今月からは2020年度用のアルバムランキングです。例のように、80点満点で独自採点しています。
では。

アーティスト名 – アルバム名

曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き
BIGMAMA – Roclassick〜the Last〜 (5 7 5 4 4 4 7 5=41)

この作品をもってドラマーが脱退。

TAWINGS – TAWINGS (5 6 5 5 5 5 5 5=41)
EVISBEATS – PEOPLE (5 3 6 6 6 8 5 4=43)
クボタカイ – 明星 – EP (6 4 6 6 6 5 5 6=44)
カノエラナ – 盾と矛 (5 5 7 6 5 5 6 5=44)
いきものがかり – WE DO (6 5 7 6 5 5 5 5=44)
山本彩 – α (6 5 5 7 5 6 6 5=45)
ISSUGI – GEMS (7 6 6 5 4 6 5 6=45)
まねきケチャ – あるわけないの (5 5 7 7 6 5 5 6=46)
忘れらんねえよ – 週刊青春 (5 6 8 6 6 5 5 5=46)
羽生まゐご – 魔性のカマトト (6 6 7 6 6 5 5 6=47)
エイプリルブルー – Blue Peter (5 6 6 7 5 6 6 6=47)
Ovall – Ovall (6 6 5 5 6 6 7 7=48)
Cö shu Nie – PURE (6 6 6 7 5 6 7 5=48)
アルカラ – NEW NEW NEW (5 6 7 7 7 5 6 6=49)
VaVa – Cyver – EP (6 6 6 6 6 6 6 7=49)
DE DE MOUSE – Nulife (6 6 5 6 6 7 6 7=49)
家主 – 生活の礎 (6 6 8 7 5 6 6 6=50)
H ZETTRIO – Re-So-La (7 8 6 7 5 6 6 6=51)
LUNA SEA – CROSS (7 8 6 5 6 6 7 7=52)


Maison book girl – 海と宇宙の子供たち (8 7 6 5 7 6 7 6=52)



SOIL & “PIMP” SESSIONS – MAN STEALS THE STARS (7 6 6 6 7 7 7 6=52)
UVERworld – UNSER (6 7 8 6 6 6 7 7=53)
SUKISHA × kiki vivi lily – Over the Rainbow (8 6 6 7 7 7 7 6=54)

鈴木愛理 – i (7 7 7 7 6 7 7 7=55)

彼女の伸びやかな歌声は限りなくバンドサウンドに相性がいい。だからこそ以前は赤い公園の二代目ボーカルを推していたくらいなんだけど。それがきちんと体現化しているアルバムなので繰り返し聴けるなと確信が持てる。

Taeyoung Boy – THE BOY IS (7 7 6 6 7 8 7 7=55)
showmore – too close to know (7 7 7 8 7 7 7 =57)
BAND-MAID – CONQUEROR (8 7 8 7 7 6 7 7=57)

秦基博 – コペルニクス (9 8 7 9 9 9 8 9=68)

彼のアルバムをスルーしてなにがJPOPウォッチャーだと。そう自分に言い聞かせたい。もちろん私は一聴してすぐに名盤だと確信した。冒頭のインストから「Raspberry Lover」の毒々しさまで一つの円環をなぞるような人間と宇宙の神秘を感じるような作品集。あえて辛口に言うならJPOPの枠を飛び出す勇気もなく多少軽めに作っている所が「もう一歩なんだよなあ」と思ってしまう所なのだが、それを差し引いてもやはりキャッチーさとクリエイティブさは2019年のJPOPの中でもトップレベルを争える。
2019年を「ずっとレコーディングしてた」と語るように、そのサウンドメイキングの細部へのこだわりは一度聞いただけで十分に伝わる。まずはこれを聴くこと。話はそれからだ。



小袋成彬 – Piercing (10 10 8 9 9 9 10 10=75)

一人ロンドンに移住し、そこで子会社を作り、あらゆることに奔走していた彼がようやく手を付け始めたアルバムが完成した。特に先になにもリリースはせずに、アルバム自体でお披露目の形を取った。結果的に、あまりの”レベチ”に苦笑する。これを超える作品が日本に住む人間に果たして作れるのだろうか。トレンドを押さえているのは当然なのに、きちんと日本語が音として音楽に乗っかって意味を持っている。入る隙間は多数あってもそれを許さないほどの見事な構築。どこから聴いても全く違和感もなく、アルバムとしての完成度もさることながら、プレイリストとしての機能も併せ持っている。なるほどこれはかなわない。
もしまだ聴いていない人がいるなら何を差し置いてでもまず聴くべき最重要作品。75点はその証。M1ならミルクボーイレベル。うん、よくわからない例えだった。


続いて洋楽

曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き

Red Velvet – ‘The ReVe Festival’ Finale – EP (7 4 6 7 5 6 6 6=47)
Free nationals – Free Nationals (6 6 6 6 6 7 7 7=51)
Camila Cabello – Romance (8 6 6 6 7 7 6 7=53)
INNA – YO (6 8 6 6 7 7 7 7=54)
The Chainsmokers – World War Joy (7 7 7 7 7 6 7 7=55)
KATYTRANADA – BUBBA (8 6 8 7 8 7 7 8=59)

Harry Styles – Fine Line (7 8 7 8 8 7 7 8=60)

ハリースタイルズはこの作品で何らかの賞はとれるのではないだろうか。きびきびした楽曲の中に彼らしいルーズなボーカルが素晴らしい。何度も聴くかどうかはちょっとまだ断言できないのだが、でもこの60点は私なりの最大の評価である。


Stormzy – Heavy Is The Head (8 7 7 7 8 7 8 8=60)

ストームジーが一体どこから出現してきたのかも全く分からないまま大物になっていた。世界のトレンドはやはり複雑で超高速だ。ただ聴きやすさもあるしリフレインが心地よく口ずさみやすさもあって、人気の理由はそれとなく理解する。Travis ScottだってTones and Iだってやはり生粋のポップス感はひそめているものだ。

Bring Me The Horizon – Music to listen to~dance to~blaze to~pray to~feed to~sleep to~talk to~grind to~trip to~breathe to~help to~hurt to~scroll to~roll to~love to~hate to~learn Too~plot to~play to~be to~feel to~breed to~sweat to~dream to~hide to~live to~die to~GO TO (8 9 7 7 10 9 10 8=68)

何やら文字化けでもしたのかというくらいに長いアルバム名だが、それがふさわしいなと思うくらいに実験的な要素を取り込んできたのがこのBMTH。やられた。全く意図も見えないし、これからそれを解説してくれる人を探して読み込もうとは思っているが、とりあえず現時点では謎のアルバム。ただ、引き込まれる。ぐんぐんと先に行ってしまう。とつぜんメロウな前作のBMTHが顔をのぞかせたと思えば、再び深海に潜る。その乱高下に必死についていくのみ。

わけのわからない、でも彼らから感じる”美”が形を変えて今作も存在していて、そこへの安心感と、アルバム全体に漂う厳かかつダークネスな空気は、こちらがわの緊張の糸を緩めてくれない、至高のアルバムになっている。