今月も聴いたアルバムをまとめました。例によって、アーティスト名 – アルバム名で、左から順に「曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き」の各10点計80点満点で暫定的に好みを数値化しています。あくまで主観の一聴しての感覚なので、作品の出来不出来や客観性を示すものではありません。点数低くても気にしないでください。では国内の音楽からどうぞ。

A夏目 – Carry Case (3 4 6 4 2 2 2 3=26)

SUNNY CAR WASH – ハネダ!ハネダ!ハネダ! (3 3 7 6 2 5 2 2=30)

ずっと真夜中でいいのに。 – 伸び仕草懲りて暇乞い -EP (6 2 7 6 4 3 2 2=32)

Five Pebbles – Forgetmenot -EP (4 3 5 2 6 3 6 4=33)

花澤香菜 – blossom (5 6 7 7 5 5 4 4=43)

gummyboy – Moonlight Sword (6 5 5 5 6 5 6 5=43)

ザ・リーサルウェポンズ – アイキッドとサイボーグジョー (6 6 8 6 5 5 4 4=44)

aimi – Chosen One (5 6 5 7 5 6 5 6=45)

Tomggg – Wetlands of grey and blue -EP (5 3 6 6 7 7 6 5=45)

絢香 – LOVE CYCLE (6 7 6 6 5 6 6 5=47)

代代代 – MAYBE PERFECT (6 6 6 5 7 5 7 6=48)

ALI – INGLOURIOUS EASTERN COWBOY -EP (6 2 8 6 6 8 8 5=49)

鈴木愛理 – 26/27 (6 7 7 6 6 6 7 6=51)

ステレオガール – Spirit & Opportunity (6 6 8 6 6 7 7 6=52)

TEAM SHACHI – TEAM (7 7 8 7 6 6 6 7=53)

4s4ki – Here or Hell -EP (7 3 7 7 8 7 8 6=54)

冥丁 – 古風 Ⅱ (6 8 5 6 8 6 8 7=54)

polly – Pray Pray Pray (7 7 7 7 7 7 7 6=55)

NOUGAT – 40 MINUTE MEDITATION (7 7 7 6 8 8 7 7=57)

猫戦 – 蜜・月・紀・行 (8 7 7 6 8 7 7 7=57)

Maphie – Maphie Season (8 8 6 7 6 8 7 7=57) ラッパー 新人

眉村ちあき ima (7 9 7 7 7 8 6 7=58)

倖田來未 – heart (8 9 7 7 7 7 7 7=59)

miwa – Sparkle (7 8 7 8 8 7 7 8=60)

ジャケットからも感じ取れるきらめき(sparkle)は、単にアルバムのリードトラック「sparkle」からインスパイアされているのではない。このアルバム全体からそのきらめきは好奇心へと姿を変え、ギターという楽器に縛られない自由な発想のポップミュージックを手掛けている。「UUU」のような軽快なサウンドは海外のポップミュージックをほうふつとさせるし、「君の声が」のようなギターとピアノの掛け合いは凡庸に見えながら非常に繊細な駆け引きの上で現代っぽい上質なサウンドになっている。決してリリースがなかったわけがなかったのに結果的にアルバムとしては6年ぶりとずいぶんと時間が空いた。その6年の総括のアルバムかと思いきや、一気に現代のモードのmiwaのみが収録されていて(最古で2019年の「リブート」であり、それ以前はベストアルバムに収録されている)、ここにもmiwaの示したいアティチュードが感じ取れる。前作と聞き比べてみるとわかるが、歌い方も変わったし歌詞も変わった。そしてなによりあの冗長的で無駄にダイナミックなオーケストレーションのラブバラードがなくなっている。それだけmiwaは没個性的なJPOPシンガーから脱却できていることの証左になっている。

milet – visions (8 7 7 8 7 9 9 8=63)

またまたmiletはボリューミーなアルバムをドロップした。コンセプトは希薄だが、その分暴力的なほどにキャッチーで、miletの魅力が暴発している。この一年で紅白だけでなく、オリンピックで歌唱というどのミュージシャンも経験できない非常に貴重な経験できるまで上り詰めた彼女は、それに値するほどに本当に素晴らしいシンガーである。私は今からmiletが一周して自由な音楽活動を始めるのが楽しみだ(もちろん今のmiletも大好きだが)。とんでもない人とコラボしたり楽曲提供してもらったり、あるいは海外アーティストとコラボなんてことも全く夢ではない。先日years&yearsとSIRUPがコラボしたように、知名度やテレビの露出度に関係なく、ワクワクするコラボはどこからでも生まれる。その一端がiriとのコラボだ。miletは女性とのコラボがよく似合う。

