第八十一回映画と音楽のレビュー～ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!～

公開日 : 2018年7月7日 / 更新日 : 2018年6月13日

映画の感想

サイモンペグ主演のコメディ三部作の最後を飾る作品、とはいえ全く共通項はなく、私も一作目の「ショーンオブザデッド」は見たけれど二作目は観ていない。暇だったら見ようと思う。そんなもうどうでもいいくらいラフに観れる映画、それが「ワールズエンド」だ。

「ショーン・オブ・ザ・デッド」（2004）、「ホット・ファズ　俺たちスーパーポリスメン！」（07）のエドガー・ライト監督と主演サイモン・ペッグ＆ニック・フロストのトリオが、母国イギリスを舞台に描くSFコメディ。20年前、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に失敗したことが忘れられないゲイリーは、再挑戦するために当時の仲間アンディら4人を集め、故郷ニュートンヘイブンに舞い戻る。やがて5人は、町の人々の様子がおかしいことに気づくが、戸惑いながらもひたすら12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける。

引用元: 映画.comより

あらすじの通り、若かりし頃に、ひとつのパブで一杯のビールを飲み(イギリスでは1パイントといい、大体550mlくらいある)ながら12軒回るという馬鹿みたいなことをオッサンになってもう一度やろう！！と意気込んで半ば強引に当時の仲間を呼び寄せる。そして当時と同じように飲み始める。

結論から言うと、この映画はSFです。12軒おっさんがビールを飲み歩いていたら最後は地球が破滅します。以上。

と、身もふたもないことを言ってしまったし何ならオチまで言ってるけど、むしろそのほうがきっとそそられるのでは？と思って言った。完全に取り残される。途中から「おいおいちょっとまて何の話だよ」という間もなく取り残される。サイモンペグがまともに見えてくる。そしてまともになる。アルコール中毒者なのに最後は地球代表としてSF世界で躍動する。意味が分からない。さっぱりだ。でもさっぱりだから笑える。ビール片手に笑ってしまう。生きるか死ぬかの瀬戸際なのにビールを注ぐのに必死な彼らを見て「何を観させられているんだ」とあきれてしまうかもしれない。妥当だ。
君は間違っていない。ナンセンスさしかない。だから怒っても仕方がないし細かいところを詰めても仕方がない。この暴力的展開に諦めてついていくほかないのだ。それがこの映画の楽しみ方である。
もちろん細かいところを見ていけば面白い発見がたくさんある。彼らの会話の節々もそうだし、20年前の挑戦と今回の挑戦を比較しながら追っていくのもいいかもしれない。なんにせよ楽しく見るのが一番だ。