ここでは邦ロックオールタイムベストアーティストの80位から61位までを発表します。

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80位 赤い公園

今年惜しくも解散してしまった赤い公園が80位。バンドのブレインでもある津野米咲が作り出す楽曲は明るくキラキラしている一方で、禍々しく不穏な空気感も纏っている。ロックバンドらしい尖ったかっこよさと、キラキラした部分を併せ持つ稀有なバンドであり、多くのロックキッズを虜にした。

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79位 LiSA

言わずもがなの大人気女性アーティスト。2020年の流行以前からアニソン界では飛ぶ鳥を落とす勢いで爆売れしていた彼女だが、正真正銘国民的歌手へと成長。飾らない天真爛漫なキャラクターも人気の一つ。きわめてシンプルにロックの系統を受けつぐ、パワフルなアーティスト。

78位 ACIDMAN

高い実力で確実にファンを増やしてきたロックバンド。男らしい歌声と郷愁感のある寂しげなサウンドが融合している。生死観を露わにし、詩的かつ哲学的なアプローチで世界を広げていく。丁寧な音作りでライブ映えするバンドでもある。

77位 HEY-SMITH

フェスシーンには欠かせないスカバンド。ハイボルテージでステージを制圧し、見事に全員を巻き込んでいく。特にパンク系のイベントやフェスでは彼らの存在は不可欠で、ラウドシーンからも大きな信頼をあつめている。

76位 阿部真央

幅広い層から支持を集めるシンガー。特に女性の心模様を時にとげとげしくどろどろとした部分も躊躇することなく吐き出すその狂気性も含め大きな共感を得た。なによりその力強い歌声は他のシンガーにはない大きな武器で、今なおフェスシーンでは存在感を示している。

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75位 never young beach

「明るい未来」がロングヒットを続け、彼らのイメージを決定づける作品となっているが、本来の彼らはもっと多様である。”なんとなくいい感じの曲”として消費されるばかりでなく、深いまなざしでポップスの定義をグイッと広げる様なエネルギーもある。10年代後半のSuchmosと地続きの”東京インディーポップ”シーンで大きな役割を果たしたバンド。

74位 andymori

解散してなお熱烈な支持が厚いandymori。フロントマンの小山田荘平のどこか切ないボーカルディレクションがこのバンドの空気感を作っている。活動期間は短いが、シーンに多大なる影響を与え、ミュージシャンからの信奉も厚く、カリスマ的存在として今なお語り継がれるバンドである。

73位 KREVA

KICK THE CAN CREWとしての活動を終え、ソロとしてキャリアをスタートさせると、彼の活動の幅は多岐にわたり、ジャンルを横断するコラボもメディアへの露出も、全てはヒップホップ界のシーンのためにまい進してきた。結果、ロックフェスでも重要なポジションを務め、ヒップホップに詳しくない若い人たちの指南役として長年リードしてきた。

72位 ずっと真夜中でいいのに。

レトロなタッチで平凡で(なんだったら少し怠惰なくらい)地味な生活を描くスタイルが”エモい”として若者に重宝されているこの5年ほどの流れの中で登場したのがずとまよことずっと真夜中でいいのに。である。ボカロシーンの最大の特徴はその中毒性の高いリフであり、ずとまよもその例に漏れない。フェスシーンでもどんどん大きな存在になっていくであろう。

71位 フジファブリック

フロントマン志村は邦ロック界でも随一の人気を誇るアーティストだと思う。それは30代40代を迎える人も、まだ20代前半を過ごす若者にとっても、世代を超えた懐かしさと温かさと優しさを感じている。現在は山内総一郎がボーカルを務め、人気知名度共に落ちることなく、確かな地位を確立している。まさに日本でしか生まれ得ないバンドであり、日本が誇るべきロックバンドである。

70位 The HIATUS

ELLEGARDENの細美武士が活動休止後に結成したバンド。ELLEGARDEN期とは趣向が異なる、壮大で実験的なサウンドが特徴。決してわかりやすくノリやすいバンドではないが、卓越した実力とモダンでクールな楽曲は多くのロックキッズの趣味嗜好のレベルを底上げしている。ELLEGARDENを再開させた今も止まることなく動き続けている。

