2日目。

前日の充実した日々をさらに更新するべくやってきた。

今日も昨日と同様、8時10分にコスモスクエア駅に到着し、当日シャトルバスの列に並ぶ。昨日とはうってかわってスムーズで、それほど人も並んでいない。100人ほど。昨日にはなかったテントが行列に沿って立てられているので日差しにやられることもなく。8時25分にはバスに乗り込みすぐ出発。9時前には到着し、9時10分からグッズ待機列に並ぶ。今日は買う。10時半頃には入ることができて、明日のためにthe 1975のTシャツと、母親のためにChainsmokersのTシャツを購入。

そう、今日は母親が来る。サマソニに。もう60近いというのに。初めて。

zeddとチェンスモが見たかったらしく、どうしても行きたいとの事で、散々止めたんだけど来てしまった。まぁ来るのは昼頃らしいのでまだ後の話なのだが、倒れないだろうかという不安しかない。ずっと見てあげられるわけでもないので体調は自分で管理してもらうしかないのだ(非情か…?)

ひとまずビールを飲んでから早速Ocean Stageへ。

Cash Cash 10:50〜

名前は知っていてもあまり曲は知らなかったCash Cash。しかし始まってみるとトップバッターにふさわしい盛り上げっぷり。うまく緩急を使いこなしシンガロングも起こさせまだ午前中という気分を一掃させてしまう。二人のチャーミーな人柄も、青空の下のDJも、全てがビールのつまみ。

全てを見たわけではないけど、価値のあるアクトだったなと思う。

合流

母親からline。着いたらしい。ゆっくり待ち合わせ場所まで行きすぐに合流。自分のクロークに母の荷物を預けひとまずゆっくりご飯を食べる。サマソニにテーブルがもう少しあればなと思うのだがどうせあったところで誰かに占領されてるんだろうし関係ないか。

その後は再びOcean Stageへ。

TOKiMONSTA 11:50~

iだけ小文字なのはBiSHやBiSと同じ。だからどうしたってわけでもないけど。
韓国系のDJで。今日のアクトの方向性が如実に出るOcean Stage。
最後の2曲しか聴けなかったのであまりどうこう言えないのだが、いまいちな盛り上がりながらも楽しんでやってくれてたと思う。たどたどしくても日本語を話してくれてたし。
誰やねんって思う人も多いと思うが、Ocean Stageでできるほどの人、といえば十分にその実績は伝わると思う。日本でも坂本龍一と共作したりと親交が深いTOKiMONSTA。
重い病気もしていたみたいで、復活の姿を日本でも(去年の来日に続き)見せられたのは良かった。

向井太一を横目に(ちょっと見たかったけど)Mountain Stageへ。目当てはきゃりー。


中田ヤスタカ/きゃりーぱみゅぱみゅ 12:10〜

もう中盤にさしかかっていたきゃりーはこのクソ暑い日に大層な衣装。そしてサンダル的なものを履いてる。
にんじゃりばんばんが流れていてテンションが上がる。きゃりーを見るのは二度目。昔大学の学祭に彼女が来ていてそこで見て以来。実は結構きゃりーに思い入れがある自分。単純にデビューの頃から好きっていうのと、彼女の背負ってきたものや苦しまされてきたものにすごく感情移入してしまっている。

好きな曲は多々あるが、やはりこの日の終盤でも披露された「もんだいガール」だろう。

この曲がリリースされた当時、セカオワのフカセとの交際が取りざたされたり、彼女にとってもキャリア史上最も注目されゴシップのネタにされがちな女性だった。そんな時に、ドラマの主題歌とはいえ、この曲をリリースしたのはあまりに意図的で示唆的である。

今彼女がその当時の気持ちで歌っているほどエモーショナルだとは思わないが、やはりこの曲を聴いて思わず涙してしまった。今まで背負ってきたもの全てがフラッシュバックする。別に自分のものでもないのに、勝手に背負ってしまう。バカみたいだが音楽とはそんなものだ。

