音楽と映像の観点でほめている人が多いような気がして、どんなものだろうと気にはなっていた作品。コロナもあって映画館に中々行く機会を作れず、気持ちも乗らなかったので映画館では観られなかったが、DVDレンタルされていたので、さっそく観てみた。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」などの俳優ジョナ・ヒルが初監督・脚本を手がけ、自身が少年時代を過ごした1990年代のロサンゼルスを舞台に、13歳の少年の成長を描いた青春ドラマ。シングルマザーの家庭で育った13歳の少年スティーヴィーは力の強い兄に負けてばかりで、早く大きくなって見返してやりたいと願っていた。そんなある日、街のスケートボードショップに出入りする少年たちと知り合ったスティーヴィーは、驚くほど自由で格好良い彼らに憧れを抱き、近づこうとするが……。「ルイスと不思議の時計」のサニー・スリッチが主演を務め、母を「ファンタスティック・ビースト」シリーズのキャサリン・ウォーターストン、兄を「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズがそれぞれ演じる。
映画.comより
いきなり結論で申し訳ないが、これは私のみたい映画ではなかった。まず、アメリカ90年代が舞台の映画なのだが、ストリートカルチャーと当時のストリートミュージック(主にヒップホップ)にあまり興味ないので、面白がることができなかった。むしろもうスケボーとスラングとヒップホップの組み合わせは若干飽き気味のテーマであり、その点でも「ああそういう感じか」という気持ちにもなる。
音楽自体はひっきりなしに次々と流れ、知らない曲が多かったので勉強にはなった。ただ圧倒的に主人公の彼の気持ちに感情移入できないのは(もちろん感情の理解はできる)、そういったチンピラなお兄ちゃんたちに憧れる経験が圧倒的に少ない人生だったからだろう。無理して認めてもらうことに存在意義を見出し、家族から切り離していく10歳そこそこの男の子はあまり自分に似つかわしくない。兄にもぶたれたことないし兄いないし。
もちろん映画がいつだって自分と境遇と重なる必要などなく、それこそがフィクションの面白みであるのは理解しつつ、食傷気味だった部分を覗けば面白かったと言える。これは個人の好みだと思う。
音楽は以下。
Trent Reznor & Atticus Ross
映画全体のサントラを担当
Souls of Mischief – ’93 Til Infinity
Jeru The Damaja – Ya Playin’ Yaself
Big L – Put It On
Bad Brains – Supertouch-Shitfit
A Tribe Called quest – Sucka N***a
Mamas & Papas – Dedicated To The One I Love
Madeup Feat. Will Amdeus & Halfcab Jalf – Wu-Tang
Herbie Hancock – Watermelon Man
ただ、この映画のタイトルが「90年代半ば」であることは、この映画のエンディングに深い整合性を見出すことはできる。ジョナヒル自身の人生観と映画観を感じ取れるのは追記しておきたい。