69位 MONGOL800

言わずと知れた伝説的な沖縄出身の3ピースロックバンド。世間からは2発屋的なイメージを持たれているが、邦ロック界では多くのヒット曲を持ち、ひとたびフェスに出れば満員に埋め尽くしてしまうほどのパワーがある。影響力で言えば計り知れず、彼らに憧れた若者は数えきれないし、彼らに勇気づけられたインディーズロックバンドも多数いたに違いない。音楽で世界は変えられるのではと希望を与えた最重要バンドである。

68位 東京スカパラダイスオーケストラ

様々な困難を乗り越え、世界中での音楽旅を続け、スカというジャンルで音楽シーンを切り開いてきたスーパーバンド。特にここ10年でコラボを増やし、フェスでの盛り上がり至上主義の流れもあいまって、より多くの若いファン層を獲得した。特にコラボは本当に多種多様で、ときにムロツヨシやさかなクンといったアーティスト以外からの選出もあり、aikoや横山健といった滅多にコラボをしないレジェンドもタッグを組んでしまう人望の厚さもある。元フィッシュマンズのメンバーがいることは意外と知られているようで知られていない。

67位 打首獄門同好会

ハードコアとお笑いという掛け算の方程式は近年強まっている傾向だ。ヘビーな音楽でも内容がライトだと聞きやすくなるという発見は実にユニークである。常に食のことを歌い、そのギャップと可愛らしいMVが話題に。内容としても非常に扱いやすくNHKなどにも出演。

66位 菅田将暉

名実ともに日本一の俳優となった菅田将暉の歌手活動は初手から間違いがなかった。米津玄師、石崎ひゅーいといったアーティストからの提供ももちろんだが、彼の真摯に音楽に向き合う姿勢は多くの人の胸を打った。フェス等ではまだあまり出演機会は少ないが、彼の影響でギターをもった子も多いだろう。

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65位 KEYTALK

お祭り男と言えばKEYTALK。節操のない展開でナシもアリに変えてしまう強引さと度胸を持っている。彼らにステージを任せれば確実にどんちゃん騒ぎになれる、そんなスキルを持った特殊なバンド。耳なじみの良いギターフレーズも秀逸だが、なにより4人それぞれの個性がアイドル的な人気を博していることも、大きな特徴だろう。

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64位 ポルカドットスティングレイ

雫の巧みなマーケティングとセルフプロデュース力がこのバンドの何よりの強みだろう。一瞬にして彼らは目玉になり、映像から楽曲性まで、全てがシーンの最前線へと躍り出た。決して楽曲性はおざなりにはせず、軽快なギターのカッティングとボカロシーンと親和性の高い唸るベース。すべてが計算づくされた巧妙なバンドである。

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63位 宮本浩次

エレファントカシマシとしてブレイク、、というと失礼ではあるが、限界突破したのが2010年代後半の事、フェスで次第に存在感を増していき、特に宮本はネットからの評判も良く、話題の的になっていた。ソロ活動後も、まったく規模を小さくすることなく、最大規模のステージで歌い続けている。

62位 ストレイテナー

00年代の邦楽ロックシーンをけん引したバンド。私のような30前後の人間にとっては青春の一コマだったと語る人も多いだ折る。楽曲性も非常に優れており、高い評価を受けている。シンプルな構成ながら胸を打つさまはまさにロックバンドの鑑であり、決して情熱的なバンドではないが、秘めたる炎がこちらに伝染するようなオーセンティックなバンドである。

61位 Creepy Nuts

フリースタイルバトルのブームからヒーローとして登場したR指定とDJ松永のユニット。ロックフェスにて大トリを務めるなど、ヒップホップユニットとしての金字塔を築き続けている。

以上が80位から61位までの発表です。60位以降は次回にします。

邦ロックオールタイムベストアーティスト100位~81位

邦ロックオールタイムベストアーティスト60位~41位

邦ロックオールタイムベストアーティスト40位~21位

邦ロックオールタイムベストアーティスト20位~1位