7月の28日から30日まで開催されるフジロックフェスティバル。初めての参加となる本フェスに、期待と不安と期待と期待で胸が張り裂けそうになりながら日々を過ごしている。残念なことに準備というものが大の苦手で全くやる気が起きずいまだにどんな格好でどんなスーツケースで行くかも決まっていない惨状で、経験者からすればそんな準備でなめんじゃねえぞと言われてしかるべきであり、それは甘んじて受け入れたうえで「でも絶対不便な思いはしたくないんです」というわがままだけ持ち合わせている。
正直なところ、私とフジロックは別に相性がすごくいいとは思っていない。
まず自然が苦手だ。農家の息子として中規模都市のカントリーサイドで生まれ育った自分は他の人たちよりは多少田舎に慣れがあると思われることがあるが、まったく慣れてはいない。昔から虫はきらいだしイネ科のアレルギーがあるし大体田舎特有の閉鎖的な雰囲気が嫌いで、高校から市内の学校に通い始め、地元を離れた身だ。山に行くとかキャンプをするとかも考えたことないし、やりたいなあなんて自発的に思ったこともない。むしろキャンプとか山登り好きな人間はジムで筋トレする人間と同じくらい距離を置いている。
音楽的な趣味もそこまでマッチしているとも思わない。おなじ洋楽フェスのサマソニ(こちらは過去10年で7回くらいは参加している)と比べても、よりポップスに特化したサマソニの方が見たいアーティストは例年多いし、趣味にも合う。ヒッピー文化とも近しいフジロックは邦楽アーティストこそ好みのアーティストが多いけれど、それ以外のコアなジャンルやロックンロールを意識した往年のバンドや生のセッションを重視したファンクバンドやロックバンドは詳しくない。もともともっとポップで浮ついて商業的でチャラいものが好きだったりする。
なのになぜ今年参加するのか、それを上回る、期待感。そしてどんな人間でも受け入れてくれそうな音楽の聖地への憧れがあるからだ。もちろんthe StrokesやLizzoといった大物海外アーティストが見られるという喜びも大きいが、フジロックに行くそれだけで得られる経験値と体験が欲しい。きっとそれだけでうれしくて楽しくて自然の驚異なんてひとまず横においておけるはずだ、と、もくろんでいる。虫は嫌いだし草むらは歩きたくないしお外で音楽聞くの辛いし冷房の効いた部屋でゆっくりyoutubeで鑑賞していたいけれど、それでは得られないものが当然ある。それが欲しい。
音楽への愛で自然に打ち勝てるほど妄信的でもなく、案外冷めた目で見ていたりする部分もあるのだが、それでも不便と不快を目の当たりにしながらフジロックに行きたい。それを体験しにいくのだ。
ということで、実質の準備はしないままに自分が気になるアーティストのプレイリストを作成したのでぜひ一緒に予習しましょう。
完全に個人の好みで作ってみたので、また公式プレイリストとは異なった視点からのフジロックプレイリストとして楽しんでもらえたら幸いだ。
あと一週間。