改めてみると、中田ヤスタカときゃりーが同時に見られるってお得すぎないか!なんて思ったり。暑いけれど良いライブだった。

セトリ

ファッションモンスター
White Cube
つけまつける
爽健美茶のうた
原宿いやほい
CANDY
インベーダー
最 & 高
みんなのうた
PON PON
演歌ナトリウム
にんじゃりばんばん

Level Up
きみがいいねくれたら
キズナミ
もんだいガール
音ノ国


JAIN 14:10〜

sonic Stageに移動して見るのはJAIN。観たかったアクトではあるが、それほど予習をしてきたわけでもない。2015年に出た「Zanaka」を聴いた当時は、いい新人が出てきたとワクワクしてた。フレンチポップのいいところとエレクトロで奇妙なノリの世界観は割とツボだったのだ。
しかし2018年にリリースされたアルバム「Souldier」は少々パンチが弱め。期待半分、でも予習はしてないし未知への興味半分で見ることに。ツイッターで声をかけてもらった方とそのお友達の3人で待ってると、サンダーバードかよって突っ込みたくなるような全身青の制服で登場したJAIN。どんな歌ものフレンチポップかと期待していたら、しょっぱならぶっ飛ばすJAIN。おい待てJAIN。こっちは疲れてるんだぞJAIN。休みに来たんだぞJAIN。

一人で卓をイジイジし歌って踊って煽って。石野卓球かこいつは。と思ってしまった。

歌ってしんみりさせたり聞かせたり一切しない。ずっとリズムを打ち鳴らし客を踊らせる。ちょっとでも緩やかになったらまたクラップやハンズアップをさせ盛り上げにかかる。

どんどんこっちも楽しくなってきた。英語でもないし何いってるのか分からないけど、サビにカタカナで応戦する我々にご満悦か、笑顔の絶えないJAIN。

結局最後の最後まで踊らされてしまった。こんなアーティストだったのかと裏切られた気分。疲れはあるけれど、それ以上に充実感があった。ラストの曲で客の歌声をサンプリングしてループさせていたが、その歌声が独特なセンスで会場一帯が優しい笑顔に包まれていたのも印象的。このアクトが全三日間で最も番狂わせによかったこと、そして最も(翌日観るthe1975とは違ってシリアスさもない)ピースフルな空間だったことを併記しておく。

セトリ

Heads Up
Alright
Zombie
Inspecta
Flash (Pointe Noire)
Star
Come
Makeba


本当ならOctavianを見るつもりが体調不良でキャンセルとの事。




ハハッ。。



BROCKHAMPTON 16:10~

世界的なシーンから考えても彼らを今見ないのは損である。それくらいにタイムリーでホットな新進気鋭のクリエイター集団。もはやラップだけにとどまらずアートディレクターもサウンドメイカーもみんな各々ポジションについてBROCKHAMPTONという一つの集団を形成しているいまどきらしいスタイル。日本で言うとKANDYTOWNが近いかな。リーダー格のケヴィンアブストラクトはソロアルバムも良かったし、BROCKHAMPTONのアルバムも大好きだし、なによりライブ映像がときめく。たぎるエネルギーを余すことなく放出して緩急豊かなライブパフォーマンスで観客の心をつかんで離さない、これは生で観ずにどうする!ということで勢いよくMOUNTAIN STAGEへ。

しかしここで少しずつサマソニ大阪の脅威を思い知る。昨日の蓄積、真夏の太陽。野球場という劣悪な環境、こもる熱気、上がる体温。
すこしずつ息が切れる。眩暈がする。あーなんだこれねむてーとすら感じてきた。

そんなことを考えていると登場してきた彼ら。我々なんかよりずっと暑そうなシルバーの宇宙服のようなものを着てバキバキのラップを繰り広げる。一人、また一人と登場してきて、マイク一つで客を盛り上げていく。初めこそ「うおおおお!!!」と唸っていた自分も、4曲目あたりから立っているのがやっとになってくる。熱中症というよりはシンプルに疲れていた。

さっきJAINで全く休めなかったからだなと反省しながら、じりじりと後ろに下がる。
そして結局残り1/3は隅っこで座り込んでいた。その後いつBROCKHAMPTONが終わったのかも知らない。ただ目覚めたときはかなり陽が傾いていて、自分が汗だくだったことだけは確かだ。

