この一年間で最もアツい新人に贈る。キャリア等は問わず。
判断基準は筆者の知識次第。

優秀賞

millennium parade

藤井風

meme tokyo.

角銅真実

FAITH

YOASOBI

空音

ALI

yaffle

Rin音


大賞

NiziU

やはり総合的に考えれば彼女たちが妥当だと思う。コロナの自粛もあいまってか、以前から話題にはなっていたJYPのオーディション番組が一気に盛り上がりをみせ、社会現象と化した。そのグループこそがNiziU。J.Y.Parkが見出した9人で結成されたグループは、デビュー前から圧倒的な人気を誇り、これがKPOPクオリティであることをまざまざと見せつけられた。個人的に最も驚いたのは、KPOP(いわゆるBLACKPINKやBTSのような)のグループに所属するメンバーの完成度の高さは、韓国市場や芸能エンターテインメントの賜物だと思っていた。例えば、教育システムが揃っているとか、アメリカへのあこがれが強い文化だからとか、完成されたものを美しいと思う文化だから(未熟が売りではないから)、などと色々考えて、なぜ日本にはあのクオリティの歌と曲とダンスができないのか、単純な比較が正しいとは思わないが、つい思ってしまうところではあった。ただ今回この企画があり、そして集まった選りすぐりの子たちから選ばれた9名のクオリティを見て、度肝を抜かれた。日本にこんなクオリティを発揮できる子たちがいるのかと。そして同時に思う。なるほど、才能のある(努力もできるという意味も含めて)若きスターは日本にもたくさんいて、単純に魅力的な事務所や企画のオーディションがなかっただけかと。つまりKPOPのスターみたいになれるよ!と声をかけたらいくらでもそのレベルに達する子たちが集まるのだと、要は応募側の魅力不足だっただけだと、痛烈ながらそう思うのだ。

総評

なかなか今年デビュー、あるいは今年ブレイクを目指したアーティストにとっては難しい船出だったと思う。VaundyやNovelbright、藤井風といった新人組はフェスでさらに大きな話題性を獲得できたはずだった。そこを逆手にとってうまく宣伝できた、とポジティブに捉えられる面も多数あるだろうが、やはりこれは変わらぬ痛手である。一方でますますTikTokの勢いは増すばかりで、そこから瑛人などら多くをブレイクへと導いている。またYoutubeコンテンツも自宅待機の期間を含め多くの露出を獲得、The First Takeから北村匠海などもバズの波に乗った。チルの空気感はより一層ライトな層に受け入れられ、ゆるヒップホップがその隆盛を誇った。Rin音や空音といった若手ラッパーの台頭も今年のトピックの一つとして挙げられる。

いずれにせよ、年々事務所や広告代理店といった大人たちではなく、アーティスト本人たちが戦略的行動をとることが多くなった時代。打算性だけではない、音楽の素晴らしさも継続してみたいなと思っている。

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