musicfmが許せない!!!

いつだって、そして何度だってツイッターでバズるmusicfm問題。
当然彼らの意見になに一つ間違いはないし、すごく真っ当で自然で正義である。ただ正義であるがゆえに実利的でない。全くそれが効果を持っていない。気がする。
音楽好き同士で「musicfmサイテーだよね!CD買おうね」「わかるー!!サイテー!ウチも買うよ!!推しの写真も入ってるし❤️」「sumikaの片岡さん好き好き!!オーラルの山中さん、あーイケメーーン!キュン♡♡!!」
とじゃれ合っても全く世の中は変わらない。それは、そんなことを言われなくても初めからCDを買うつもりのリスナー同士がまるで慰めかのようにお互いを励ましあってるだけだからだ。そんな内輪での盛り上がり、全く世の中のためになっていない。ちょっとTwitterでバズってもそんなものを目にして”いいね”してるのは、黙っててもCD買う人たちだけだ。音楽に興味もなくオーラルもsumikaも知らない、たまにYouTubeで音楽聴く人たちにはそのツイートは届いていない。それってなんの意味があるんだろう。自己満でしかない。

音楽に価値を見出す

もっと現実的に考えよう。理想論でなんとかできる時代ではない。諦めろとは言わない。でも他人の善意に委ねるだけなんてあまりに未熟としか言えない。もし本当にシーンのことを思ってmusicfmのような違法アプリを辞めさせたいなら、まず彼らに音楽の価値を見出させることが最優先だ。音楽にお金を払うほどの価値を感じていないからmusicfmで済ますのだ。音楽への価値とは、「これだけいいものを聴いたんだからこの人にはこれくらいの金額を支払いたい!」と思ってもらうことだ。だから我々音楽ファンはCDをわざわざ買う。好きだから買うのももちろんあるが、お布施的な意味合いを持っている時もある。対価を支払ってこそ音楽を楽しめるのだ。だからこの感覚を私たちだけでなくなるべくたくさんの人に持ってもらう必要がある。

法整備をする

次にmusicfmを法的に潰す。アクセスできないようにする。まずは業界が率先して潰す。まさか業界がリスナーの善意に委ねてるようじゃこの問題はちっとも解決しない。
目の前に大して興味はないけどたまに利用したいタダのものがあるとする。すると隣から「目の前にタダのものがあるけどダメだよ!こっちのお金を払う方を使ってね!」と諭してくる人がいる。さて誰が指示に従うのか。いや、法律違反だから従う従わないの問題じゃないから!という意見もごもっともだが、法的な実行力をともわない法律なんていくらでもある。目の前に落ちてる100円玉を拾ってポケットに入れた人を犯罪者だと罵るのか、深夜の誰も通ってない横断歩道を赤で渡る人間を呼び止めて青にするまで羽交い締めでもするのか。法律だからだめだよ!がそんな簡単に通用するなら国家は大変管理が楽だと思う。警察官は寝てても構わない。こち亀レベルの世界観だ。
法律を有効化させるには、かつての飲酒運転のように厳罰化すること、あるいは明らかな被害者を登場させることが必要だ。飲酒運転なら他人の人生を奪うことの重大さを啓蒙する必要がある。飲酒運転ダメだよ!なんて言い続けてもずーっと変わらなかった20世紀があったのだ。音楽だって同じだろう。
だからまず法整備をする。この法律違反がいかに大きな被害を生んでいずれ私たちに回りまわって不利益を被るのかちゃんと教育する。

我々にできること

では我々にできることはあるのか。使ってる友達に口酸っぱく言い続けることも一つの有効な手段だろう。
ただ、使う人間の心理をちゃんと理解することも大切だ。何も分からず闇雲にやめろやめろと喚いても鬱陶しがられるだけだ。何度も言うが、価値に気付かせるのだ。音楽にお金を払いたいと思わせる。美味しいご飯には高くても食べたいように、いいサービスにはチップを払いたいように。
幸いにも私は音楽に価値を感じているし、だからこそこんなブログまでやってるし大真面目にこんな記事書いて考えてる。犯罪はダメだし、お金がきちんと制作者に届く世の中であってほしい。若き才能がお金のせいで音楽を続けられないなんて事態、あってはならないと思う。だけれどそんな崇高な精神、よっぽどそのコンテンツへの愛がないと普通湧き上がらないのではないか。