次は万全な状態で観たい。

セトリ

I BEEN BORN AGAIN
GOLD
ZIPPER
SWAMP
J’OUVERT
HONEY
DISTRICT
STAR
SWEET
BLEACH
1998 TRUMAN
1999 WILDFIRE
BOOGIE
IF YOU PRAY RIGHT


ZEDD 17:55~

気付けばzeddが始まろうとしていた。少し回復した私はOCEAN STAGEに向かいながら水分補給と少しの食事を済ませる。
そういえばあまりサマソニでご飯を堪能したことがない。観たいアーティストがいすぎていつも大忙しであまり触れてこなかった。もう少し歳とって35とかになったら、落ち着いてきてサマソニ飯とかで優雅に過ごしたりするのかな、なんてことも考えている。

Zeddは、まずあの巨大な回転式の輪っかを持ってきたのか(あるいは作らせたのか)とびっくりする。海外ライブさながらの迫力とさすがの一言に尽きるエンジンのかけかたでこちらも思わずダンスする。
母親もずっとZeddをベストアクトに挙げていて、「イケメン」としきりに褒めていた。確かに。かわいさと渋さがいい感じにミックスされている。

私も次のChainsmokers含め、Zedがベストアクトだったと思う。それくらいに人を興奮させるツボを知っている。全部わかってるから憎い。おもしろいように踊らせる。キラーチューンもバンバン放り込んでくるし、アイスブレイクで他のアーティストの曲とかも入れてくるし、こんな快晴の野外なのにしっかりクラブみたいになっていた。
周りを見渡しても親子で踊ってたり、まだ10歳くらいの女の子もノリノリで、ここどこ?と錯覚するほど、日本らしくなかった。やっぱこういう文化圏の人が一堂に会するとこうなるのか、とサマソニならではの光景に微笑ましくなる。

日本にみんなが歌えるアンセム的な洋楽って少い。そんな中、難しいところではあるけれど、「RUDE」はみんな歌えるところだけ歌って楽しそうだったのでよかった。私はサビだけはちゃんと歌えた。こういう意外な曲が聴けるのもDJアクトの楽しみでもある。

セトリ

Spectrum
Find You
Bad Company
Thunderstruck
Starving
The Time
I Want You To Know
Addicted To A Memory
Rude
Beautiful Now
Stay
Lost In Japan
Happy Now
Break Free
The Middle
Stay The Night
Clarity


The Chainsmokers 19:40~

2日目のトリはチェインスモーカーズ。日本でもアルバムのCMが流れたりしていたし、ちょっとでも洋楽に興味がある人とか、海外のトレンドとかゴシップとかファッションとか好きな人なら絶対耳に入れたことはあるであろうアーティスト。それくらいいま脂が乗りまくってる一組。海外フェスでもトリ以外はないでしょってくらいに箔ついてきてるので、やはり満を持しての表現が正しいか。

6月には「もう秋からDJはしない」と宣言している彼ら(The Chainsmokers が三人組に インタビューでは9月からのツアーでは「DJをしない」と発表!)、貴重なDJプレイになりそうとの予感を胸に抱いて。
不思議なんだけど、あの壮大なスケールな音とは裏腹に、すごく繊細なサウンドメイキングで、聴けば聴くほど、かれらは躍らせるタイプじゃなくて泣かせに来るタイプだなと感じた。最後にやった「Something Just Like This」とかもそうだし、メロウで泣かせにくる曲が強い。こういった泣きの曲があるアーティストはライブで強い。盛り上げるのは正直それなりになら誰にでもできるけど、緩急の「緩」の方でしっかりギャップやタメを作れると、より「急」の方が力強く見えたりする。どうしてもフェスでのバラードって退屈になりがちだから。
そういった点でもチェンスモはなるべくして成りあがったバンドだなと思う。

ただしここからは正直に話す。

実はと言うと満足というレベルにまでは達しなかった。全ボーカルを務めたアンドリューは楽曲のクオリティやゴージャスさに追いつけない程度の歌唱力で、物足りなさがあった。せっかく曲は良くてもボーカルが曲に負けてるなと感じた。あくまで個人の感想だ。そこがおしかったなと。