Yank! – Stupa (8 8 8 8 10 10 8 9=69)

サイケデリックかつメロウな、過去の音楽を参照としながらも独自のサウンドを作っている。Yank!の初のフルアルバム。日本でいうとOGRE YOU ASSHOLEのような、ゆらゆら帝国(あるいは坂本慎太郎)のような揺らぎがある。正直、このアルバムはロックバンドというフォーマットでくくるなら上半期最高傑作といってもよいのではないだろうか。個人的にはradioheadのようなベースと奇怪さを醸し出しているので特に好みである。

MONDO GROSSO – BIG WORLD (9 8 8 9 9 8 9 9=78)

坂本龍一とMONDO GROSSOが満島ひかりをボーカルに立てて共同制作をする。このアルバムがいかにカオスでゴージャスでハイパーソニックなものかが端的にわかる組み合わせだ。そのほかにもどんぐりずやヨルシカといった新進気鋭の若手からEGO-WRAPPIN’の中納良恵やOriginal Loveの田島貴男らベテラン勢、乃木坂46の齋藤飛鳥まで、多種多様の面々が名を連ねている。そのバランスの妙、積み上げと崩壊のおもしろさが存分に詰まっている。彼が歩んできたDJやクラブミュージックのコンポーサーとしてだけでなく、ポップミュージックやアドバタイズドミュージックの数々の提供制作の流れが汲み取れる、キャッチーかつディープな作品になっている。

 

 

続いて海外の音楽です。

 

Tears For Fears – The Tipping point (5 5 3 3 2 3 2 3=26)

KOЯN – Requiem (4 4 5 4 3 4 3 5=29)

Metronomy – Small World (6 6 5 5 4 5 6 5=42)

Animal Collective – Time Skiffs (6 5 6 5 5 5 6 5=43)

death’s dynamic shroud – Faith In Persona (5 6 5 6 7 5 7 5=46)

Wylie Hopkins – On the Way Out (5 8 6 5 6 5 5 6=46)

Arnaud Dolmen – Adjusting (7 6 7 6 5 5 6 5=47)

Beach House – Once Twice Melody (7 6 6 7 6 5 6 6=49)

MARY J. BLIGE – Good Morning Gorgeous (6 5 7 8 6 6 5 6=49)

Artur Araujo – Morada dos Ventos (7 5 5 8 6 5 7 6=49)

salem ilese – Unsponsored Content -EP (7 3 7 7 6 6 6 7=50)

ShittyBoyz – Trifecta (6 5 8 6 8 6 6 6=51)

Al Wootton – Callers Spring -EP (7 3 6 6 6 8 8 8 =52)

LANNDS – lotus deluxe (7 7 6 6 6 7 7 7=53)

SPOON – Lucifer On The Sofa (6 8 6 7 7 7 7 6=54)

Big Thief – Dragon New Warm Mountain I Believe In You (7 9 6 6 8 8 6 6=54)

Bastille – Give Me The Future (6 5 9 7 6 6 9 6=54)

Avril Lavigne – Love Sux (7 9 8 7 6 8 6 6=55)

Willow Kayne – Playground Antics -EP (7 3 9 7 7 7 7 8=55)

Yung Kayo – DFTK (8 6 8 7 8 6 6 7=56)

Mitski – Laurel Hell (6 8 7 6 8 7 8 7=57)

yeule – Glitch Princess (6 8 6 6 8 9 7 7=57)

Black Country, New Road – Ants From Up There (7 8 6 6 8 8 7 7=57)

Moonchild – Starfruit (7 7 7 7 8 8 8 7=59)

Buzzard Buzzard Buzzard – Backhand Deals (8 7 8 7 8 7 7 7=59)

FOXES – The Kick (8 8 8 8 6 7 6 8=59)

Big Boi & Sleepy Brown – Big Sleepover (8 8 8 7 7 7 7 8=60)

Pinegrove – 11:11 (7 7 7 9 7 8 7 8=60)

Saba – Few Good Things (7 8 8 8 7 7 8 7=60)

 

今月はSaba、Pinegrove、Big Boi & Sleepy Brown、FOXESと多種多様なアーティストの作品が上位に。