トム・クルーズの出世作であり、今の今までリメイクも続編も一切作らせなかった、トップガンがついに続編を出した。

トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。主人公マーヴェリックをクルーズが再び演じ、「セッション」のマイルズ・テラー、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリーらが共演し、前作でマーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたバル・キルマーも再出演した。「オブリビオン」のジョセフ・コジンスキーが監督を務め、「ミッション:インポッシブル」シリーズの監督や「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加。北米で7億ドル、日本でも135億円を超える興行収入を記録する世界的大ヒット作となった。第95回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、音響賞を受賞。

映画.comより

一作目のトップガンを見たときの感想が以下なんだけれど、とにかく受け付けない映画だった。

第百九十九回映画と音楽のレビュー~トップガン~

自信過剰で強気で無鉄砲でいつも挑発的でケンカもするし女性には嫌な感じでナンパするし(まあ喜んでるんだからいいんだけれど)、トキシックマスキュリニティ全開の映画だった。

本作はそんなトップガンの完全なる続編で、もちろんちゃんと説明もしてくれるんだけれど、一作目の関係性を理解しておかないと、「あ、ふ~んもしかして昔そういう感じだった?」みたいな後々から察していくパターンになってしまうので、もし余力があるなら一作目の観賞はお勧めしたい。

前回と違うところは、マーヴェリックが喪失の男であるということだ。だからすごく内省的で、控えめだ。あのイケイケな彼はいない、と思いきや、冒頭10分からわけのわからないくらいに上官の指示は無視して無茶苦茶なことはするし、なんかめちゃくちゃライトに怒られて終わるし(もちろんとばされはするけど)、もうただのトムクルーズ祭りじゃんって思うのは前作よりも強め。

もちろん戦闘シーンの迫力はすさまじく、演者も実際に操縦してGも本当にかかっているというトムクールズに付き合わされたかわいそうな役者たちの苦悶の表情をとくと拝むことができる。

ずっと人間模様は苦手だったんだけれど、でもラストの爽快感で全てを許してしまうのでずるい映画だったな。60過ぎたおっさんが自分の家の2階から落ちてきて許せるのはトム・クルーズだけだと思う。石原良純だったら間違いなくケツ蹴り上げてるもんな。