あと、だれよりもチェンスモを期待して行った母親は「つまらん」と不満顔。だらだらとつまらない、とのこと。これ結構重要な指摘で、自分は後ろの方で観ていたんだけど、そのまわりのパリピたちが終始落ち着かなかった。まあ彼らはどこに行っても誰を聴いても落ち着かないんだろうけど、それにしても集中できていなかった。何の曲がかかろうとおしゃべりとスクリームをやめない。1時間ほどが経過すると、前にいた15歳くらいの男の子はしゃがみ、隣にいた女性二人組は座り込んだ。そして「Closer」がかかると立ち上がりスマホで撮影。

決して彼らの行動を責めるつもりはない。むしろ、彼らの行動や母親の「ダラダラしてる」という指摘は音楽ライト層の総意ではないだろうか。何が彼らをそうさせたのか。確かに楽曲はまぎれもなく名曲で、曲と曲のつなぎのアレンジも豊富で生ドラムがよりビートを利かせていていた。だけどそれは全て細かなアレンジであり、音楽を聴いてやろうという姿勢の人か、根っからのファンでないと感じられない快感だったのかもしれない。パリピや子供や母親が期待したのはもっとタイトでシンプルなシンガロングできるライブだったのだろう。

となると少し都合が悪い。クラブカルチャーとは歌うものである、が定説になりつつあって、音に酔う感覚が希薄なのだとしたら、これ以上の発展は日本に望めるのかなあなんてことを考えてしまう。余計なお世話かもしれないが、後半、どんどんと人が出ていく様子をみながらそんなことを思った。

ドラムを正式メンバーにするとかどうとか言っていたが、チェンスモが日本で求められる姿は世界のそれとはまた違っているのかもしれない。

セトリ

akeaway
Roses
Under the Bridge (Red Hot Chili Peppers cover)
Losing It (FISHER cover)
Paris
Call You Mine
Don’t Let Me Down
Shout (The Isley Brothers cover)
Back Home
Time For The Techno
DNA (Kendrick Lamar cover)
Mo Bamba (Sheck Wes cover)
Siren
Get Ready for This (2 Unlimited cover)
Everybody Hates Me
Torque
Mu1rda Dem
Machete
Needed U (Gammer cover)
Sick Boy
Party Time
Lose My Mind (Chris Lake cover)
Jungle Bae (Jack U cover)
Hard (Swen Weber & Jewelz cover)
Who Do You Love
Closer
Seven Nation Army
Split (Only U) (Tiesto & The Chainsmokers cover)
Somebody
This Feeling
Kernkraft 400 (Zombie Nation cover)
Something Just Like This (The Chainsmokers & Coldplay song)

ちなみに、ちょうど同じステージで観ていたので「ロッキン・ライフ」を運営されているロッキン・ライフの中の人(@rockkinlife)さんと合流して乾杯。その後最後までThe Chainsmokersをみて花火まで観ました。カップルなら手でも繋いだりハグでもしたいところですが男二人ならそうもならず。

実は、色んな人とお会いしてみなさんとの会話をつぶさに書きたいのですが、どの人の事を書いていいのか分からず、おそらく大丈夫そうであるロキ中さんだけ書かせてもらいました。すみません。ありがとうございました。

まとめ

最後にサマソニにあまり関係ないんだけど気付いたこと。フェスでメドレーするアーティストって日本人にあまりいないなって。きゃりーぱみゅぱみゅとかはやってたけど、基本一曲フルでやりたがる。海外アーティストとかは割とメドレーみたいな、ワンコーラスで終わったりとかもあるのに。みんなが望んでるあの曲をやる使命感はあるけどそればっかでどんどんセトリが固定化されてきたときにワンコーラスでポンポンって変わっていくとスマートになってマイナーな曲とかも演奏できるようになるし結構いい案だと思うんだけどな。

やっぱ日本人は母国だし代表曲を多少外してマイナーな曲やってもあまり客側に失望感がない(またどこかで見れたらいいやー的な)せいなのか。

明日もう一日。これで終わりじゃないことが嬉しすぎて寝るまでニヤニヤしていました。だって明日はThe 1975だもん!!!!