キムタクに憧れない20代30代はいない。テレビをつけたら毎日のようにキムタクがでていて、かっこよく映っている。「夜空ノムコウ」でギターをもって歌った姿は忘れられない。子供のころからSMAPはダントツのアイドルだったしキムタクはヒーローだった。
キムタクの出ている映画は興味のあるものだったら見たしドラマも観た。ドラマなんて普段ほとんど見ないけどキムタクのは録画してみた。
その中でも「HERO」は別格で好きだし、おもしろさがずば抜けている。今も弁護士モノや検事モノはあるが、どれもキャラがヘンテコだったりそもそもコミュニケーションが不可能なほどに変人とか、逆にまともなので恋愛要素が多すぎるとか、とりあえずギミックが多すぎる。「HERO」は主人公が変わり者ではあるが、決して変な言動はしないし、なにより検事という仕事に徹底してフォーカスしている。すごく誠実で楽しいドラマだった。

その「HERO」の監督、鈴木雅之と木村拓哉が再びタッグを組んだのが今作。ホテルの殺人予告を受けて潜入捜査をするというもの。警部補のキムタクはフロントマンに紛争し、フロントパーソンの長澤まさみとコンビを組む。かつての「HERO」に出演していた仲間たちも続々と登場するので、それも楽しみである。

東野圭吾のベストセラー小説「マスカレード」シリーズの第1作「マスカレード・ホテル」を映画化し、木村拓哉が初の刑事役に挑んだミステリードラマ。都内で3件の殺人事件が発生した。現場にはいずれも不可解な数字の羅列が残されていたことから、連続殺人事件として捜査が開始される。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介は、その数字が次の犯行場所を予告していること、そしてホテル・コルテシア東京が4件目の犯行場所になることを突き止める。犯人を見つけるためホテルのフロントクラークに成りすまして潜入捜査に乗り出した新田は、教育係である優秀なフロントクラーク・山岸尚美と衝突を繰り返しながら、事件の真相に近づいていく。ヒロインとなるホテルマンの尚美役に長澤まさみ。「HERO」シリーズの鈴木雅之がメガホンをとり、「ライアーゲーム」シリーズの岡田道尚が脚本を担当。

内容はネタバレになるのでともかく、やはりキムタクがようやく「警部補」にまで上り詰めたことにグッとくる。キムタクはいつも正義感に溢れた真面目で突っ走るタイプを演じさせられることが多いので、どうしても下っ端の役が多かったが、今は警部補。まだまだ上に叱られるシーンもあるが、もうそろそろいい歳だし娘もデビューするくらいの年齢にもなったし、あと10年すればキムタクも管理職になっていたりするんだろうか。かつてビューティフルライフで自分の妹と交際するキムタクにブちぎれていた渡部篤郎も、今作では愉快にお話をしたり叱責したいるする直属の部下に。

警察系の映画は、個人的に怖くないとおもしろくない。へらへらした警察はあまりすきじゃない。だからストロベリーナイトは好きだった。全員がヤクザまがいの恫喝をするレベルで怒鳴り散らす警察組織の話しでワクワクした。警察官なんてモラルも効率もへったくれもない、kン州都上下関係とその場のテンションでブちぎれるやっかいな人たちの集まりなんだからその方がリアリティある。
それは言い過ぎた。警察官の方々に失礼か。
まあいずれにせよそれくらい迫力がないとつまらないのだが、今作はそんなにこわくない。渡部篤郎のキレ方はリアルだが恐ろしくはない(キムタクが椅子を蹴り上げる方がちょっとドキッとした)。でも役者のチョイスが絶妙過ぎる。篠井英介が上司って怒鳴られるより怖い。多分サイコパスだ。若いころ現場で何の躊躇もなくチンピラをボコボコにしてたタイプだきっと。

あとやっぱり個人的に松たか子の演技は苦手かもしれない。
作品自体は面白いのでぜひ。