どんどん若返っていくのがベンジャミンバトンだとしたらどんどん年老いていくのがオールド、ってちょっと名前がストレート過ぎて定着のしようがないが、こういうひとつの大きな非現実的要素を軸に展開していくサスペンスは何歳になっても大好きだ。それが多少コケようがサムかろうが、なぜかいつまでも心の隅っこであるシーンを思い返したりする。

「シックス・センス」「スプリット」のM・ナイト・シャマラン監督が、異常なスピードで時間が流れ、急速に年老いていくという不可解な現象に見舞われた一家の恐怖とサバイバルを描いたスリラー。人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。主人公一家の父親役をガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、「ファントム・スレッド」のビッキー・クリーブス、「ジョジョ・ラビット」のトーマシン・マッケンジー、「ジュマンジ」シリーズのアレックス・ウルフらが共演する。

映画.comより

ナイトシャラマン自身が今回のメインキャラクターたちを謎のプライベートビーチへと送り届け、さあサバイバルムービーのスタートだ。さっきまでの幸せな空気は一変(まあ主人公一家は離婚間際ではあるけれど)し、次々と異変が起きていく。この手の映画の鉄板とルールとマナーはしっかり守っており(当たり前だが)、医者も学者もちゃんといる。マッチョキャラが一人いたら展開は違っただろうけれど、この映画のオチを観ればまあ確かに要らないわな、という結論に。

ラストナイト・イン・ソーホーでも素晴らしかったトーマシン・マッケンジーも登場し、でもすぐに成長するから気づいたらいなくなっていた。

きちんと論理だって説明し、これから何が起きるかの前振りもはっきりしているので非常に親切で見やすい。でもネタバレというか、先を読めるほど安易でもないのでぜひ見てみてほしい。

音楽はSalekaのRemain。監督のナイトシャラマンの娘だという。すごい採用の仕方。

Saleka – Remain