新しい音楽を探したいけれど探し方がわからない。
という悩みは誰もが通り、そしてその人によって探し方の相性はまちまちで、一概にどうとは言えない。ライフスタイル、重要度、知りたいジャンル、聴き方、シチュエーション、いろいろ考慮して探し方は決まってくる。
なので、まずは私の新しい音楽の探し方を時系列順に具体的に見てみる。
高校生
音楽を掘り始めたのは高校1年生の時からで、とりあえずはもっぱら友達のお勧めする音楽を聴いていくスタイルだった。CDを借り、Ipodを借り、言われるがままいろいろ聴く。おそらくこれが最も最短かつ最安で新しい音楽に出会える方法の一つではないだろうか。もちろん、そんなことができるならとっくにやっているのだろうが。。なかなか大人になると、そして自分が知識を得ていくと、教えてくれるマスターのような存在は現れないもの。
大学生
もちろん前述のような人づてから知る方法も並行しつつ、自分で探すすべを見つけ出す。例えば雑誌。Rolling Stoneとかrockin’ Onとか。あとはタワレコに行って店員のポップに従うまま視聴機にかじりついたり。また、タワレコのフリーマガジン、「bounce」なんかも定期的に持ち帰って読んで。TSUTAYAのレンタルコーナーも、もうなくなってしまったけれど大阪のミナミにあったk2レコードも、そういった”大量に音楽がある場所”へ行くことは非常に有益な時間だった。もう一つ言うと、ちょうど世間的にも、自分の年頃的にも2ちゃんねるのまとめサイトが乱立してた時代で(キュウソネコカミが「ファントムバイブレーション」という曲で「2ちゃんのまとめをみちゃうね」なんて歌っちゃうくらいに)、「見る前に飛べ踊れ」というまとめサイトは個人的に非常にお世話になっていた。ちなみに現在の5ちゃんねるの「V系まとめ速報」なんかを見てても、全く見る価値はないなと思えるくらいにひどい時代錯誤と情弱と意固地になった人間のなれ合いの場所になっていて、新しい情報も正しい時代考証も一切なく、ほとんど見ることはない。そういえばまとめサイト自体見ることがまずなくなったなあ。時代だね。
社会人
働き始めてからは限られた時間を最大限音楽に費やせるように努めている。こうやって音楽のことについて書き始めたこともあり、新譜探しには特に時間をかけるようになった。ライブやイベントなどの”現場”にはめったに行かない自分は、主にネットでの検索がメインになる。昔は「ローリングサンダー」とかそういう個人サイトからメディア、話題性の高いもの低いものいろいろ見て、ジャンル問わずとにかくたくさん聞いていた。図書館へ行ってディスクガイドなんかを借りてきて、よくある「テクノ名盤100枚!」みたいなのをかたっぱしからyoutubeで聴いたりして(念のために言っておくと違法アップロードがほとんどです)、気に入ったのがあればTSUTAYAでアルバムを借りに行く、というのがいつものスタイルだった。
spotify、apple musicといった定額配信型の”サブスク”が日本にも導入されると、もっぱらそこで情報収集するようになる。
じゃあ現在、どんな音楽収集をしているのか。具体的にみていこう
1. apple musicのベストニューソング、新着ミュージックを聴く
apple musicユーザーならまずここを押さえておくといいんじゃないだろうか。JPOPの最先端が大体把握できる。毎週50~80曲くらいが新曲としてアップされるので、私はそれを毎週聴きこなしていく。そして新着アルバムも順番に聴いている。1日1枚、週末は3~5枚くらい。足りなければCDジャーナルで、発売日順に新曲情報をくまなくチェックしていく。アイドル系、バンド系など、apple musicだけでは漏れも意外と多いので参考になる。
2. ツイッターのフォロワーから教えてもらう
とにもかくにもこれがキモ。いかに人から教えてもらうかが大切。そのためにはまず自分のTL作りが重要になる。自分の好みの音楽や情報を提供してくれそうな、アンテナの感度が高い人とどんどんつながっていく。私は基本的にTLで見かけた音楽リンクやアーティストの曲の情報はすべてメモするかいいねするかその場で検索しプレイリストに保管している。私は現在2500人ほどフォローしているが、その人たちの音楽リンクは可能な限りチェックしている。
3. 年間ベスト、アルバムレビューなどの個人ブログを見る
もっと(一方的に)信頼度の高い人に対しては、その人が書いている記事もチェックする。とくに年末恒例の年間ベストは自分が聴いたこともないアーティストがわんさか出てくるので、それを整理するだけでも大変。
この3パターンが基本的に多い。とんでもない引きこもり陰キャみたいな情報収集法だが、べ、べつにやろうと思えば外にだってでれるんだからっ…!!!
