渋谷すばるは畏れ多い

私にとって関ジャニ∞はジャニーズの中でもトップクラスで再生回数の多いジャニーズグループだ。SMAPにこそ及ばないし、Sexy Zoneに猛追されているが、それでもこの15年ほどの功績は消えない。
アイドルなんてと鼻で笑っていた20前後の自分にも響いたロックチューンの数々。エネルギッシュで元気を与えてくれる、素晴らしいグループだった(しかもおもしろい!)。

とくに丸山の滑り芸と横山のキレキレなツッコミとこちらが笑ってしまうほどの爆笑ぶりが大好きだった。
後にメンバーそれぞれ楽器を持ち、バンドスタイルを確立させ、SMAPでいうスマスマ、Kinki Kidsでいう堂本兄弟のような音楽番組「関ジャム」を看板番組として掲げ、ジャニーズの音楽担当として、深い音楽探求を今なお続けている貴重なグループである。
しかし、どうにもジャニーズには脱退の波が来ているのか、男性アイドルグループとしての岐路が露呈しているのか、関ジャニ∞にも渋谷すばると錦戸亮という二人のフロントマン(とあえて今回は呼ぶ)が脱退した。
自らのキャリアを考えたときに、このままグループに残っていてはやりたいことが達成できない、もっと自由にやりたい、と行きついた答えが脱退であり、その決断は大いに歓迎した。
だって一度きりの人生である。新しい環境に身を置いてみたい、と思うのは別に不思議でもないからだ。わたしも転職経験があるし、そういう気持ちはほんの少しだけわかるし、批判も覚悟のうえだったと思う。その決断を誰が批判できようか。

錦戸亮はその後自由な活動にシフトし、SNSといったメディアの露出も増え、よりファンと近いコミュニケーションを取り、オープンな交友関係も話題になっている。
渋谷すばるはやりたかった音楽活動をのびのびと続けている。彼らしいし、応援したい。
残った関ジャニ∞のメンバーも、その穴を埋めようと必死に活動をしている。当然応援したい。

応援したいんだよな。ほんとは。

 

無骨さと単純さは違う

でもどうしても中々うまく整理がつかない。なにがって

渋谷すばるの音楽表現がそれでいいのかということだ。

「二歳」なんてアルバムも出して、とにかく大好きなブルースを真正面から取り組んでいる。まあそれはそれでジャンルがあるんだし、時代の波に囚われずやりたい音楽をやっているのだからいいのだけれど、それにしてももう少しやりようがあると思うのだ。

 

歌詞はストレートというかバカっぽいというか。ストレートならブルースでもロックでも成れるわけではない。すばるの紡ぐ歌詞はストレートというよりは単純なのだ。初めて世界の不条理に気付いた19歳の専門学生のような表現。30過ぎて仮にも第一線で数えきれない様々な経験をしてきた人間から出てくる言葉じゃない。一周回って真理に気付いた裸の言葉なのだとしたらそれはそれでおったまげだ。

彼にとってアーティストがどう見えているのかわからないが、それは歌謡曲であり演歌であり、ロックというよりは動揺である。不変の真理すぎて発見がない。「人を傷つけてはいけないよ」といわれても実親から死ぬほど言われてきてるので今更気付きも起きない。

おそらく彼を批判できる人って一人もいないと思う。だってジャニーズだし、ジャニーズをやめてアーティスト活動を始めたんだから。格好よすぎる。男だ。生きざまだ。これは本心で思う。惰性で行きたくないという強い意志を感じる。尊敬する。しかもより本質的な音楽家としての活動をしているのだから、音楽評論家や音楽好きは褒めざるを得ない。

ただ私はその感想を見る度「ほんとお??」と思う。「マジで心底おもってるう?」って。

 
 
 
 
 
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YouTube で 『ワレワレハニンゲンダ』 ヤッテルヨ。

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好き好きではあるが、これを高度なアーティスト活動とするのならなかなかその観察眼は渋いと思う。
もちろん、これからの成長には期待するし、どんな音楽を作るのか常に注目しているが、今年リリースされた「NEED」を見る限り、そう簡単でもなさそうだし、何より本人がぞっこんのようだ。

関ジャニ∞にはすばるが必要

とはいえ、やはり関ジャニ∞にとってすばるの脱退はあまりにもいたい。失ったものを憂うのは後ろ向きでよくないし、だれもそんなネガティブなことは言わないが、どうみても関ジャニ∞にはパワーが足りない。存在感とエネルギーがない。すばるの強引な歌いまわしが必要である。メンバーはそんなことわかりきっているだろうし、そのうえで試行錯誤しているのも分かっている。おそらくファンも気付いているし、一般人もうっすら気付いている。でもそれが腫れものかのように何んとなーくスルーしていくと、今度はミスリードした評価につながる。

私は何度でも言う。帰ってこいすばる。関ジャニ∞にはすばるが必要だ。そしてすばるはソロではかなりキツい。瑛人と同じレベルである。全員がlose-loseになっているこの状況が悲しい。

とまあ言いたい放題だが、ジャニーズって脱退は合っても加入がないのもなんだかアレだし、いっそのこと誰か増やせないのかなと常々思う。アイドルはそれが難しいのかもしれない(ファンとの兼ね合いもある)。とはいえこのままで双方に明るい未来があるとは思えない。いや、そもそも売れるためにジャニーズ辞めて音楽をやっているわけではないのだし、ヒットとか評価とかそういうのから離れるための活動なのだからこれがやはり正解なのか。。。そうか。。

冒頭のハーモニカからこみ上げるものがあるが、これ、どうなんでしょう。
ちなみにダイノジ大谷さんはソロ転向の際にこうつぶやいておられます。

個人の好みは自由ですが、日本のポップスの歴史に残るか、しかと見届けます。私は。