この「普通」が厄介だ。音楽オタクたちにはこの「普通」がわからない。世の中みんなは自分たちと同じ価値観を共有している、できると感じてる。だからあんな上っ面なぞったような「CD買おうね!」がなんの中身もなく再生産され続ける。全く効力のないセリフが繰り返される。
大半の音楽に興味のない人たちにとっては音楽はタダで手に入るものなのだ。それが「普通」なのだ。良いとか悪いとかは問題ではない。まずその「普通」の感覚を理解しないといけない。だらからと言って許しちゃいけないが。

もっと具体的な事例を引き合いに、タダで音楽を利用する人の気持ちを考えてみよう。マキシマムザホルモンというバンドがいる。彼らはサブスクリプションサービスを開始していない。彼らの曲を聴くにはyoutubeに上がっている曲を聴くか、CDを買うしかない。音源のダウンロード販売もしていない。去年末に発売された「これからの麺カタコッテリの話をしよう」はレンタルすら解禁されていない。要するに曲を聴くには買うしかない。


ちなみにお値段2400円。これが最安である。


この一曲を聴くために2400円を支払う必要がある。これは彼らを批判しているわけでも責めているわけでもない。彼らがそう売りたいのならそれが全てだしそれが正解だ。彼らを批判する事は全くナンセンスである。ただ、2400円することはれっきとした事実だ。
ファンであるあなたは買っただろう。だが、「好きだけどそんな変な本とかいらねえわあ」って思う人にとってはこの値段はどう感じるだろうか。ホルモンの意思とか願いとか我々にとってはどうでもよくて、純粋に曲が聴きたいだけなのに2400円と言われて素直に支払うだろうか。結論は否である。払うはずがない。私がまさにそうだ。ホルモンは高校生の頃から大好きでずっと聴いてきたけど、全部レンタルだしレンタルできないのは友達に借りてipodに入れてきた。もちろんそれもアウトだけど、アルバムを買うほどの価値は当時の金銭事情上見いだせてなかった。今思えばアルバムぐらい買えばよかったと思うが。
ただ今作は買う気にはならない。別に曲の想いとか本への熱意とか制作秘話とか全く興味が無い。気持ちのいメロとノリのいい音楽だから聴きたいだけなのに2400円する。それ以外に方法がない。結果、私はyoutubeを繰り返し聴く。それはさすがに私のモラルがそうさせる。せめてyoutubeにする。
でもそれはめんどくさい、という意見が上がる。わざわざアプリ開いて、しかも視聴中は他の操作ができない。バックグラウンド視聴ができないのでその間はスマホを触れない。不便である。そんな時、目の前にmusicfmがある。はい、もう結果は見えた。
いや、youtubeプレミアムにしろよ、と思うかもしれないが、そもそも「タダで聴くものだ」という前提がある人たちがそんな課金をするわけない。そんな奴はspotifyでもapple musicでもすでに始めているだろう。これが「普通」だ。

ホルモンは特殊な例かもしれないが、こうやって音楽は無償が当たり前になりつつある。無償とまではいかなくても、1000円で聴き放題が最低条件になっている。とあるミュージシャンが「利益を考えてCD買ってくれ」とクソダサいツイートしたこともあったが、そんなファン以外にメリットのないCDを買う理由がない。歌詞カードなんか邪魔だし(なんだったらmusicfmは歌詞を曲に合わせて流れてくれる)、かさばるし高いし劣化する。
いや、CDの良さは分かる。私も200枚以上所有しているし、やっぱりあの「所有感」はたまらない。並べたときの達成感は何にも代えがたい。でもそれを無理やりCDの方がいい理由にこじつけなくてもいいではないか。「サブスクはいつサービスが終わるか~」とか「CDはジャケットも含めてアーティストの作品~」とか、そんな屁理屈並べる必要はあるだろうか。シンプルに「うるせえ俺はCDが好きなんだ文句あっか!?」でいいと思う。他の人に「CDの方がアーティストに還元されるから買うべき」みたいな屁理屈を押し付けるのは無理がある。この時代にCDが強者でいようなんておこがましいのだ。

