「怪物」という日本の映画が最近あったが、それとはまた全く異なった「怪物」の物語。どちらかというとニモーナはもっとまともに「怪物」を描いている。そうやって嫌われた人たちのバディ物語。
近未来的な発展を遂げた中世の王国を舞台に、女王殺しの濡れ衣を着せられた騎士と変身能力を持つ少女の友情と闘いを描いた長編アニメーション。
孤児出身でありながら騎士学校を主席で卒業したバリスターは、騎士任命式の最中に起こった女王殺しの犯人に仕立てあげられ、追われる身となってしまう。隠れ家に身を潜めて汚名をそそぐ機会をうかがう彼は、さまざまな生き物に自在に姿を変えることのできるいたずら好きの少女ニモーナと出会い、一緒に真犯人探しを始めるが……。ニモーナ役でクロエ・グレース・モレッツ、バリスター役でリズ・アーメッドが声の出演。N・D・スティーブンソンの同名グラフィックノベルを原作に、「スパイ in デンジャー」のニック・ブルーノ&トロイ・クエインが監督を務めた。Netflixで2023年6月30日から配信。
映画.comより
近未来の世界観に中世的な騎士の時代というミスマッチでユニークな設定はそれだけで目を引く。
血統から外れた平民が騎士として任命されるとやはりエリートたちからは嫌われる。そんな主人公も初めから疎外感、血統、といった差別に苦しんでいる。一方ニモーナもその姿から隠れるように生きていた(かなり自由奔放で人の話を聞かないのだが)。
この世界の歴史は一つの正解しかないと思っていたものが、ニモーナの過去によって暴かれる真実はおもわず息をのんでみてしまう。差別、偏見、そして塗り替えられる歴史。国がしたいように、国民に思わせたいように歴史を変えていく。その為政者をシニカルに描く。
結局誰かをたおして世界が平和になったとかそういうことではなく、もっと内面を癒しあう二人の物語だ。どこまでもそれは自分の過去と出自と変えられない属性に付きまとってくる。説教臭くならず、そして外側を描くのではなくダイナミックに内側の葛藤と悲痛を描き切る。それがこの映画の醍醐味であり、おもしろさだ。
Dope Saint Jude – Grrrl Like
The Dollyrots – Because I’m Awesome
Because I’m Awesomeってすごくいいタイトルだなあと思う。この映画にもしっかりあっている気がする。
The Dickies – Banana Splits
METRIC – Gold Guns Girls
K.Flay – T – Rex (From the Netflix Film “Nimona”)
Jessica Boudreaux – One Two Punch (from the Netflix Film “Nimona”)