それはともかくとして、見てお分かりの通り、私の音楽収集法はあまりにも非効率で、数打ちゃ当たるを地で行くタイプだ。たいていの人にはお勧めしない。ただ、このやり方にもメリットはある。まず、自分で音楽ジャンルを狭めることなくいろいろな可能性に気づけることだ。どうしても好きなジャンルに偏りがちになるところを、かたっぱしから聞くことで防ぐことができる。当然、聞くに堪えないようなひどい曲も、自分には理解できない音楽ジャンルも多々あるのだが、それも一つの経験だととらえている。そのほかの点として、自分の音楽観が確立されることが挙げられる。あらゆるジャンルを摂取することで、自分が何が好きで何を素晴らしいと感じているか、言語化とまではいかなくても感覚的に理解できるようになる。だから人に説明することもできるようになるし、こうやってブログを書くこともできる。また、これだけたくさん聞いていたらそれなりに説得力も出ると思う。たくさん聞いているからえらいなんて全く思わないが、今年リリースされた楽曲をひとつも知らない人間が「最近の音楽はクソだ」というのと、年間1万曲聴いている人が「最近の音楽はクソだ」というのでは説得力が違うように、ブログを運営している身として、ひとつの客観的な事実として提供できる情報として非常に有用だと考えている。
「新譜を聴くために音楽を聴いているって本末転倒だよね」みたいな苦言は飽きるほど浴びてきたし、確かに私もそれは本末転倒だと思う。聴くことが使命感となり、新曲に追われ、好きな曲を繰り返し聴く時間もない。それでは音楽を本来の意味で楽しんでいるといえない、ともいえるだろう。
だが、私にとってこのやり方が最適だと思っているのは、残念ながら、とでもいおうか、これが楽しいからだ。ほかのひとから見れば音楽をまともに聞いているとは思えないだろうが、個人的には楽しんでいる。追われていく感覚がたまらなく楽しい。そう、変態だ。おぼえとけ。10曲に1曲…いや、100曲に1曲程度にしか好きな楽曲には出会えないのだが、その瞬間が常に待ち遠しい。そして出会えた時は、武者震いするくらいに興奮する。だって変態だから。
さて、ようやくタイトルに戻るが、音楽の探し方、だ。おすすめの方法は少なくとも私のやり方ではない。まずはパターン2のフォロワーに教えてもらうが一番いいのでは。音楽に詳しい友達ってあまり出会わないし、そんな友達がいないとどこに行けば出会えるかもわからないし一人でイベント行くのも勇気がいるし、ライブハウスで声をかけるとかもできているなら音楽の探し方に困らないだろうし。でもTwitterなどには音楽に詳しい人がうじゃうじゃいる。そういう人をフォローしていく。あるいはフォローしなくても、リストを作成し、どんどん入れていく。自分のTLを自分好みにカスタマイズすればいい。だれをフォローしなくてもリストに入れるだけなら気軽にできるし、気軽に外すこともできる。トライ&エラーが簡単だ。
それでももし、どうしたらいいかわからない人は。。。
私をフォローして下さい⇒@otakatohe
当ブログでは毎月新譜をアルバムと楽曲に分けて発表しています。それを参考にしてもらってもいいし、ときに好きな楽曲について語る記事などもあるので、私をフォローしてもらえればすべて解決!!やったね!!
ぜひよろしくお願いいたします。(ちなみに要所要所に最近好きになった新曲を挟んでいるので、是非チェックしてみて下さい)
相性の良い”音楽の探し方”を考えると、どうしても音楽を聴く根本的な目的に帰結していきますよね。普通に娯楽だろ、と一概に言っても、音楽に対する探究心を満たすため、演奏や作曲の参考にするため、あとは単純に感動のためなど、その実は一様ではありませんし。数を打てば”当たる”と表現するのは、感動のためで、外れたものを経験、つまり”当たり”の信憑性を高めるものとするのは、音楽に対する探究心のためなんでしょうね。私は作曲も演奏もしますし、そもそも音楽自体に凄く興味があるので個人的な娯楽としての好き嫌いはあっても、音楽的に嫌いと一蹴することはないです。というかできないです。ただ、やはりその根にあるのは音楽を聴くことが楽しいという気持ちだし、そこで極端に中立的な立場をとる必要はないんじゃないかとも思います。嫌いなら〜、というのは何においても探求を妨げるだけですし、そういうスタンスを決め込むといろいろと辛いですしね。あるいは、劣っているという利点、なんて言い出したら、もはや大衆から乖離してしまいますし、何よりその根さえ腐らせてしまいます。逆に、好きという感情は、なにかしらの根拠があると云う証明になるので便利ですよね。生活における大抵の場合は、結果が根拠に先立つのだと思います(感覚的に)。だから自分にあった音楽の探し方の肝は、まずは数を打ち、それで外したいくつもの数によって支えられた”当たり”を分析し、自分の好みを理解していくことなんですね。具体的な手段ではなく、本来の趣旨からだいぶズレました。すいません…
コメントありがとうございます。
作り手と単なる聞き手ではまた音楽の受け取り方は変わりますよね。どんなものでも、自己を確立するには経験が欠かせません。酸いも甘いも知ってこそ自分はこうだって言い切れるのではないでしょうか。