musicfm根絶の方法

話がとっちらかってきたのでまとめる。musicfmを根絶したい。そこは同意する。ではどう根絶するか。そもそも根絶する必要はあるのか。私たちの願いはmusicfmの根絶ではなく、アーティストに適正な金額がきちんと行きわたるシステムがあれば問題ないのだ。そこをめざせばいい。となると方法はいくらか広がりそうだ。

①ツイッターで仲間内でリツイートしあってキャッキャッと喜び合わない。そんなことしないで目の前の友達にちゃんと言おう
②法整備をすすめるように世の中を動かす。デモなり意見書なり。この方向性でツイートがバズるのはよいと思う。
③世の中の人たちに音楽の価値を見出させる。
④musicfmをつぶす。
⑤タダでもお金が入る方法を賢い人に考えてもらう。
⑥あきらめてグッズ収入やライブ収入に頼る。
⑦musicfmを買収、提携などしてビジネスの一部にする。
⑧たくさんの無料アプリを開放してmusicfmの価値を下げる。
⑨業界が無料で聴けるアプリを作り広告収入や会員制度などでマネタイズをずらして収入を得る。

ぱっと考えただけでもこれだけでた。音楽業界って結構根っこが腐ってて、古い慣習に縛られてて、表現物であるがゆえに「善意」とか「熱意」とかで成り立ってる部分がある。そこをいかにビジネスの視点でドライな施策を練れるかがカギになると思う。

だからみなさん。もう少し先の議論をしましょう。もうCDの良さを語ったツイートをニヤニヤといいねしている場合ではない。CD買おうと啓蒙している人たちをヨイショしている場合ではない。もっと外に、業界に、国に訴えるべきだ。と思うのだが、どうでしょう???

ちなみに

私は大声で「musicfmをつぶそう!お金を払うのが当然!犯罪だよ!!」と言えない身分にある。なぜならAVは(たまに)無料で観ているからだ。そんな人間が自分の好きなコンテンツだけ都合よく「違法だよそれ!」とは言えない。いやだって目の前に毎日更新されるサイトがあるんだから多少のリスクを背負ってでも観たくなる。ダメなんだけど。
もうひとついうと、私91年生まれなので2000年代を学生として過ごしてきたのだが、その世代の人ならわかるだろう。音楽はネットの掲示板に張り付けられた違法音源を勝手にダウンロードしてガラケーに入れていた。1500キロバイト以内じゃないと再生できないから~とかなんとか言って色々探し回っていた。海外に留学していた頃(2008年)は海外の違法サイトから音源をひたすらダウンロードしてまるごと買いたてのipodnanoにぶち込んでいた。今でも正直その音源はipod classicに移して残っている。マキシマムザホルモンの初期の曲とか、yuiとかgreen dayとか。特にあの18歳の頃は全く罪悪感もくそもなかった。10代なんて大体そんなものだ。
もっと遡ればラジオから流れてきた曲を録音するおじさんもいるし、CDをレンタルしてコピーするお兄さんもいるし、人のCD借りて音源泥棒する兄ちゃんもいるわけで、いまさら何慌てふためいてんだとは思う。その分CDが売れていたから顕在化しなかっただけで。ましてやこの時代にそれを倫理観だけで止めようっていう方が無理ある。

だから啓蒙活動はクリーンなみなさんにお任せします。もうちょっとこっそりタダでAV観たいので…。でも最近買っちゃったなー。ダウンロードだけど。総集編を。一本企画は飽きが怖いんだよ。