劇中で流れた音楽だ。